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【TAKEFUのはてな?】マスク
いまや日常の一部ともいえるマスク。
TAKEFUのマスクには、10年以上のロングセラーアイテムの、「うるおいマスク」「キッズマスク」というカラーマスクと、2020年に発売された「竹の布マスク」という白いマスクがあります。
どちらもやわらかいTAKEFUがお顔に直接触れることで、心地よく感じながら付けていただける人気アイテムです。
今回はその誕生秘話とともに、10年以上の歴史の間にTAKEFUのマスクが果たしてきた役割についてのお話を田中副社長に伺いました。
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「うるおいマスク」
―まずは、ロングセラーアイテム「うるおいマスク」について教えてください。
「実は、作り始めたきっかけは和布を生産する過程で出てしまうB品なんです。
うるおいマスクの表側の生地は、和布と同じTAKEFU®100%のガーゼ生地を使用しています。ガーゼ生地は繊細さゆえに、生産過程でどうしてもB品が出てしまうことがあります。そのまま捨ててしまうのはもったいないですし、布がかわいそうという想いがありました。」
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―B品というとどのような状態なのでしょうか?
「小さな穴が空いていたり、織り途中の糸を替えるタイミングで生じる区切れの線ができていたりといったものですね。ガーゼ生地は繊細なのでゆっくり編んではいくのですが、機械で編んでいくとどうしても糸が切れやすくなります。どんなに細い糸一本でも切れてしまうと、残念ながら和布の製品としてはお客様にお届けできません。ただ、その箇所以外は問題がない和布を別の形で生かすことができないか、模索しました。」
―その箇所を避けて裁断・縫製して作れる小さなアイテムを、ということだったんですね。その中で、マスクを作ることにした理由はありますか?
「和布をご愛用くださっているお客様が、夜巻いて寝ているとおっしゃっていたんです。特に乾燥する季節に首に巻いて寝ると、喉を痛めなくて良いということで、TAKEFUで作ったマスクなら付け心地も良く、睡眠時の保湿にも役立つのではということで企画しました。」
―それで製品名も「うるおいマスク」なのですね。
「睡眠時だけでなく、飛行機や電車の中などの乾燥しやすい移動時や、花粉の時期など、さまざまなシーンでご使用いただきロングセラーアイテムになりました。」
―表面はその和布生地が使われていて、裏面や紐の部分はまた異なる生地が使われていますね。
「和布生地一枚にTAKEFU®70%、綿30%の天竺生地を二枚重ねて、合わせて三重になっています。肌に触れる裏側の素材と、耳に当たる紐部分もこの天竺生地です。」
―三重にしているのは何故でしょうか?
「ガーゼ生地は薄いですし、形を保つためにある程度の厚みが必要です。
これ以上厚くすると息がしづらく苦しい感じがしたり。試作を重ねて、最終的にこの 組み合わせに決めました。」
―この天竺生地はインナーや寝具に使われているものと同じ配合率ですよね。気持ち いいTAKEFUの定番生地ですね。
「それと、ガーゼ織りよりも天竺編みは生地に伸びがあるのも特長です。最初は、紐 の部分も和布のガーゼ生地だったのですが、ちょっと窮屈な感じになってしまうので、 耳の部分の当たり具合が楽になるよう天竺生地に変更しました。」
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―このゴムで留める形、すごくいいですよね。長くしたい方を引っ張るだけなのでお子さんや細かい作業が難しい方でも調節しやすくなっています。
「調節方法も改良したところですね。初めはゴムで調節する形ではなく、もう少し長い紐で結ぶ形でした。結び目が耳に当たって気になったり、結び方が難しかったりするということで変更しました。この留め方だと、耳にゴムが直接当たらずTAKEFUに触れるようになっているので長時間付けていても痛くなりません。使いやすさを模索しながら少しずつ改良をして、現在の形に。もちろん、ゴムを外して、ネクタイ結びにすれば紐だけで調節もできますよ。」
―カラーがよくある白色ではなかったのは、カラフルな和布の色に合わせていたからなのですね。
「もともとは和布が五色だったので、マスクの色も五色でした。和布の色が増えるのに合わせてマスクの色も増えて、同じようなタイミングでカラーバリエーションも推移してきました。
2010年の発売当時はカラーマスクというものはほぼなかったと思います。ただ、白いマスクとなるとどうしても病気のイメージがありました。せっかくなら明るい色で使ってもらえたらと思い、あえて色があるものをと考えました。」
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「キッズマスク」
―キッズマスクは出たのはうるおいマスクの後ですか?
「たしか同じくらいだったんじゃないかと思います。発売当時は、子供サイズのマスクも少なくて。
それこそ、東日本大震災後、社長が福島の小学校にキッズマスクを届けに行っていました。
不安な事があったり緊張していると、気づかないうちに頬など顔のまわりが硬くなってしまうんですよね。TAKEFUの気持ちよさで硬さをゆるめて、少しでも気持ちを和らげる助けになればという想いでした。布マスクなので自分の息で柔らかくなりますし。」
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―ただのマスクとしてだけでなく、そのような役割も果たしてきたアイテムだったの ですね。
「最初は主に、乾燥しやすい環境での保湿のために使っていただいていましたが、お客様から、このマスクを付けているとなんだか安心できるという声もけっこう頂くようになって…ただ顔を覆うだけのものではないということなんだと思います。」
―ロングセラーアイテムの「うるおいマスク」、そして 2020年には「竹の布マスク」 という白いマスクも発売となりました。
「コロナ禍で、やはり白いマスクの需要があったので作ることにしました。」
―コロナ禍がはじまった頃はうるおいマスクの在庫数も限られていて、なるべく多くの方に行き届くように、ショップでも購入数を制限させていただいていた時期もありました。
「当時は市場にマスクそのものが不足しているという問題がありましたね。和布のB 品が生じることによって作り始めたうるおいマスクに対して、竹のマスクは需要の高 まったものをまずは十分な数届けられるように、という始まりでした。」
うるおいマスクと布マスクの違い
―ある意味逆のスタートだったのですね。「うるおいマスク」と「竹の布マスク」、製品としてはどのような違いがあるのでしょうか?
「まずは素材ですね。竹の布マスクは天竺生地2枚を重ねた素材を使用することにしました。縫製する際の特性など、和布生地を合わせているうるおいマスクとは異なり ますし、鼻の高さ、大きさなど、顔の立体感は人それぞれです。この素材で、布一枚でほどよい立体感を表現できる極限の形を目指して、ギャザーを作ることにしました。うるおいマスクよりは薄手で軽い着け心地のマスクです。
どちらが使いやすいかは付ける方のお顔の形にもよるので、それぞれのお好みになってくるんだと思います。肌に触れる部分はどちらも柔らかい天竺生地なので変わりはないです。ぜひご自身に合うタイプを選んでいただければ。」
―コロナ禍のときに自分で布マスクを作ってみても、なんだか付け心地がしっくりこなくて…。いかにこのマスクが製品として工夫を凝らされているかということに気が付きました。
「簡単にできないのがモノづくりですよね。この竹のマスクの試作をしていたときも、ひとつひとつの部分の長さやギャザーの幅などを変えてみたり。うるおいマスクも、鼻から顎にかけてのカーブはどのくらいにしたらよいか様々な形を試しましたし、ふちの部分も鼻側と顎側とで微妙に長さが異なっているんです。
少し伸びが欲しい部分にはチェーンステッチを使うなど、縫製もその部分部分に合うものを選んでいきます。
言われてみないと分からない違いですが、この微妙な違いで、付けた時の気持ちよさや、息のしやすさなどが変わってきます。
縫うのもとても難しいんです。小さなアイテムで、TAKEFUの特長である柔らかさや滑らかさがあるのでやっぱり縫製が大変で。いわばハンドメイドに近い作り方で作っていて、実はすごく手が込んでいるんですよ。」
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―そう聞くと数多くあるマスクの中で、ますます愛着がわきます。
「もちろん、病院など不織布のマスクを着用しなくてはならない状況もあると思います。ただ、肌が荒れてしまったり、気持ちが落ち着かなかったり、TAKEFUのマスクが助けになれる時もあると思うんです。」
―コロナ禍でマスクやウイルスというものに対する意識も大きく変わったように感じます。
「そうですね。ウイルスを99.9%完全に遮断しなくちゃいけないと迫られるのではなく、のどや粘膜を保湿したり、身体をしっかり温めたり...自分の免疫力を高めていく、という考えに本当は戻れたらいいなとも思いますが、常に様々なことが変化していっていますから。」
そう穏やかにお話されていた田中副社長の表情が印象的でした。限られた資源を大切にすること、必要とされているものを届けること。製品として形にするとき様々な状況があり、そこには必ずモノづくりの難しさ、乗り越えるべきハードルがある中で、どのように環境や状況が変わっても、TAKEFUが叶えうることを考えながら形にして届けるという熱意が伝わってくるお話でした。これからまたどのように未来が変わっても、TAKEFUができることを模索していきたい、そんな願いがありました。
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ライター・のい
1991年生まれ。ナファ生活研究所直営店 Shop of TAKEFU "eau" 勤務。趣味は美味しいものを探して“うまみメモ”にストックすること。お気に入りのTAKEFUアイテムはアーム&レッグウォーマー、リラックスパンツ、スパッツ