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朗読劇『chill moratorium』を観た話。
ずっと疑問に思ってた事。
『心理学』を学んでいる人間に『ミラーリング※1』を行う人がいる。
『釈迦に説法』ではないだろうか。
朗読劇『chill moratorium』
世界の続きを知るために。
あなたはアナタと成るために。
約130分の猶予期間。
『アナタは今までどれだけ"出逢い”ましたか』
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私の”日常”にはよくある事。
この作品を観劇前に面白い動画に出会った。
ひとつは、かの有名な宗教団体の霊感商法。
ひとつは、解離性同一性障害の説明動画。※2
心理学も、霊感商法も、占いも。
精神病も”詐病”という名の自演も。
全ては”紙一重”。
物語の始まりは一つの扉と部屋から。
机上に”酒”が出てくるような診察室。
二人の人物。
チャーリーとヤコブ。
精神科医と”詐欺師”。
二人の『クラウン』。
四人で届ける、”4人”を殺めた本当の殺人犯を探す物語。
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『道化師』を意味する『クラウン』とは何だったのか。
物語の『前座』であり、場面の『解説者』であり、実験の『当事者』。
クラウンは叫ぶ。
『本当の自分など、この世にありはしない』と。
自己形成は他者承認によって成し得る、と捉えることができる台詞があって絶句した記憶がある。他人の中にこそ”己”を見つける、と言った方が早いのか。
『自分』はどこに埋めたのだろう。
それが、この物語の根幹である。
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この作品を観た多くの観劇者が語った物語がある。
『世濁声』
俳優・鈴木勝吾氏と安西慎太郎氏が手掛けた作品。
現実も虚構も差異が無くなった現代だからこそ、『集合体』であることの重要性・『孤独』であることの必要性に疑問を投げかける物語。
諸事情で私はこの舞台作品を観に行くことが出来なかった。代わりに台本を購入。
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台本は小説と違って、補完は役者に委ねられるのだなと感じました。
対話系の物語の難しさに共感しながらも『”ネットワーク”を扱いながらも、ひどく閉鎖感を覚える。”実験”部分から急に知識量が加速する。物語全体のバランスが”言葉”を覚えた学生の文章並みに不安定』だと答えを返した。
『チルモラ』は西田氏による『世濁声』のサルベージ作品なのだろうか。
だとしたら、あまりにも観客を置いてけぼりにした、ただの身内贔屓作品になってしまう。
今世、人であれ、物語であれ。
何も刺激を受けずに育つ、という事はまずない。
少なくとも西田氏も『世濁声』から刺激を受けたと考える。
同じように、人は自分が経験(体験)したこと以上の話は出来ない。
できたとしたらそれは『空虚』である。
あくまで貰った配役表を見た上でしか語れないが、西田氏はこの体験を観客側に『体感』してもらいたかったのではないだろうか。
物語には三種三様の受け取り方があり、それが『現実』だと。
精神科医と詐欺師だけの話になると、私の好きな漫画家の物語にあったと思う。(アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』のような、今敏監督の『千年女優』のような感覚も多少覚えるが)精神科医が患者の治療を行っているが、果たして本当に診察しているのは精神科医なのか?という作品。
更に物語が進むにつれ舞台は『冷戦』真っ只中の『ドイツ』だという事が分かる。併せて『チャーリー』の名前は『チャーリー・チャップリン』からという台詞も登場する。
ここで西田氏が手掛けた物語を思い出した。
『知り難きこと陰の如く、動くこと雷霆の如し。』
当事者以外の人間が、危険なほど”のめり込んだ”先にあった『悪意』についての物語。物語の鍵は『十字』。※3
『チルモラ』のヤコブも『騙された』と思うのは受け取る相手次第だと。気付かなければ、それまでだと台詞にあった気がする。
名について。
『チャーリー』は判明したが『ヤコブ』はどうだろうか。
個人的に名前の響きが他の人格に比べ引っかかりを覚えたからだ。
(異形で『ジェームズ』に繋がる事は横に置いておいて)パッと出てきたのは『旧約聖書』なり宗教関係。(人を出し抜く者の意味)
更に突き詰めていくと『イシャラーエル』であり―『ユダヤの最初の人』なのである。
『知り難き〜』の物語において迫害されるのは"彼ら"であったと。
そういえばあの約束の地に『壁』あったよなと。
『ヤコブ病』もあるし。
ヤコブ病や精神病(脳の障害)という観点からも。
『チルモラ』では人格が入れ替わることを『扉』を通じて表現していた。
ヤコブ役の鈴木勝吾氏が演じていた『ひりひりとひとり※4』も物語に影響されているのか、入れ替わりという部分に感じ取ることが出来てしまって。これも『ひりひりとひとり』の元になる海外の女性画家Betye SaarのPhrenology(シリーズ?)という絵があって、やはり『解離性同一性障害』と結びついてしまうなと。
あと、ふわりと『イン〇イド・ヘッド』を思い出したのは私だけだろうか。
あくまで、投稿者が経験した作品を基に考察を語っているので、むしろ西田氏が『世濁声』に影響を受けているのならば、どこまで掘り下げているのかは気になった。
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種明かしの物語。
『楽園』を創るため、ネズミを見つめる男女2人の”研究者”。
男の研究者には夢があった。電気信号で『夢』を具現化すること。
ある日、研究者の男の元から愛する女が消えてしまった。扉の向こうへと。
場所は変わって。
冷戦時代のドイツ・ベルリン。
西と東に分かれた国の東側に小さな来客がやってきた。
東側の少女・ナンシーは来客に”ザンパノ”と名付けた。
名前を教えてくれたのは東側の壁を守る軍人、マーカス・ポヤンスキー。
それは国が分かたれる前、軍人が自身の妻とよく見た映画の旅芸人から取った名前であった。ポヤンスキーの同僚、コルターマンとも交流を深めるナンシー。
ある雨の日。
ザンパノが死んだ。
少しでも壁の向こう側へ。
少女の想いは凶弾によって砕かれる。
コール・ランメルツ。
ただ規則に従っただけのポヤンスキーの同僚。
仲裁に入ったハンスもランメルツに射殺される。
怒りで錯綜するポヤンスキー。
ランメルツを手にかけてしまう。
その手は”自分自身”にも――。
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閉じ込められていたのはどちらだろう。
我々は非常に多くの『顔』と『名』を持っている。
虚構の中にも、他人の中にも、己の中にも。
今回、際際に仕事帰りに飛び込みで観劇したのだが、作品のキャッチフレーズがまず某吸血種シリーズを髣髴とさせて、身構える要素にはなった。(同種族同士で共鳴(共有?)する辺りとか)罠かなと。
そういえば某薬売りの物語にもあったし、西と東に分かれた夫婦の”その後”の物語はまるで桜の落ちる速度がタイトルのあの映画のようだ。
因みに、『夢の中で好きピと✖✖するのって見るでしょ!?』
が、セクシャルハラスメント部分です。
なんか…舞台で大声でねちっこく聞いてくるのがもう…イヤ。
あと、ビアンカは滑ってなかったと思う…よ?
あっ…ランメルツの方だったっけ…??
急にどうしたとは思ったけれど新しい扉は開いてた。(*´艸`*)
物語とは相反するけれど。
誰にも影響されない『自己』は必ず存在する。
そこは他人から嫌われる部分。多分、ワガママで勝手気まぐれ。
優しい研究者は逃がしてくれたけれど『箱』なんか前歯でぶち抜くはず。
あいかわらず、西田大輔氏の巧みな話の編集術を魅せられた気がした。
面白さ、というより、『見つめ直す』物語なのだろうなと。
『アナタは今までどれだけ"出逢い”ましたか』
何も、人と面会するだけが世界じゃない。
『アナタは今までどれだけの”物語”と出逢いましたか』
飛び込み観劇した甲斐はあった。
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この物語だけではないけれど。
しかし何故、みんな足元を見てしまうのだろう。
少なくとも私は土の中に埋められるのはまだまだごめんだ。
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ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
あらためて、おはようございます。
今日も良い一日をお過ごしください🐭⚓
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『”対人”はまだまだ先のようですね。』
やめて悲しい事言わないで。
※1:相手のしぐさや言動・行動を鏡のようにして真似をすることにより、相手に好意や親近感を抱かせる心理テクニック。
※2:多重人格の"当人"曰く、普段”大家族”の中で生活していて、夜以外は”当人”以外の誰か一人は家の外に出ていく毎日。ある日を境に”当人のためだから”と家族全員が部屋から消えて”当人”の意識が統合されるという動画。
※3:ヒント・総統が相当カッカする数日間的な…アレ。
※4:父親との確執で二人の人格が頭に住むことになった主人公を演じる。
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