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既存の秩序の崩壊 (前編)

ー戦後レジュームの終焉ー


 2024年は、民主主義陣営の国が政治の低迷をする年でもありました。イギリス・日本・アメリカは、トップが代わり政治は迷走をして、いまだに方向が定まらないまま来ています。加えて、フランスやドイツは決められない政治になり、国家運営ができない状態に陥っています。隣国の韓国は、戒厳令が失敗し政治が空白状態になっています。2025年は、低迷した政治をどのようにして前に進めていくのかが、各国の深刻な課題になっています。
 その反対に独裁政権側は、中国は台湾有事を起こそうとして、いつ侵略がはじまるか解らない状況になっています。ロシアとウクライナの紛争は、3年が経とうとしていますが、おさまる気配すらありません。さらに、イスラエルは隣国に武力を使い戦禍を広げています。かつての国連機関は機能せず、解決に向けて動く国すら出てこなくなりました。
この世界の流れは、日本も同様で政治が機能せず、国家戦略もなければ民の政治をしなくなりました。この政治と民の溝は広がる一方で、民の声は民族主義に戻そうという力が動いています。各国の動きを見ていると、保守政権にかわりリベラル政治の終焉に向かっています。
 そして、国際秩序を安泰に動くことをせずに、各国は国際情勢を静観して、どこが国家として没落するか伺っています。一瞬でも、その姿を見せたときには世界の餌食になり、弱肉強食の世界に引きずり込まれていきます。このパワーバランスは、ウクライナ侵攻がはじまってから壊れてしまい、世界のフェイズが大きく変わってしましいました。
 その中で日本政治は、その状況も理解しないままウクライナに巨額の支援をして、外国に金をバラ巻く政治をしています。このバラ巻き政治は、国際秩序の安泰と世界調和の意味はなさず、アメリカの民主党の太鼓持ちをしている姿になってしまいました。その姿は、誇りを失った国家になり「虎の威を借る狐」のように、日本国民には権威を振りかざし、アメリカにはシッポを振り、どこの国の政治をしているか解らない状態になっています。その馬鹿げた構造は、岸田政権になってからすごく顕著になりました。
 さらに石破政権は、今度は中国に媚びる政治をして、この国をどこに向けて動かしているのか、まったく解らなくなりました。この2人に共通しているのは、自分の保身のための政治をして、日本民族の生存の政治はしていません。日本人には高い税金をかけて弱体化させて、世界にはバラまくという構造は世界のATMになっています。この姿を遠目で嘲笑しているのは、中国とロシアと北朝鮮です。日本が弱体すればするほど、自分たちの餌になってくれるからです。
 
いま世界は

「独裁者の覇権で世界秩序を作るのか?」
 
それとも

「民主主義という名の下で、国家運営ができるのか?」

 独裁者側は、民主主義陣営をどのように壊そうかと考えています。そして、民主主義陣営はアメリカの覇権体制の傘下が、どこまで自国が安泰できるかを精査しています。トランプ大統領の再登板によって、世界のパワーゲームが大きく変わろうとしています。世界の関心事は、アメリカの意向と没落する国に注目をしています。
 世界はなぜ、アメリカ政治にこれまで以上に注目するのか? それは、歴代の大統領とは異質で、誰も彼の政治を理解していないからです。いま北米から見るトランプ政治は、いままでのアメリカの覇権政治と既得権に真っ向から対立姿勢を明確に、政治の‟Regime Change“に向かっています。世界の覇権には興味はなく、アメリカ中心の世界が終ろうとしています。彼は、本気で民主党の利権と産業構造をぶち壊して、新しいアメリカの形に変えようとしています。日本の政治とオールド・メディアは、この大きな政治のフェイズが代わったことに気づいてはいません。いまだに日本の政治は、アメリカの古い体制(アメリカ民主党)の親衛隊を続け、1~2年後のアメリカの姿を見ていません。いまアメリカ政治は、歴代の大統領が出来なかった政治理念と国家体制をすべて変えようとしています。その1つは、イデオロギーの刷新です。いままでのアメリカ政治は、自由主義と民主主義が中心でした。しかし、その自由民主主義は限界があり、行き過ぎた自由民主主義には国を亡国にしていると政治理念を掲げて、アメリカン・デモクラシーを変える方向に舵を切りました。この刷新は、黒人大統領を選出したオバマ政権時よりも斬新で、アメリカの命運を賭けた大博打にでました。そこにアメリカ人は、アメリカの希望と光をトランプ氏に託しました。日本のメディアや政治家は、その意味も解らずにトランプ氏を無法者のように報道をして、誤報を伝えてきましたが実態はまったく違うものです。これからはじまるアメリカ政治は、明治維新に匹敵するぐらいのイデオロギーの大改革がはじまります。そして、それは国の存亡の大博打でもあります。
 
今回、アメリカ政治の1番の争点は

「リベラル政治が国民生活を豊かにしてきたのか?」


 この疑問がバイデン政権になって、より露呈するようになりました。民主党の民主主義は、嘘にまみれた偽りの政治をしていたことに、国民生活は豊かにならず貧困層が広がっていきました。黒人大統領になっても黒人差別な無くならず、庶民は豊かになるどころか所得格差と不平等社会が広がっていることに、政治不信はどんどん募っていきました。最後の追い打ちは、2022年の大統領選で民主党のペテン政治がより明確になりました。

 実は、この大きな波は日本にも流れてきて、LGBT推進法や夫婦別姓という法は、アメリカのリベラリズムが深く関与しています。そして、そのイデオロギーは文化と伝統を破壊し、社会を潰す装置になっていることをアメリカ人は気づきはじめました。いま日本の政治は、アメリカン・デモクラシーの姿も見ずに、1~2年前の過去のアメリカ政治と日米関係を作ろうとしています。これは、大きな間違いであります。これからのアメリカは、1940年前以前から続いているモンロー主義的な政治に戻ろうとしています。
 日本の姿を見て感じることは、いつも周回遅れの国際政治をしていて、理解できないことをしています。岸田氏にしかり石破氏は、国家観も民族観もない人がトップに立ち国の命運を決めています。その国の姿は、民族生存ゲームで国民の命を盾にしながら、自分の保身のために民族弱体の政治をしています。さらに最悪なのは、権力のチェック機関が機能していないことです。オールド・メディアと有識者は浅い知識をこねくり回し言論空間で、正論風情で遊んでいるのが日本のエスタブリッシュです。その結果、多くの日本人は事実を誤認して、正しい価値判断が出来ない状況になっています。


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