筋のエネルギー代謝と生成
【筋繊維の種類】
1.速筋
単収縮が速く、張力は大きい
最大強縮における断面積当たりの張力が大きい
2.遅筋
単収縮は遅く、張力が小さい
有酸素性代謝能力が高く、持久性に優れている
【エネルギー供給システム】
・解糖系
簡単に説明しますと、血中グルコースを分解するときにエネルギーが生成されます。例えるなら、ガソリン(グルコース、グリコーゲン)を燃やした(分解)エネルギーで筋を動かしているみたいな感じですね。エネルギー効率としてはあまりよくないです。
酸素を使わない利点はあるのですが、乳酸が発生するデメリットももっています。そのため、pHの低下をきたし、筋の酸性化が引き起こされます。
主に速筋が動員され、持続時間が33秒程度といわれています。
・有酸素系
これも簡単に説明すると酸素と糖分を使って、エネルギーを作ります。一回で作れるエネルギーが多いため、エネルギー効率は良好です。酸素と燃料さえあれば、半永久的にエネルギーを産生することができます。
主に遅筋が動員され、反応するまで2~3分程度時間を要します。また、速筋で生成された乳酸は、低強度の運動を行い全身循環を促すことで乳酸を参加する遅筋は心筋に運ばれて代謝されます。
物作る(有酸素系)より、物燃やす(解糖系)方が早く済みますよね。こんな感じで学生時代は思えていた記憶があります。
【糖尿病に対する理学療法】
この理論で行くと血糖値を下げることが重要な糖尿病の方にとっては、
速筋を動員する解糖系を使い、早く血糖を下げることができます。そして、解糖系によって乳酸が生成された後、低強度で遅筋の動員される有酸素系で代謝をすることでより多くの糖を短期間で効率的に消費することができと思います。
速筋の解糖系、遅筋の有酸素系を介して双方が動員され、糖の消費を効率化することで血糖を下げることができます。
注意点は、速筋を使うと乳酸が生成され、㏗が酸性に傾くために疲労感が出やすいため、強度などはセラピストが配慮して行う必要があると思います。
病院の糖尿病教室などで、患者に説明する際は疲労感があった方がいい人、ない方がいい人によって使い分けたり、年齢や性別によって強度をコントロールして血糖を下げるように指導していました。
参考にしていただければ幸いです。
主には、下の書籍から参考にさせていただきます。そのほかは、学生時代に藍野大学の後藤昌弘先生から教えていただいたことを元に書いています。ほんとにわかりやすく、現場に立ってもすごく使える生理学を教えてくれる素敵な先生です。
【参考書籍】
特定非営利活動法人NSCAジャパン,ストレングス&コンディショニングⅠ,2003年4月15日
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