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緩和病棟への入院と覚悟
久しぶりに母からの電話で起こされました。
「歩!お父さんがおかしいの。
いつでも病院に行けるようにしておいて!」
もう、眠気も何も吹っ飛びました。
ちょっとしてまた電話。
「救急車が来るのに、10~15分くらいかかるって。
間に合うように病院に行って」
「分かった」
何があったか分かりませんが、事態は緊迫しているようです。
そこで、施設の看護の方に電話がかわりました。
「お父さんが朝から目を覚まさず、
呼吸が時々止まっているので、
先生にも相談して入院することになりました」
ついに来るものがきたのか・・・
と思いながら、最低限の準備だけして家を飛び出ました。
病院で待っていると、救急車到着。
救急車からは、施設の看護のSさんと母が降りてきました。
それから、眠ったままの父が下ろされ、
処置室に運ばれていきました。
診察室の前の椅子にSさんと母と腰掛けていると、
主治医のA先生が、処置室に足早に入って行かれました。
それから父は、血液検査やレントゲン検査を受けていました。
検査室に運ばれていく父を見たところ、
目は開いていたのでひとまずほっとしました。
検査が終わると、父はまた処置室へ。
その間、Sさんはずっと付き添ってくださっています。
時々施設に電話して、状況を伝えているようでした。
「入院の準備ができたようなので、届けてもらいます」
「ありがとうございます!」
入院の準備はどうするのだろう、と思っていたのですが、
施設の方が全てしてくださって助かりました。
11時半になったところで、
Sさんには施設に戻っていただきました。
その後、処置室に入ってもいいと言われたので、
母は父に付き添いました。
父もなんとか、会話ができるようにはなっていました。
私は入院の手続きがあるということで、
椅子に座って待っていました。
しばらく待って書類をもらい、
「これ、前の時も書いたよね~」
と思いながら、せっせと書類書きをしました。
書類を看護師さんに渡した後、
父のところに行きました。
母とぽつぽつ会話はできているようです。
ちょっと話をしているとA先生に呼ばれたので、
診察室で説明を受けました。
まずは血液検査の結果です。
「かなり栄養の状態が悪いです。
(あまり食べてないのでそうだろうと思います)
カリウムの値がかなり低くなっているので、
ぼおっとしたりしたのかもしれません。
点滴で栄養を補充していきたいと思います」
それから、レントゲンの結果を見せていただきました。
「ガンの肺への転移が進んでいます。
(まだ書いていませんが、父は直腸ガンです)
これが3月の初めで、それよりも
影が濃くなったり、増えたりしています。
そのうち、呼吸困難になったりするかもしれません」
分かってはいたことですが、
現実を突きつけられるのは辛いものです。
「看取りを緩和病棟でされるか、
自宅でされるか、考えておいてください。
自宅を希望される方もいらっしゃいます」
「わかりました。
妹や母とも相談してみます。
ありがとうございました」
もうちょっとで涙があふれそうになるのを必死にこらえ、
診察室を出で父のところに行きました。
少し話していると入院の準備ができたと告げられ、
緩和ケア病棟へ向かいました。
緩和ケア病棟の談話室でしばらく待ち、
説明を受けました。
父はすでに「帰りたい」といいだし、
パジャマを脱いで服に着替えたとか(^_^;)
まあ、それくらい元気が出たのは嬉しいのですが。
説明を聞いた後、父の病室に行きました。
父は早速不満を言っています。
認知も入っているしよくは分からないのですが、
病院に入れられたことを怒っているようです。
対応を母に任せ、私は眼科に電話しました。
すでに14時。
14時半から眼科の予約をしていたのです。
点眼薬もなくなったらしいので、
夕方に変えてもらえないか頼み、
16時にしてもらいました。
それから父と会話。
「お父さん、呼吸が止まっていたんだよ。
だから病院に来たんだよ」
といっても、父は理解ができないようでした。
ですが眼科もあるし、母が「お腹すいた」と言っていたので
とりあえず病室を後にしました。
施設にとりに行くものもあるので、
施設の隣にあるうどん屋さんで母と昼食をとりました。
母と一緒に外食するのも、本当に久しぶりです。
それから施設に寄って受け取り、
ドラッグストアで必要なものを購入し、再び病院へ。
面会はできるか聞いたところOKをもらえたので、
それらを持って父のところへ行きました。
父は依然として「怒りモード」でした。
命の危険があったから病院に運ばれた、
ということがどうしても理解できないようです。
とはいえ、いつまでもいる訳にはいかないので、
振り切るようにして病室を後にし、眼科へ向かいました。
幸い母の目はずいぶん改善していました。
どうやら目薬をさすのが下手すぎて、
ちゃんと目に入っていなかったようなのです。
それが施設に入ってスタッフさんにしてもらうようになり、
かなり改善したようでした。
よかったよかった(^_^)
2週間後の予約をし、母を施設に連れて帰り、
長い1日が終わったのでした。
・・・と思ったら、夜、妹から電話。
LINEでざっとは知らせていましたが、
いろいろありすぎて詳しいことは伝えられていませんでした。
妹に詳しく説明したところ、
「もうお父さん、長くないと思うから、
今できることをしておいた方がいいと思う」
と言われました。
義父を看取っているだけに、妹は先を見ています。
そこで、いつ話し合うか等の計画を立てました。
さらに娘たちにも、今日の状態を
グループLINEで伝えました。
とりあえず元気を取り戻した父ではありますが、
覚悟を決めないとならない時期がきたようです・・・。