巣篭もり図書室 (1):「最初に読む料理本」
世の中にちょっとイイ感じの本を紹介したいんだけど、いろんな切り口があり過ぎて・・・なんですが、まずは食をテーマに、その中でも料理本を紹介します。
本屋に行くと料理の本ってたくさんあります。大昔みたいに、専業主婦が日々の料理に困って献立のヒントみたいな本よりも、日々のお弁当とか、パーティー料理とか、スープジャー料理とか、ビーガンとか、アウトドア料理とか・・・細分化されているけど、ほとんどがレシピ本です。
「最初に読む料理本」は、本屋やアマゾンでは買えない素敵な本です。直接注文するか、時雨出版を応援する小さな食品販売店や飲食店で購入できます。僕は西新宿のお寺で開催される小さなマルシェで手に入れました。
全くレシピ本じゃない料理の本です。ページを開くと、美味しそうな「ごく普通の家庭料理」の写真が、作り方を添えてたくさんあります。これが、なかなかべっぴん揃いなんだけど、大雑把な作り方しか書いてません。自分の感覚で自由に料理を作れるようになるための本なんです。でも「無駄を省いて手間を惜しまない」とか「化学調味料」や「出汁」の話など、あちこちに食のコラムが散らばっています。まともな食をしている人にはごく当たり前のことばかりだけど、深い愛情、強い芯を感じる、これからずっと真っ当に生きる人のための、なかなかカッコイイ料理本です。
この春一人暮らしをする人へのプレゼントや、在宅勤務で遠ざかっていた台所が近くなった人などにも、お勧めの1冊です。
西村 修
「最初に読む料理本」
古谷暢康(時雨出版)
https://www.shigurebooks.com/
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