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アナログ回帰
その昔、デジタルに憧れたのはオーディオシステムからだった。テレビもない下宿の部屋に不釣り合いなシステムコンポを持ち込んでリズムに合わせて振動するウーファーの動きや忙しなく左右に振れる扇形のVUメーターなどを飽きもせずに眺めながら好きな音楽を聴いていた学生時代、その頃はまだCDプレイヤーは高嶺の花だった。シャキシャキの歯切れの良い音を手に入れることを夢見ていた。そんな時代を経てカメラを弄るようになった。Nikonの安い一眼レフを買って風景を撮りながら山を歩いていると、時々眼前に絶景が広がることがある。そういうときに限ってフィルムの残りが少なくて幾度も悔しい思いをした。
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やがてデジタルカメラが発売されて、初めて買ったのがFujifilmの150万画素機、2台目は同じFujifilmの400万画素機、ハニカムCCDというセンサーを使っていた機種だ。そのカメラを持って屋久島へ縄文杉を見に行った。雨で暗い日が多く盛大に手振れが発生してしまった記憶がある。
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その頃にはオーディオもデジタルが主流になり、本棚にでも置けそうな小さな機械になってしまって利便性は良くなったがあまり興味もなくなってきた。
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カメラの方は進化の速さが凄まじく、おまけにスマホで簡単に綺麗な写真や動画が撮れるようになり国民総カメラマン状態だ。が、そのおかげで低俗且つ迷惑な見たくもない写真や動画も増えてきた。そのことについて語り始めると収拾がつかなくなるのでここでは置いておいて、写真が趣味な人はアナログ時代からカメラを弄るのが好きな人、そしてカメラがデジタルになって撮る作業の敷居が低くなってから写真の面白さに気づいた人が加わったのではないかと思う。
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話がまとまらなくなってきた。アナログ回帰というものはアナログを知っている世代に当てはまることで、それを知らない世代にとっては単に新しい?技術への興味なのだろうか?例えばフィルムカメラ、僕にとって撮るという作業から撮ったものを見ることは懐かしくも面倒くさいプロセスで、今更このプロセスを踏んで写真を撮る気はない。だけど出来上がった写真にアナログ風の絵が撮れていれば、あぁ、こんなのもありだなぁと思ってしまう。若者にとっては撮るというプロセスそのものが新鮮なのだろう。音楽にしても然り、LP盤をジャケットから取り出してターンテーブルに針を落として必要ならばストロボスコープを見ながら回転の微調整をしたり…。そういう面倒なプロセスは省いてボンボンと跳ねるような温かみのあるベースに身体を揺らすような、そんなことを今経験してみたいわけだ。今ならメールで済むことを手紙に認めてドキドキしながらポストに入れ、返事を待つのも良い。いずれにしてもこれは単なるおっさんのノスタルジーをちょっと格好つけて語ってみただけの駄文…。過去を振り返ってみたいお年頃になっただけなのかもしれない。(写真と文章は全然関係ありません。)