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山寺や ひっそりと濡れる 彼岸花

 字余りである。

 最近、NHKで坂の上の雲が再放送されている。伊予松山を故郷に持つ僕は中学校の1年と2年を松山城の二の丸にあった中学校に通った。今は史跡公園として整備されているこの学校は、もともと陸軍の病院だったという話を聞いたのを憶えている。2階の床から1階が見えるような当時にしてもおんぼろな木造校舎だったが校門だけは立派だった記憶があって、通学路はそこを目指す登り坂できっと視線の先にはぽっかりと空に浮かんだ雲があったに違いない。というわけで、今日のお題は子規にあやかって俳句(みたいなもの)にしてみた。

 最初から話が脱線してしまったが、先日山の中腹にあるお寺に彼岸花を見に行ってきた。

 初秋の風物詩である彼岸花、ふたつ前の記事で書いた秋のこころを象徴するような姿形だ。

 お寺に着くまで何とか降らずにいた雨が、着いて車を降りたのと同時にバラバラと音を立てて降りだした。雨にしっとりと濡れる花も良いものだが傘をさすとカメラの操作が非常にやりにくい。

 なのでお堂の庇の下から望遠で撮ることにした。当然、撮れる構図は限られてしまう。でも濡れるのは嫌だ。もちろんカメラも濡らしたくない。

でもそこはお気楽アマチュアカメラマン、それでいいのだ。カメラ遊びは楽しくなければ…。

 それに勇んで出かけたわりには花はあまり咲いてなくて、見て感動するような状況ではなかった。今年の猛暑のせいか花期が全く読めない。だけど咲き方がショボければショボイなりの撮り方を考えるのもまた楽しく、考えてみれば彼岸花の花は一輪でも群生でもそれなりに絵になる貴重な被写体なのだと、そんなことを考えているうちに雨も上がってこの日もそれなりにカメラ遊びを楽しんだ一日だった。

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