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ゆるゆる図書室で暮らしてく

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図書室・図書館で過ごした日々でふわふわ漂う思考の海をゆるゆる記す フィクション込
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#図書館司書

新着図書が本の森に埋もれていく

新着図書が本の森に埋もれていく

恩田陸さんの『図書館の海』という本が、私の読書歴の限りなく原点に近い。人生のターニングポイントだったと思う。このタイトルを一生忘れることはないと思う。

そんな思いを踏まえて、図書館にあるたくさんの蔵書たちを私は“海”よりもあえて“森”に例えたい。古い本から新しい本まで刊行年は関係なく分類別に配架されている書架には、しんとした静寂さとともに雑多性がある。秩序のなかでごちゃまぜになっているように感じ

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いつもカウンターに座って図書室の中を眺めている

いつもカウンターに座って図書室の中を眺めている

いつもカウンターに座って図書室の中を眺めている。
正面には「ATLAS WORLD」と表紙に書かれた大判の本が面出しで配架されている。大判の地図コーナー。

多くの学生の利用者は入館ゲートを通ると、まず右手側に図書館備え付けの PCとオンデマンドプリンターに向かう。
大学の教授はご自身が発注してこの図書室の蔵書となった新着本たちを目当てに来室する。「発注していた図書が配架されました」というメールが

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