久しぶりの街歩き
久しぶりに博多の街を歩いてきた。言うまでもなく我が街とは比較にならない大都会だが、東の広島とともに新幹線に30分も乗れば着く。ただし都会は何処もそうだろうけど、交通機関が発達しているのはいいが乗り換えとか路線変更で結構歩かないといけない。このあたりがクルマがメインの交通手段である田舎とは勝手が違って病気で体力の落ちた身には堪えるわけだ。が、良い刺激が感じられるのも確かで当然カメラを振り回し、ワクワクしながら撮り歩くわけである。
この辺りの感情は幾つになっても変わらないもので、都会のスナップは楽しくてたまらない。
何が楽しいかって?それは人がうじゃうじゃいるからだ。変な例えだけど動物のいない動物園の檻を写しても面白くも何ともないじゃないか。それと建物や装飾の意匠の華やかさ、その他、いろんな要素が融合して溢れ出して街は誘惑と魅力に満ちている。僕はもちろん自然も嫌いではない。いろんな山にも登ったし、星空の下で過ごす一夜の素晴らしさも経験している。
だけど、それに負けない魅力が街には存在する。その魅力の一部を小さなカメラで少しだけ切り取って自分の将来へのお土産としてストックしていくのは実に楽しいことなんだ。
この日の主な目的は妻がこの店に用事があったからで、用事を済ませる間僕は暇だった。なのですぐ近くにあるLeicaの店に行ってみた。こりゃダメだ。刺激が強すぎる。というわけでビックカメラに行ってみる。ここはもうカメラ屋じゃないなと思わせるような貧相なカメラの品揃え、後で行ってみたヨドバシも同じようなものだった。
福岡天神の街並みには人が溢れクルマが溢れ幾多の店に溢れている。これだけ店があるのに欲しいカメラの一台もない。これが今の日本の小売の現状なのだ。あるものを買って我慢しろ!というメーカーの姿勢はいつから?そんなことを考えていると少し腹が立ってきたので、気を取り直してカメラを片手ににぶらぶら歩く。
iphoneは捨てるほどあるのにねぇ…。スマホなんてちょっと古くても不自由はないけどGR3Xが欲しかったなぁ…。
世間はクリスマスムード一色である。僕のところにはGR3X持ったサンタさんは来そうにない。何ならFujifilmの明るい単焦点でも良いんだけどな。
夕食を予約した時間が迫ってきた。クリスマス間近の土曜日なので少し贅沢に…。タンパク質を摂りすぎると脳症が出る可能性が高くなる僕だけど、このときは腹一杯食べた。いつも支えてくれる妻への感謝も込めて…。これで夜中に徘徊したら笑うに笑えないだろうな。
名残惜しいけど、久しぶりの街歩きでもう体力は限界に近いので帰ることにする。帰りは各駅停車のこだまに乗って余韻に浸りながら少しずつ現実に戻っていく。地元の駅に降りたとき、あまりの静けさに夢の世界から帰ってきたような気がした。