やっちまった話。
よく失敗をする。大きいものはあまりないと思う。
しかし34を超え、未だに日の目を浴びてないということはもうそれが人生においてとても大きな失敗なのかもしれない、と思う。
細々とした失敗は気にしぃの自分にはとてもストレスのかかるもので、数日引きずることもある。
バイトのシフトを勘違いして穴を開けただったり、カセットプレーヤーを修理しようとしたら電源さえつかなくなるほどに壊してしまったりだとか。
日常の中にある小さな幸福を見つけて自尊心を満たし充実した人生を送るには欠陥が多く生きにくい人間だと思う。
そしてここ数年の中でも群を抜いてやっちまったことがある。
僕は芸歴10年目である。R-1グランプリにエントリーできる最後の年である。
そう。エントリーし忘れた。気付いたらエントリーの申込日を過ぎていた。
やっちまった。
「タケイ君はR-1出るの?」
「うん!勿論さ!だって今年最後だからね!それに僕は今ピンでやっているんだよ、出るに決まっているじゃあないか!」
と言ってた矢先。本当にどうしようもない。やっちまった。嗚呼。
もう知らんと目を背け酒を呑んだ。完全に良くない大人になった。良くない大人になったという実感がある。
良くない大人になったという実感を得るためにもしかしたら神様が僕にR-1にエントリーをさせなかったのかもしれない。
そう考える僕は他人の所為にするような汚い大人になってしまった。嗚呼。
今,僕は切実にコンビを組みたいと思っている。
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