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2024年8月に読んだ本「くちびるに歌を(中田永一)」

毎月読んだ本のうち、いちばん心に残った本を紹介します。2024年8月は「くちびるに歌を(中田永一)」です。

ずいぶん前に読んだことあるような気もするんだよな。どうだったかな。中田さんの小説は「百瀬、こっちを向いて」を読んだと思う。学生ものが多いのかな? わたしも好きです。書くのも読むのも。

長崎県・五島列島が舞台で、合唱部の中学生が主な語り手の青春小説です。ちょこっと調べたところ、2009年NHK全国学校音楽コンクール課題曲「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」の作者、アンジェラ・アキさんのテレビドキュメンタリーをもとに書かれた小説なのだそう。

人によると思うんですけど、わたしは"嫌なだけの奴"が出てこない物語のほうが好き。昔は勧善懲悪のものが好まれてた気がするんだけど、最近あんまないすよね。時代の流れなんですかね。嫌な奴にも事情があって……ていうのが多いと思う。

この小説に出てくる人はみんな好きだな。人間らしくちゃんと嫌なところもあるけど、それぞれの事情がわかるから共感できるし、丁寧に描かれていてよかったです。

2009年、わたしはちょうど中2の年だったのですね。うちの中学(とその周辺)には合唱部がなかったのですが、なんかのタイミングで歌った気がするんだよね。手紙。

「荒れた青春の 海は厳しいけれど」の歌詞がすきだったな。青春ってきらきらしたものとして描かれがちだし、大人になってからだとなおさらそう書いてしまいがちなんだけど、実際ってほんとにつらいことが多いし、荒れてるし厳しいよね。と思った次第なのでした。

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