自分の思考に気づく(自動思考とは何か?)
今日は認知行動療法の自動思考についての考え方をご紹介します。
前回、自分の体験の整理について簡単にご紹介しましたが、ワークを試していただきましたでしょうか。
自分の体験を細かく分けて分析するということも繰り返しているうちに、日常的に自分の感情や思考をとらえられるトレーニングになりますのでおすすめです。
さて、今回は私たちの【認知】をさらに掘り下げていきましょう。
今日ご紹介するのは「自動思考」です!!
自動思考とは
認知行動療法では、特に【認知】を深く認識していくことが重要になります。
そして、私たちは何か出来事に直面したときに、瞬間的にうかぶ考えやイメージがあり、これを「自動思考」といいます。
私たちが日常に感じている、怒り、イライラ、寂しさ、悲しさの背景にはもしかすると、自動思考のバランスの悪さがあるかもしれません。
ネガティブな私が悪い?
自動思考について学ぶときの注意点が一つあります。
この話をしていると、「前向きになれない私が悪い」と思ってさらに落ち込んでしまう人がいます。
ここで扱っているのは【認知】です。
あなたが悪いのではなく、【認知】に修正が必要ということです。
自分の考えを柔軟にするトレーニングだと思って取り組んでください。
(ここが仏教との共通点があるように思います)
まずは問題の整理
前回のワークシートを使って体験の整理を進めてください。
ここ重要です。
日常の体験は【認知】も行動も感情もすべてごちゃまぜになって、私たちには感じられます。
ここを細かく認識することが自動思考に気づく第一歩です。
認知のレベル
そして、認知のところをなるべく詳しく書いてみてください。
認知の中に、「状況に応じてしょうじたもの」と「自分の元々持っている考えのクセ」のどちらに当てはまるのか考えてみてください。
「自分は〇〇だ」や「〇〇なべきだ」といった自分が当たり前だと思っている信念は状況に関わらず、私たちの認知を変化させます。
特に「自分はどうせダメ人間だ」「周りの人は私のことを愛してくれるはずはない」といった思考があると、何気ない日常の出来事一つ一つに傷ついてしまいます。
これが自動思考です。
ワークシート
さて、いよいよ自動思考のワークをしてみましょう。
最近の自分のなかでの心が大きく揺さぶられた体験を思い浮かべてみてください。
その時の状況をお書きください。
気分については、「怒り60%」「イライラ10%」「くやしさ30%」のように気分の度合いを表現してください。
そして、自動思考です。
この思考がどの程度確信できるかを%で表現します。
「馬鹿にされている70%」「自分には能力がない60%」などと記入してみましょう。
そして、その根拠。
「相手の笑い方が見下しているようだったから」「仕事がうまくいかなかったから」とかです。
以上の自分の思考を反証してください。
自分の思考を「本当にそう?」と疑ってみましょう。
自分を客観視して別の角度から考えてみます。
最後に自分へのプレゼント
自分へのプレゼントとして、「こう考えたほうがいいよ」ということを適応思考に書いてみましょう。
ここを本当に書くことが大切です。
思い浮かべるだけではなく、実際に文字にすることで、自分自身に言い聞かせるとともに、今までなんとなく感じていたけどなかなかできなかった思考が目の前にはっきりと表れてきます。
最後に今の気分を書いて終了です。
このワークは実は奥深く、一人でやっていると行き詰ることもよくあります。
ある程度、慣れと訓練も必要になります。
ご質問があればコメントくださいませ。
仏教との共通点
実は仏教は自動思考をぶち壊す教えが山ほどあります。
お釈迦様は私たちの思考を疑い続けた人です。
仏教の教えについてはまた別の機会にご紹介します。