『風』メイキング という名の反省文(2024.1.5追記)
『劇詩のようなもの:風』を読んでくださった皆様ありがとうございました!
『風』は実は『詩:風(前後編)』
をベースに書きました。
書いているうちにこれは長編小説になるんじゃないかと思い、書き足していったら短編ほどの長さにしかならず。
しかも詩の文体で書いたので自分でも小説なのか詩なのかよくわからないものができてしまったと戸惑いました。
そのうち調べていくとちょうど「劇詩」という戯曲の形をとった詩の形式があるということに気づき、しかし劇詩なのか劇詩になっているのかとまた戸惑い、「劇詩のようなもの」ととりあえず書いてみました。
この『風』は元ネタになっている作品はいろいろあるのですが、ご指摘される前に全部バラしちゃいます。
基本的には宮﨑駿監督のアニメーション映画『君たちはどう生きるか』(2023)と、ミヒャエル・エンデの児童文学『モモ』(1973)へのリスペクトです。
(2024.1.5追記)そして!スミマセン。忘れてました。宮沢賢治作品へのオマージュでもあります。
他、部分的には、
・夏目漱石『夢十夜』
・庵野秀明『新世紀エヴァンゲリオン』
・宮﨑駿『千と千尋の神隠し』
・宮﨑駿『風立ちぬ』
があり、また執筆時には次の曲をよく聴いていました。
・久石譲『君たちはどう生きるかサウンドトラック』(特に『追憶』『大伯父の思い』『大崩壊』)
・久石譲『タタリ神』(『もののけ姫サウンドトラック』より)
・米津玄師『地球儀』
・坂本美雨『かぞくのうた』
・坂本龍一『aqua』
・金延幸子『青い魚』
・はっぴいえんど『抱きしめたい』
・ビートルズ『Now And Then』
・ルー・リード『Perfect Day』
・デヴィッド・ボウイ『★』
特に坂本美雨さんの『かぞくのうた』は僕としてはこの『風』のテーマソングとして聴いていました(聴いているうちにちょっと泣いたりしちゃって)。
このようにたくさんの作品から影響を受け、傍目から見たらコラージュ作品、パッチワークにも思えるであろうこの『風』は限りなく二次創作に近い一次創作と言えるのかもしれません。
自分は小説家になりたいという夢がありました。
しかしこの通り、小説を書こうと思って書いていくと、小説というよりシナリオ、シナリオというより詩にどうしてもなります。
しかも大人のための小説はどうしても書けない。
先に挙げた夏目漱石やその他今昔の小説を読んでいると「ああ、とても自分には書けない」といつも思います。
でも開き直って、自分には詩しかないんだと書いていくとこれがおかげさまでほぼ毎日投稿ということができています。
でも今回はちょっといつもより冒険してみました。
その結果がこの世にも奇妙なコラージュ作品、有象無象のパッチワーク作品となったわけで、やっぱり自分には物語を語れる才能は……ちょっとどうなんだろうと悩んでいるところであります。
でもどんな否定的な批評感想よりいちばん悔しいなあと思うのは、長編の物語を書けないという自分自身の能力の限界を思い知ったということです。
それでも面白いと思っていただける方がもしいてくださるならとても嬉しいです。
最後に、『風』にはエンドマークを入れませんでした。これはもし「おわり」と入れてしまえば、主人公の俊の人生がこれから始まるはずなのだからおかしいと思ったからです。
でもメイキングにはエンドマークを入れたいと思います。
それではこの辺で失礼します。
『風』およびこのメイキングを読んでくださった皆様に心から感謝いたします。
おわり