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書店/出版社ピックアップ #4

月曜社さんに続き、出版社の紹介です。今回は、東久留米を拠点として独自の視点から先鋭的な書籍を出版し続けている「共和国」さん。

最近では、この投稿でもご紹介した山本圭氏による『アンタゴニズム』や松下隆志氏の『ナショナルな欲望のゆくえ ソ連後のロシア文学を読み解く』、あるいは芥川仁氏の『羽音に聴く 蜜蜂と人間の物語』などが話題になりました。芥川氏は、ずっと昔に水俣病資料館で購入したハガキセットの写真が印象に強く残っており、お名前を憶えていたので、今回の出版で再びお名前を見つけて驚きました。この本も入手したいのですが、まだできていません。

そのような感じで、共和国さんは精力的に面白い本を世に出し続けています。面白いというと語弊があり、なかなか適切な言葉がないのですが(興味深い、ですとちょっと冷たい感じがしてしまいますし)、とにかくこの非常に攻めている感じが好きで、いつの間にかだいぶ揃ってしまいました。

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もともと共和国という出版社を知ったのは、研究仲間から、藤原辰史氏の『決定版ナチスのキッチン 「食べること」の環境史』の出版社が凄く良いよと教えてもらったことによります。そしていったん知ってみると、地元の書店を巡るたびに、その独特のロゴと、一貫して装丁を担当している宗利淳一氏による美しいデザインの本が目につくようになりました。

また、下記のリンク先では、代表の下平尾直氏が出版社設立に至るまでの過程を熱く語っていらっしゃいます。

私がこの一連の投稿を始めた理由は、いま出版文化全体が直面している大変な状況のなかで、何かできることはないかなと思ったためです。とはいえ私ができることは守りの話で精一杯です。書店で本を買ったり、わずかな収入からさらにわずかな寄付をしたり、本の紹介をしたり。けれども、文化を守るためには、恐らくもっともっと動的に攻めていくことも必要です。共和国さんは、出版文化をどろどろと爆発させ生み出していく、その中心点のひとつだと思います。

ちょうどいま、東久留米の野崎書林さんにて共和国フェアが行われているので、近くの方はぜひ覗いてみてください。野崎書林さんはサイトをお持ちではないようなので、Twitterの情報を貼ります。

あと、共和国さん以外にもたくさんの魅力的な出版社さんの本を見られる「かまくらブックフェスタ」がくまざわ書店武蔵小金井北口店にて開催されています。これも機会があればお見逃しなく。良い本がたくさんです。

人文学は本という形にしないと人びとに伝えられないものです。もちろん、学会のなかで一生懸命やって学会誌に論文を載せて、ということも大切です(私自身は最近それがおろそかになっていますが)。だけれど、やっぱり人文学って「人」の学問です。そうであるのなら、普通に暮らしている人びとの生活のなかで自然に触れられるような在り方が、人文学にとってはとても大切なのではないでしょうか。そしてだとすれば、このように戦い続けている出版社さんは人文学にとって生命線だよね、と私は思います。

そんなこんなで、素晴らしい出版社、引き続き紹介していきます。

この一連の記事では、出版支援として以下のプロジェクト/情報へのリンクを毎回貼らせていただきます。


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