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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

2024年4月~6月期について


がんばって思い出してみた

 まずはドラマから。

 ついに始まった『爆上戦隊ブンブンジャー』!
 後半に入って爆上がってきた『仮面ライダーガッチャード』!
 今期の個人的No.1は『君とゆきて咲く~新撰組青春録』!
 美の暴力だった『25時、赤坂で』。

 以上は現代の機器を駆使して視聴皆勤賞の作品。

 ストーリーが把握できる程度には追いかけていたものは『366日』と『特捜9』、『アンメット』に『Re:リベンジ-欲望の果てに-』。
 たまたま何回か見た『おい、ハンサム!』。
 以上は、私が面白かったもの。

 『イップス』は作風が合わなくて脱落。
 他?……そうねえ……(遠くを見る目)。

 正直、このころは『王様戦隊キングオージャー』に熱中しすぎた反動で、色々なマウントを心の中で取っていて、食わず嫌いが深刻化。あと何年かしたら見る……かもしれない。

 次はアニメ。
 『鬼滅の刃・柱稽古編』は毎週録画しつつもオンタイム視聴。
 『黒執事・寄宿学校編』は原作を買うほどに子供が好きなので録画視聴。
 『夜桜さんちの大作戦』は雑誌購読中、子供がハマり毎週録画視聴。
 『ガンダムSEED』は地方局で放送が開始、未見だったので毎週録画視聴。
 『はたらく細胞』はEテレで放送を知り、毎週録画視聴。

 『怪獣8号』は2回ほど見た。世間で評判が良いことは知っている。
 『烏は主を選ばない』は期待してみたけど第1話で脱落。生理的に無理。

 主に見たのはこんなところ。他の作品も観たいが、時間がいくらあっても足りない。

面白かったドラマについて

『爆上戦隊ブンブンジャー』

 『爆上戦隊ブンブンジャー』は、「バクアゲ」をキーワードに展開する、車をベースにした戦隊もの。
 毎年、事前情報は開始数週前から流される予告映像しか知らない、というのを貫くのが個人的な流儀なので、今作も頑張ってそうしましたw

 初見の印象は「オレたちが知ってる戦隊ものが久々に帰ってきた!」。
 設定は現代の我々が住んでいる地球。敵は(今のところ)宇宙中を暴走して悪事を働いているハシリヤンという組織。ハシリヤンが地球にやって来た(当面の)目的は、人々を苦しめ、それによって生まれるギャーソリンなるモノを集めること。

 ブンブンジャーは、範道大也(ハンドウ・タイヤ)という若者が、ある夢を実現するべく作ったチーム。そのチームに、色んな理由で大也が惚れ込んだメンバーが加入していき、物語がラップを刻み、加速していく……。
 そう、知っているようでまるで知らない、観ているうちに気分がバクアゲになるという、やっぱり毎年恒例でぶっ飛んでいる内容。

 何がいいって、キャラとストーリーである。ブンブンジャーのメンバーはみんな何かの専門職であり、ちゃんとした社会人。そんな彼らを象徴する言葉が、「自分のハンドルは、自分で握る」である。それがどういうことなのか、メンバー自身が困難を乗り越えていく中で示されていく。これが熱くて良いのである。

 『王様戦隊キングオージャー』が「俺様たちが世界を支配する=民たちすべてが、自分という国の立派な王様になる」という終わり方をしたので、それを引き継ぐブンブンジャーが、さらに個人の主体性に焦点を当てたキャッチコピーを開始早々に提示したのは良いと思ってるし、マジでカッコいい。 
 
 敵のハシリヤン側としては、現場監督として地球に派遣されたサンシーターこと、デコトラーデとイターシャ、ヤイヤイ・ヤルカーの2体と1台がダメダメでユルくて面白い。そしてカワイイ。

 サンシーターは、あくまで地球という現場でギャーソリンを集める仕事を監督する立場なので、実際に人々を苦しめたり、ブンブンジャーと戦ったりするのは、様々な物をベースにして生まれる苦魔獣(クルマジュウ)や、ネジレッタというネジが元の戦闘員である。ハシリヤンのデザインが面白怖くてカッコカワイイ。これは漫画家の島本和彦氏とビッグバンプロジェクトによるもので、絵で見てもすごいが、それが着ぐるみスーツとして立体になってるのもすごい。プロの仕事ぶりに感心する。

 そしてつい最近、新キャラが追加され、ますますカオスな展開に……。
 大丈夫、今からでも全然追いつけるから、みんな見よう!そしてカレーをかき混ぜよう!

『仮面ライダーガッチャード』

 『仮面ライダーガッチャード』は、最終章に突入し、あとはラスボスをどうにかするだけなので逆に見やすいかもしれない。
 色々あって、ラスボスと言える冥黒王たちがとうとう現実世界にやって来て、冥黒王決定戦を勝ち残るためにガッチャードたちと戦うのだ!というのが今のところの流れ……だったのだが。な・ん・と!

 色々あってガッチャードに敗れ、どさくさ紛れに冥黒王に吸収された(いわゆる中ボス的存在の)グリオン様が、冥黒の三姉妹の長女(外見は小学生くらいの少女)のアトロポスの手により、逆に冥黒王を吸収して、奇跡の大・復・活!!!!!

 グリオン様を父と慕い続けるアトロポス。
 グリオン様やアトロポスについていけなくて人間側に一時避難し、ついに人間になりたいと言い出した次女ラケシス。
 ただ姉妹3人で一緒にいたい、という純粋な気持ちと、強さがアイデンティティであることを冥黒王に利用されてしまい、姿も心も狂暴化していく三女のクロトー。
 もはやこの3人の行く末の方が主人公より気になって仕方がない。

 だって、主人公の宝太郎、めっちゃ素直で明るいいい子なんだもん。心配ないわ(一時大変だったけど)。
 加速する物語と通常より多めの爆炎で、暑い日々を熱く過ごそう!

  上記2作品は別枠としても。

『君とゆきて咲く~新選組青春録』

 『君とゆきて咲く~新選組青春録』は、たまたま春から放映開始であることを知った作品。
 公式のホームページ等によると、東映による「シン・時代劇」であり、このために長期オーディションを重ね、メインのキャラはオーディションに勝ち残った俳優さんたちが選ばれている……らしい。オーディションの様子も配信されているようだが、そちらはチェックしていない。いつか見られたら見る。
 特撮出身者多数なことに加え、殺陣やアクションなどの事前練習を行っていたということもあり、芝居や殺陣については見る前から不安はなかった。

 原作が手塚治虫氏の『新選組』だが、他の幕末を扱った作品と比べても知名度が低く、その存在をまるで知らなかった。その上、触れ込みが「最も美しい新選組の物語(うろ覚え)」である。ストーリー展開には不安しかなかった。
 時間帯が遅いうえ、主演が『仮面ライダーリバイス』出演者ということもあり、そちらも見ていた子どもと録画視聴。

 ふたを開けたら、大当たりである。
 「最も美しい」の触れ込みが間違っていない。みんなカッコいい。美しい。カワイイ。OPとEDは乙女ゲームと見紛う出来栄えである。

 近藤勇は、『新選組!』の香取慎吾さんとは違う方向でイケメンで生真面目である。恐らくゲンコツが口に入らないと思われるが、きっと本物の近藤さんは許してくれるだろう。

 土方歳三は、まだ鬼になる前、ひたすらに近藤さんを支えているところが健気かわいくてかっこいい。
 沖田総司は、早熟の天才らしい空気感と、近藤さんと土方さんに対しては少年っぽい所がカッコかわいい。そして殺陣のキレは天下一品である。

 斉藤一の物静かさと、原田左之助の感覚派な所がいいコンビになっている。左之助についてはアップデートができて本当に良かった。

 山南敬助は壬生浪士組の新入りの世話や内向きの仕事を担当していて、みんなのお母さん的存在。メガネ男子であり、常に胸元に花飾りをつけるオシャレ男子でもあり、稽古場で練習する姿を目撃されていないので、新入りたちにはその実力が不明である。そこが面白カワイイ。

 特筆すべきは芹沢鴨!こんなに派手で歌舞いていて妖艶で、剣の腕はもとより、刹那的なようでいて誰よりも先を見通していた知性も併せ持っていたキャラクターとして描かれていたことはないと思う。原作は未読なので分からないけど。でも多分、こんなにすさまじい色気を放っていないと思う。

 と、このような壬生浪士組上層部に対し、主人公は長州藩士に殺された父の復讐を決意して入隊した町民=深草丘十郎と、剣の腕はピカ一だけどイマイチつかみどころがない美形の青年=鎌切大作の二人。この二人もとにかくいい。美しくてかわいくて面白くてかっこいい。

 他の新入りメンバー(とはいえ、丘十郎や大作よりは先輩)の南無之介は素直な性格で優しくパワフルだが、ある時再会したかつての乳兄弟である松永新之丞のことになると、謎のモードが発動し、時には姫を守る騎士のごとく、時には過保護なお母さんのようになる。つまりカッコかわいい。

 壬生浪士組に入る前の松永新之丞は、そのはかなげな美貌とにじみ出る優しさで女性と間違われたり、変態に狙われたりと散々な目に遭うが、南無之介と再会した縁で入隊したのちは、体を鍛えることで元々の運動神経の良さが発揮されたり、生き方を模索していく中で精神的に強くなっていく……のだが、圧倒的にお姫様なのが良い。どこかの勝ち抜き戦でチェーンソーを振り回しては「ぶっ潰す」が口癖だった猛牛とはまるで別人である。

 渋川喜平は、色々と事情通で、丘十郎たちに色んなことを教えてくれる。スターオブスターオブスターなイケメンなのに、イケメンさが伝わってこないくらい生真面目な性格である。しかしそれが後々……ヴァァァァァァ!

 他にも丘十郎の父親を「幕府側の武士をかくまった」というだけで問答無用で殺した長州藩士とか、会津藩主の松平容保公とか、坂本龍馬とか、桂小五郎とか、ぞろぞろと美形が出てくる。本当のイケメンパラダイスはここにあった。

 坂本龍馬は、「時代の先に行ってるキャラ」として作った結果、恐らく当時のアメリカ人だってしていないような、オシャレピアスを付けている。大河ドラマ『龍馬伝』を観ていてカッコいいとは思ったが、何がスゴイのかピンとこなかった。今作で初めて「坂本龍馬ってスゴイな……」と思えた。

 放送は2クールで、2024年6月でまさに折り返しに入った所。
 第1クールの大きな見せ場でありターニングポイントの一つである〈芹沢鴨暗殺〉をどう描くのか?遊郭の場面か街で行き交うエキストラくらいしか女性が出てこないのに、どうするんだろうと思っていたのだが。

 すごく良かった。史実通りじゃないけど、それならそれで振り切った流れと演出がすごく良かった。このドラマの芹沢鴨には、この最期しかありえない。死に際の倒れ方も、死に顔も美しかった。歴史に残る名場面だった。

 ただ、これを見て新選組の沼、特に芹沢鴨の沼にはまった人は他の作品とか資料を見たらすごく戸惑うと思う。頑張れ。とりあえず大河ドラマ『新選組!』とコミックスの『風光る』を勧める。これらの芹沢鴨も良い。

 これから、新選組の名を上げた池田屋事件へとつながっていくと思われるが、どんな風に描かれるのか注目したい。

 で、本当に殺陣がみんな上手い!ン十年前に『桃太郎侍』とか『長七郎江戸日記』とか『三匹が斬る!』とか『必殺!仕事人』シリーズetcと時代劇を見倒していた私が言うんだから間違いない(←何様)。

 この作品は時間帯こそ深夜だが、〈シン・時代劇〉の第1作であるため、この作品の出来栄えはもちろん、評判が今後も若い俳優さんたちメインによる時代劇製作が続いて行くかどうかを占うものとなっている。

 刀が一度も抜かれないような人情時代劇もいいが、血沸き肉躍るような剣劇もまた時代劇の魅力の一つである(力説)。是非とも東映には、今後も若い世代向けの、若い俳優たちによる(ここがポイント!)、新感覚で王道な時代劇を作り続けてもらいたい。
 とにかく、きみゆきはいいぞ!(←元ネタの元は未見)

『25時、赤坂で』

 『25時、赤坂で』は、『機界戦隊ゼンカイジャー』主演であり、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』にもゼンカイジャーの主役と同姓同名の謎のマスター役で出演し、その圧倒的美貌を解放した駒木根葵汰さんが出演するというので見たBLドラマ。

 いやあ、本当に駒木根さんの何もかもが麗しすぎて、新原泰佑さん演じる白崎由岐でなくても見惚れちゃうしドキドキするし、思わせぶりがまたモダモダする。

これもまた原作未読なのだが、ドラマがかなり丁寧に作られている印象なので、これから読んでみたい。
 割と静かで繊細な物語なので、先に述べた作品のように熱烈に語るのもなんか違うんだよなあ……。
 観てない方、何かの機会に観て……としか言えない。

まあまあ面白かったドラマ

『特捜9』

 『特捜9』は、安心の面白さ。そして今シーズン最終回、再会と卒業と次のシーズンにつながる不穏な動きが描かれていた。

 再会は元班長の国木田さん。卒業は新藤君。次のシーズンの新メンバーは誰だろう?

 記憶力ゼロヒーローとして活躍している(?)向井康二君が、サイバー方面でデキる子の役をやっているの、なんか面白い。
 役者さんって夢あるわー。

 『366日』

 『366日』。元ネタの歌が執着が過ぎて怖いくらいの失恋ソングなので、ストーリー展開に不安しかなかったが、思ったより全然良かった。

 序盤で眞栄田郷敦さん演じる悠斗くんが事故に遭ってなかなか目覚めないとなった時は、看病の果てに死んでしまって、それをずっと広瀬アリスさん演じる明日香さんが初恋ごと引きずって生きていくのかと思ってゾッとしたのだが、本当にそんなことなかった。昭和や平成ならそういう展開になりかねなかったが、令和で良かった。

 というのも、悠斗くんは中盤で目覚めるが、ケガによる影響で脳にダメージがある。もちろんずっとベッドで寝ていたので、筋力も衰えている。脳と体のリハビリの過程を丁寧に見せ、患者本人の苦悩や看病する人の苦労、事故で助けられた側のサバイバーズギルド的なものまで描いていて、恋愛ドラマを見ているのか医療ドラマを見ているのか分からなかった(褒めてる)。

 色んな治療法やリハビリ、支援の仕方などが進化し続けて来たからこそ、病後の職場復帰やそこで経験する失敗や苦悩とかまで描かれて、真摯なドラマだなと思った。

 1、2話ほど飛ばしてしまったのだが、最終回で落ち着くべきところに落ち着いたので良かったかなと思う。和樹君だけちょっと不憫だったけど。

 『アンメット ある脳外科医の日記』

 『アンメット ある脳外科医の日記』は、主人公が自分の脳の状態と付き合いながら患者さんの病気と向き合う1話完結系の物語である。主人公は寝ると記憶がリセットされるので、毎日寝る前に日記をつけ、朝に日記を読み返してそれまでの出来事を覚え直すことから1日が始まる。

 しかし、この主人公の脳の障害には何やら不穏な事情があるようで……となった時点で、「そういう話お腹いっぱいなんですううう」と短気を起こして脱落した。

 それはそれとして、主人公を巡る色んな人の心の交流や葛藤、恋模様もあったりして、その辺は丁寧に作られているので、そっちをメインで追いかければよかったかなと少しだけ思っている。
 杉咲花さんの自然体の演技がすごく良い。
 忘れなければ最終回だけ見ようかな……。

『RE:リベンジ』

 『RE:リベンジ』は、大病院の息子が病院を継ぐのが嫌で出版社勤めをしていて週刊誌の記者をやっていたのだが、父の死を機に不穏なことに巻き込まれたことで、かえって病院内で起きていることを知りたくなり、病院に戻って色々あった末に病院の理事長に収まるも、医療過誤が起きてしまい……。

 主演の赤楚衛二さんと、理事長選のライバルであり、幼いころからの知り合いでもある優秀な心臓外科医の錦戸亮さんのバチバチのバトルがメイン。

 病院に君臨する笹野高史さん演じる天堂皇一郎が海千山千の化け物感があって凄かった。それだけに、最終回で社会的に抹殺されたと知った時の演技は圧巻。今期のテレビドラマ賞レースの助演男優賞は笹野さんかな?

 ストーリー序盤の、数カ月も薬物で主人公が眠らされて、その間に色んな権利を放棄させられていたとか何だとか言うくだり、必要だったのかな?もうちょっと何かあっただろうよ……。そこでうんざりして脱落して、たまたま子どもが見ていたのをチラ見したので内容が飛び飛び。

 小児患者の医療過誤が発覚したくらいから戻ってきたが、う~ん、ちょっとご都合的でなくもなくもなくもない?

 最後の最後、結局リベンジしたのは赤楚君じゃなくて錦戸君だったというのもね……作った人たちはダブルミーニング的でやってやったと思ってるんだろうけどね……。

 この作品のこの流れのあの演出だと、ただのサイコなヤバい奴なんよ……あれ、もしかしてそれで正解なのか?

 もしも「天堂」の全てに時間をかけて復讐する話だったなら、ちょっと物足りない。

 ごめんね、全部見てないのに言うことじゃないし、人生の全てをかけて宇宙中を騙して復讐を果たした史上最悪の王様と比べちゃいけないと分かってるんだけどね……。

 うーん、もう一回見たい、とは思わないな。

 『おいハンサム!!2』

 『おいハンサム!!2』は、『おいハンサム!!』の続編。録画するほどじゃないけど、見ると面白い。お父さん役の吉田鋼太郎と、お母さん役のMEGUMIさんが良い。

 娘3人はそれぞれの理由で男運が悪く、イマイチそっち方面が上手く行かない。それについてウニャウニャ考えている内容がまた面白い。

 お父さんの職場での仕事ができるイケオジっぷりと、家での親バカっぷりとのギャップが面白かわいい。

 ゆったりまったり見たい。どっかで再放送しないかね……。

脱落したドラマ

『イップス』

 『イップス』は、設定を知った時から作風が合わない予感がしていた。見てみたら案の定合わなかった。調子が戻らない警視庁の有能刑事はアリだとして、スランプの推理作家がネタを求めて毎回事件の捜査に加わるって……それならもっと極端な巻き込まれ体質にして欲しかった。

 「ユーモア×倒叙ミステリー」というコンセプトらしかったが、それ一番センス要るヤツだぞ。

 村上佳菜子さん演じるフィギュアスケートのコーチが犯人の回を見た。

 手塩にかけて育てた男子選手が、別のコーチに乗り換えてしまい、しかもその新しいコーチは選手に手を出す色ボケ女で、コーチとしての能力は何とも言えない。こんな奴に任せておけるか、という思いが暴走した結果色ボケ女を殺してしまい、ついでに自分の手を離れた男子選手を犯人に仕立て上げるという暴挙に出てしまう。

 そして犯人に男子選手がファンだから会いに来てほしいと事前に言われて浮かれ気分だった篠原涼子さん演じる推理作家が、殺人現場の第一発見者となる。

 通報を受けたものの、色々あって引きこもり中のバカリズムさん演じる刑事は、現場にいる推理作家とあれこれやり取りするうちにやる気を取り戻し、ついに現場に出動する。そして現場のスケート場や隣接する建物の構造や位置関係を把握すると、推理作家に自分がアリバイを崩して見せると豪語し、激走する。

 何やかんやあって、被害者の手の傷と犯人の行動の不自然さに気付いた推理作家と刑事は、決定的な証拠の隠し場所を発見する。そこまで来たら犯人も自分の罪を認めないわけにはいかない。

 なかなか自分勝手な動機を述べた後、犯人はこれが最後かもしれないと言い、スケートリンクでひとしきり滑ると、リンクを去る。
 推理作家は最後とか言わずにどうとかこうとか犯人に言葉をかけるが、自分のスランプ脱却のために事件現場にネタ探しに来るような人間に言われてもねえ……。

 ……何ていうか、全体的に雑だな、という印象だった。大前提として刑事と推理作家とで事件を解決しなければいけない、というのがあるせいか、どういう風に推理作家と犯人とを接触させるかを工夫する必要がある。いくら設定ユルユルだからって、推理作家であろうと捜査権限がない一般人が、「よっしゃラッキー!」と捜査中の現場に規制線を越えて立ち入るわけにはいかない、という理性は働いたようだ。

 このドラマは推理物の色んなパターンを倒叙で見せていくスタイルらしいので、「○○風に展開する」みたいな意識はあるのだろう。

 「何だこの『古畑任三郎』を意識してるっぽいヤツ」と思っていたところに、『古畑任三郎』シリーズの一挙再放送が始まった。
 やっぱり『古畑任三郎』は面白かった。『古畑任三郎』は面白かった。
 大事なことだから2回言った。
 あとは行間を読んでいただければ幸いである。

面白かったアニメ

『鬼滅の刃・柱稽古編』

 『鬼滅の刃・柱稽古編』は、これまでのシリーズで積み重ねてきた信頼と実績があるため、全てにおいて、もはや何も心配が要らない。

 ただ、鬼と戦う場面は圧倒的に減るため、これまでに比べて地味になるかなーと思ったら、そんなことはなかった。

 初回でこれまで何の呼吸の使い手かは分かっていても、その技がどんな物なのかが不明だった蛇柱・伊黒さんと風柱・不死川さんが鬼が巣くう場所に来て、退治する場面を見せ、ド派手にインパクトを残す。
 なおかつ、そこにいた無数の鬼が全滅される前に消えることで、今までとは何かが違うという導入に成功している。

 異変を察知したことで、鬼殺隊全体のレベルアップを図ること、独特の赤いあざが出ることでさらに一時的に強くなるため、そのための厳しい稽古をすることが柱が集まった会議で決まる。これが今シリーズのサブタイトルの由来。

 柱稽古はそれぞれの柱の元で稽古を積み、柱の許可が出れば次の柱の元で別の稽古を積むという流れになっている。
 そのため、今まで出ていた柱ならその別の顔、あまりメイン回がなかった柱ならその人の過去などにスポットが当たる。

 『鬼滅の刃』全体を通しても嵐の前の静けさ、最終局面の前の日常回であるため、ことさら一つ一つのギャグやボケとツッコミが愛おしい。
 今後も見逃せない作品である。

 『黒執事・寄宿学校編』

 『黒執事・寄宿学校編』は、子どもが原作のマンガにハマっていて、私もタイトルだけは昔から知っていたので、「子どもの本はオレの本、オレの本はオレの本」ということでほぼ全巻読んでいる(途中の数巻、間が悪く買いそびれ、そのままになっているため)。

 子どもが言うには、以前のアニメ版シリーズとこのシリーズは色々何かが違うらしい。
 私としては、このシリーズの作画はとても綺麗だと思っている。動画はたまに「やや?」と思うところがあるような気もするが、そんなに多くない。

 声優さんも合っていて、とても見やすい。個人的には『鬼滅の刃』と『黒執事』とで、同時期に私的にダントツ1位の元祖低音イケボである、速水奨さんの超絶美声を聞けて大満足である。

 ただ、もうちょっと耽美さが欲しい。グロさのリアリティは追及する必要はないが、ダークであるけれどファンタジーでもあるので、エグイしグロいんだけどなんか綺麗って思わせるものがないとイカンのじゃないのかと思ったりする。
 全体的にはよく出来てると思う。この製作体制でので続編希望。

『夜桜さんちの大作戦』

 『夜桜さんちの大作戦』は、週刊誌連載を読んでいて、子どもがハマった。何故か1巻だけある。

 原作の絵柄のクオリティを保つのは大変だと思うが、今のところは頑張っている。動画も良し。まだ物語序盤の方なので、連載の最新話を読んでいる身としては「これからどんどんハードな展開になっちゃうんだよなあ」としみじみしてしまう。
 アニメになって、六美ちゃんの可愛さを改めて感じている。

 『ガンダムSEED』

 『ガンダムSEED』のリマスター版が、私が住んでいる地方局で春から毎週放送され始めたのを知り、思わず「よっしゃあ!」となった。全国放送してた時は諸事情でリアタイも録画もできずに悔しい思いをした。配信があるのは知っているが、大画面で観たいので毎週録画してじっくり視聴している。

 初っ端から面白い。ファーストガンダムを想起させるようなモビルスーツ隊によるコロニーへの侵入場面からの容赦ない戦闘シーン。
 これまで平和に生きて来たキラ・ヤマトと、彼と同い年のはずなのに、モビルスーツ隊の指揮を執り、容赦なく敵を撃てるアスラン・ザラ。子どもを正規の軍人として前線に当たり前のように出しているあたり、ファーストガンダムよりエグイかもしれない。

 ナチュラルとコーディネーターの両者にある様々な思いが、物語をどこへ導くのか。
 20年越しに正規の続編映画が作られて、大ヒットするのも納得できる。

『どうする家康』で徳川家康と石田三成が道を違えていく様子が『ガンダムSEED』のED曲を想起させて泣けてくる、という感想を見たことがあるのだが、私もその気持ちが分かるようになるのだろうか。

 『はたらく細胞』

 『はたらく細胞』は、ずっと見たかったので、Eテレで放送してくれて、受信料払ってて良かったって思ってる。時間帯が合わないので録画視聴。

 毎話タメになるし、赤血球は可愛いし、白血球さんはカッコいいし、マクロファージさんには癒される。
 擬人化とはいえ、細菌やウィルスが赤い血を流しているの、地味に面白い。ちょっとだけ、現代っ子が流血表現に慣れ過ぎてしまうのが怖いけど。
 『北斗の拳』のように黒くしたり、謎の閃光にしたりするのもどうかと思うが……。
 まさかの実写映画化のニュースに不安になったが、監督が『跳んで埼玉』の人だと知って秒速で安心し、映画館に絶対観に行こうと決意した。

 『怪獣8号』

 『怪獣8号』はたまたま見た。設定も世界観も面白いし、作画や動画、様々な表現のクオリティが高い。コレは評判が高いであろうなと納得。
 でも、毎週見るほど自分には刺さってない。 

脱落したアニメ

『烏は主を選ばない』

 期待していた『烏は主を選ばない』は、キャラ造形も話の進め方も全く合わなくて脱落。
 確かに全体を通しての縦軸の出発点は『烏は主を選ばない』なんだけども、表裏一体で『烏に単衣は似合わない』が存在しているので、やはり第1話の導入部はあせびさんが父から日嗣の御子の后候補として桜花宮に行くことを伝えられる場面から始めたほうが良かったのではと思う。
 原作を読んでいた私でも「あー……その場面をここに入れても、前振りないと分かりにくいな……」と思っていたのに、原作未読の私の子どもは、あせびさんのキャラ設定が謎過ぎてかなりイラついていた。

 あと、あせびさんを含めた后候補は、全員タイプが違う美女・美少女という設定のはずなのだが、キャラデザのクセが強すぎてそうは見えなかった。

 〈山内〉という和風なファンタジー世界を表現するのに、衣装を含めてちょっと攻めたデザインにしていたが、後々の展開を考えると、別に平安風で良かったんじゃないかと思う。どうしてこうなった……。

今年の夏はどうかな?

 さてさて、今年の夏の月9も海辺の町が舞台で、おまけに『silent』のスタッフで製作ということで、今から期待が爆上がってる。
 昨夏の『真夏のシンデレラ』も、海辺が舞台だったためか、見ているだけで謎に癒されたので、今年も癒されたい。
 他のドラマも、なるべく食わず嫌いしないように頑張って観よう。

 アニメは『逃げ上手の若君』の放送が始まるので、これも相当期待が爆上がり。『歴史探偵』の北畠顕家特集、もう一回再放送しないかなあ。

 パリオリンピック・パラリンピックも始まるし、夏は見るものがたくさんだね!

 ではでは~\(^o^)/

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