エンジニアリングマネージャーのすすめ3〜組織目標(MVV)とは〜
はじめに
自分の肌間隔として「マネージャーになりたい」というエンジニアが少ないと思っています。
その理由の一つとして、エンジニアリングマネージャーとは何者なのか不明で、解像度が低いからではないか。であれば、もっと知ってもらおう!ということで、エンジニアリングマネージャーのすすめとして、連載(全7回を予定)していこうと思います。
今回は第3弾「組織目標(MVV)とは」です。
目標設定
チームとはある一定の目標を持った集団と定義されます。なので、必ず目標(もしくは、何らかの達成したいこと)があるはずです。
例えば、大学野球のある野球チームの目標が
1部リーグ昇格!
のように。
この1部リーグ昇格のためにチームは一丸となって活動をすると思います。ただ、この目標「1部リーグ昇格」だけで、良いチーム、良いマネージメントができるでしょうか。
チームを一つにまとめていくのは難しいと思います。
なぜ難しいか。
それは、目標が単なる到達点だけだと、メンバーの思いが統一されにくいからです。
なぜ組織目標(ありたい姿)が必要か
もしあなたが、この「1部リーグ昇格!」という目標を掲げた大学野球部監督だった場合、以下の状況が発生したらどうしますか?
チームの状況やA,Bそれぞれの人の実力差や調子のよさにもよるし、そもそも勝つ確率の話なので、この質問に正解はありません。
ただ、エンジニアリングマネージャーとして心がけたいことがあります。
それは、どちらを選んだとしてもチームメンバー全員が納得することです。
1部リーグが長年のチームの夢であり必達だということが浸透していれば、誰もが迷わずにAの人を選ぶと思います。
チームの輪を大切に将来のことや個人の成長も重視しようというならBの人でしょう。
迷いなくこっちとメンバー全員が同じ回答ができるのが本当に良いチーム状態なのだと思います。
ありたい姿=状態目標(MVV)
エンジニアリングマネージャーの仕事は最高な状態で組織を維持し続けることです。
プロジェクトマネジメントを繰り返し、ゴールを次々と達成するだけでは良い状態を維持することはできません。そこが難しいところであり、逆に面白いところでもあります。
チーム目標を立てるときに、ゴールと共にそのゴールを達成したときにどういう状態になっていたいか(状態目標)をセットしましょう。これは1人で考えるのではなく、チーム全員で話し合って決めることが重要です。
そのプロセス自体がチーム力の底上げにもつながります。
チームの目標(到達地点)とありたい姿(ミッション、ビジョン、バリュー)の2つを言語化してチームの基礎を作る。これがエンジニアリングマネージャーの役割です。
まとめ
いろいろな考えを持つ人が集まってチームはできるので、簡単にはありたい姿は決まらないでしょう。でも、なぜ必要なのか、その重要性だけでもチーム内に浸透できれば最初の一歩を進めることはできます。
その手段としてぜひ1on1も活用しながらチームビルディングを楽しんでもらえればなと思います。
この記事がエンジニアリングマネージャーって面白そうと思えるきっかけになれば嬉しいです。
次回予告
エンジニアリングマネージャーのすすめ4
〜ポジティブはネガティブより弱い〜