【仕立て屋の繕う日々】この場所に居ますと言い続ける
毎朝アトリエに行く。ウェディングドレスを繕うアトリエだ。
ほかの用事で、作業ができない日もある。それでも毎朝、アトリエには立ち寄るようにしている。そして、20分でも10分でも作業をする。
ひと粒のビーズを縫いつけるためだけに行くこともある。ひと粒のつもりが時間が限られると逆に集中力が増して、なんだかんだ5粒くらいはつけられる。
もっと時間のないときは、ミシンの手入れをしたり、床の掃除だけをする日もある。掃除だってとても大切な仕事なのだ。真っ白なドレスをつくるため