ロシアを擁護?100%あり得ない、その理由。

 ウクライナの情勢、長期化というよりつばぜり合いといった感じになってきていますが…。おそらくゼレンスキー大統領も懸念しているのは、

長期化するうちに、関心が薄れて支援の手も減る

ことでしょう。これは紛争地域のみならず、人間の心理的な部分としてよくあることだから。関心のある今のうちに、ウクライナ側としては有利な決着を図りたいことでしょうね。

 そして対するロシアとしては、プーチンの政治生命にかかわって来るでしょうから…。領土や外交的成果として、明確な結果が欲しいでしょう。当初は一撃すればゼレンスキー大統領以下首脳陣が逃亡し、その後臨時政府を作って傀儡化して…と言った青写真もあったでしょうから。

 で、ネット上ではウクライナの情勢に対して様々な人たちが意見を戦わせていますが…。それ自体は悪いことではない。でも、流石にコレはないなというモノも見受けられる。端的に言えば、

いやそれ、プロパガンダにすっかり毒されてるでしょ

という内容。それが、ロシア擁護論がひとつ数え上げられます。

 なぜか?というのは下手な理屈をこねるより、人間関係に置き換えたら分かりますよ。以下、たとえ話として展開します。

 まず、とある住宅に住んでいるAさん一家がいるとしましょう。お隣には、古くからその地で住んできたBさんという家族がいる。Bさん家族は、かつてAさんの土地も含めて所有してた大地主の子孫。

 そして、Bさんの先祖は土地を売却せざるを得ない事情に陥った。そうして手放した土地に、様々な人たちが入り込んできた。

 しかし、Bさんはかつての自分の土地という事で自分が主導権を握ろうと態度が悪かった。そのため、他の住民はBさんとは距離を置きつつ自分たちでルールを作り、生活。そのため、Bさん家族は距離を置かれていたのです。

 そこへAさんが引っ越し。経緯は他の住民から聞いていたのでしっていたものの、お隣さんだからBさんがやたら

かつて自分の土地だったから

と言っては、入って来る。

 最初は表ざたにしないようにしてきていたAさんも、他の住民の皆さんがつくるコミュニティに参加した方が身のためだ、と申し込む。それを、Bさんが聞きとがめて

自分の土地だったのに、勝手なことをするな

激怒。その剣幕に恐怖したAさんは、他の住民の皆さんに

早く仲間に入れてください、孤立して怖いです

訴えるものの…。Aさんが壁のような立ち位置になってることもあり、Bさんところから遠い住民は他人行儀。近場の住民の皆さんは口添えしてくれたものの、意思統一ができずにAさんの参加申請は棚ざらしに。

 そこで、危機感を勝手に覚えたBさんは実力行使に出る。スナワチ、

勝手に家宅侵入して我流の防犯体制構築

しようとした。

 …とまあ、こんな感じで置き換えができると思いますよ。コレで見ても、ロシアの行動に肯定できるところなんて、ないのです。

 たとえ国境の線引きが当時の利害の下で敷かれたとしても、政治的バランスの下で決められたもの。そこに是非は正義というより、利害における背景への理解が必要でしょう。そこをふっとばして、善悪論だけでアレコレ言うのはそもそも間違っていると思いますね。

 私の解釈では、プーチンの利害はこういうモノだと思っています。

  • ソ連邦は、西側の謀略によって崩壊した

  • あの栄光をできれば取り戻さねばならない

  • 現実に考えても、緩衝地帯のあったコレまでと訳が違う

  • それを分かってるはずなのに、政治決断をせずに来た欧米は許せない

  • 自分の目の黒いうちに、ウクライナがロシア側に残留するのを確定せねば

 とにかく、ロシアが仮想敵とされるNATOの勢力圏が直接国境を接するというのは、安全保障上も絶対に譲れないというのがプーチンの立場なんだと思う。

 それを考えたら、戦争以前の欧州やウクライナ政府の政治家たちが行ってきたことを検証しないといけない。その部分においてのみ、ロシア側だけに一方的な非がある訳ではない、と言えるでしょうからね。

 ただし、そのことと戦争に踏み切った行為はリンクは絶対にしません。戦争行為というのは、弱者が最大の被害者になる。ましてや、戦争というのはインフラという社会生活基盤を破壊する行為。そこに正義などあるはずがありません。21世紀において、政治的主張を遂げるための戦闘行動=戦争、というのは現実的ではないと思うから。

 こうした考えから、ロシア擁護という肯定できるところが全くないのが分かると思うのですがね…。あくまで自国の利害に抵触するから、戦争というリスキーな手段に出たというだけ。あくまで自分の利害ですよ。それを正当化できるなら、日本の過去も正当化出来てしまう。ああ、つまりそういうこと?とみなされてもいいんでしょうかね?ロシア擁護論をぶってる人たちは。気づけないって、恥ずかしい事なのに。
いぢょー。

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