御所参りする子ら
京都御苑で林の写真をあれこれ撮ってみていた。一人で唸りながら、画面の中に家族旅行の5人連れを見つけた。御所の四角い築地塀の北西あたりにある清所門という入口では毎日殿舎の見学を受け付けている。そこへ子どもが入っていくというワンカットであったが、これが大変微笑ましかったのを2時間たった今思い出している。
乳母車を押す両親の前をころころ二人して幼児が競って駆けて行く。先に門まで着いた子がはたと止まって振り返り親を見るから次の子も後ろで同じようにする。門には詰め所が付いていて警備の官吏が待っている。子どもは親を待っている。
迷子対策なのか派手な色のダウンジャケットを着て、砂利と土塀の落ち着いた画面の中では主役の雰囲気である。それで目立っていたからかもしれないが、はしゃいで御所の門をくぐるのが可笑しくてちょっと立ち止まってしまった。今まで見た中で一番楽しげな御所入場であった。
歴史的建造物と子ども、見学とかけっこ、アースカラーと原色、という相当面白い対比なので歌くらい出来ようと思ったがなかなか上手くいかない。やっぱり文章で記しておくのである。