エンジニアリングマネージャーのすすめ2〜1on1の使い方〜
はじめに
自分の肌間隔として「マネージャーになりたい」というエンジニアが少ないと思っています。
その理由の一つとして、エンジニアリングマネージャーとは何者なのか不明で、解像度が低いからではないか。であれば、もっと知ってもらおう!ということで、エンジニアリングマネージャーのすすめとして、連載(全7回を予定)していこうと思います。
今回は第2弾「1on1の使い方」です。
1on1とは
1on1とはマネージャーとメンバーが1対1で対話すること(手段)なので、こうするべきだと決めつけるつもりはないです。
ただ、1on1をやる意義や何につながるかわかっておらずに、うまく使えていないマネージャーも多いかなと思います。
だって、そもそも1on1自体、日本で流行り出したのはここ15年なので、今マネージャーがメンバーだった時にはなかったから。経験がないものを実践するのは難しいですよね。
また、メンバーの期待値により1on1のやり方は変えるべきものなので、1on1をうまく活用するためにはある程度の手札が必要かなと。
なら、こういうやり方ありますよ、という紹介をすることで、実践するきっかけになってもらえればと思います。
未来の話をしよう
1on1は「今週どうでした?」から始まること多いと思います。ただ、この「どう?」というのが範囲が広いオープンクエッションなので、まだ信頼がない段階ではなかなか話が盛り上がりません。また、話をしてくれたとしても、どうだったかの過去の説明になってしまいます。
1on1の目的がメンバーの成長のために内省を深めることだとすると、過去ばかり追いかけてしまうとその週の反省(出来なかったネガティブな)話になりがちです。
そこで、過去の話から未来の話にするやり方があります。
それは最初の質問を今週どうでしたか?から
「今週の自己満足度は何点でした?」
にすることです。
点数は主観で良いです。そしてその点数の理由を聞きましょう。この質問をすることで「今週どうでしたか?」より解像度を高めることができます。そして次が重要です。
「満点に近づけるためには何が必要ですか?」
と、質問しましょう。必要なものはなかなか見つからないですが、それを一緒に考えましょう。考えることに意味があります。
そしてその思考が未来の話につながります。
具体的な解決策がなくても、次の1on1をするときに、今回はどうでしたか?と聞くことで、何をこれからやろうかと前向きな話をすることができるようになります。
キャリアとは自分が働いてきた道筋です。なので、振り返ったときに見えるのがキャリアです。先は基本見えません。
1on1が、未来こうなりたいために、こういうことやろう、と宣言する場になるとよいですよね。
その時の深掘りの仕方が人に寄り添う形だと内省が深まります。
組織づくりの1on1とは
1on1はマネージャーとメンバーがやるものですがチーム作りにも役立ちます。リモートワーク前提のチームでは特に試してほしい質問があります。
それは、
「チームメンバーで頑張ってる人を教えて!」
です。
エンジニアの仕事はどんどん標準化されリモートワークでなくても頑張りや現場のいい動きが見難い状況になっています。
そこでメンバーに直接聞いてみましょう。最初はいないという回答だった人も、質問されるとわかると少しは周りを見るようになります。
そして、よく見てくれてる人にはありがとうを伝えつつ、そのことを本人にも伝えて良いかを聞きましょう。
そして、その本人との1on1の時に、そのフィードバックをやりましょう。
良いフィードバックが循環し始めるとチームは確実に前向きになります。メンバーとの1on1を通じてその潤滑油にすることができます。
まとめ
1on1は質問の仕方を変えるだけでも話のテンポや場の雰囲気を変えることができます。今回紹介した質問例以外にも、自分の引き出しを増やすことで1on1がより楽しく良い場に繋がると思います。
この記事が少しでも1on1って面白そうと思えるきっかけになれば嬉しいです。
次回予告
エンジニアリングマネージャーのすすめ3
〜チーム目標とは〜