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星の接近で磁場が狂っていると仮定する

12月某日

じくじくと内側の具合がよくない。
痛いとか違和感があるとか冷えているとか言葉にできない。
鉄が腐食するとき、鉄に感情というものがあれば、こんな心持ちなのではないか?と朝、まだ真っ暗な中で思う。
猫がそばに寄って、ツイっとまっすぐ私の目を見て(暗いけど気配で)ズシズシズシと膝の上に乗ってくる。
猫の背に鼻を押し当てる。
背の真ん中の方は、ひなたの匂いの奥の方から香ばしい花粉みたいな香りがする。額のちょっと上のほうはひなたに干した布団の匂いがする。猫はゴロゴロいわせてくねくねしっぽを動かしている。しっぽがたまに頬にあたる。少しずつ少しづつ朝の気配がしてくる。

12月に入って、職場では毎日といっていいくらいに何かしらのトラブルが起きている。
皆、氷の上をそっとそっと歩くように仕事をする。それでもトラブルが起きる。
もしかしたら、何か変な星が接近しているのかもしれない。きっとそうに違いない。

夜 白菜と豚肉の麻婆炒め、レバー炒め(スーパーの惣菜売り場で、半額パックと目があってしまった)、ゆでもやし、温奴
濃い味付けが食べたいなぁと思って作ったら、想像以上に味の濃いものが出来上がった。一体、私は何を入れたのかもう思い出せない(山椒を山のように入れたのは記憶にある)

ラッシュアワー終わりし駅のホームにて黄なる丸薬踏まれずにある

奥村晃作 男の眼より

一日中、ホームに転がるこの黄色い丸薬の姿がチカチカと頭に浮かぶ日だった。

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