Chapter.12 遠い昔に見た風景は。光と闇は表裏一体だと知る。(広島、山口、福岡旅行編)
「くじら資料館」「青海島鯨墓」と鯨と共に歩んだ青海島の歴史を堪能した後、車で5分ぐらいのところに青海島を歩いて周遊できる「青海島自然研究路」へ。
我々は「青海島キャンプ場」に車を止めて1→4→5→9とAコースでまわる事にしました。普通に回れば約40分ですが、寄り道大好きな我々には2時間半の行程となりました。
キャンプ場駐車場にあった立て看板。
すでに地元民おすすめの場所を半分制覇。
歩いて5分で感動の景色。水はどこにいった?
と錯覚するぐらいの透明度。
もはやここでゴールでいいんじゃないの?
ウニやらイソギンチャクやら、ちょっと遠かったので微妙だが、鮑らしきものも見える。今夜の晩飯、酒のお供に持って帰りたくなる衝動を抑え、自然研究路を進みます。
身体が少し汗ばむ、程よいアップダウンの道。いい運動した後に先ほどのウニをビールで流し込めたら、、、まだまだ先は長いのに頭の中はさっきのウニで一杯。
ここは山口県。
美味しい海産物は後ほどの楽しみにとっておきます。
所々に展望スポットがあるのだが、
昔どこかで見たことがあるこの風景。
遠い昔の記憶の正体は、、、
小学生の頃集めていたテレフォンカードコレクション(とはいっても20枚程度だが。)の中で、祖父からもらった長門の風景が写されたテレカだ。
この海の透明度、岩肌、木々と老化した脳に眠っていた30うん年前のテレカ画像がリンクしたんだな。
スッキリ。
「橋本勇一翁」という方の胸像。
仙崎にあった橋長旅館を経営しながら、青海島の観光開発とPR活動に大きく貢献をした方のようです。
いやー本当に素晴らしい絶景。
橋本さんをはじめ青海島の方々が魅せたかったのは「海上アルプス」と呼ばれる、この透き通る海と大自然が削り上げた洞門や断崖絶壁・石柱といった奇岩。人の手が加わらない大自然そのものが作り出す芸術品なのだろう。
しかし、、、
そんな美しい島にも闇がある。
様々な国の言葉で書かれたラベルが貼られたペットボトルやお菓子のゴミが落ちている。
ここは異国のゴミの漂着場所。
潮の流れ、地形の関係で漂流物が流れついてしまうらしい。
ここに来るまで気になることがあった。
自然研究路を歩く途中、所々に置かれた、消火栓には、大量のタバコの吸い殻やコンビニ袋が詰め込まれている。
青海島を汚しているのは、「異国のゴミ」だけではなくて、「人類のゴミ」とくくるのが正しいのだろう。
海や海岸線にゴミが浮いていないのは、この島の人たちが、日々海の環境をまもりつづけているからなんだろうな。
研究路を歩いている時に、間違って浜辺に上陸した瞬間を見ていました。
波に押し戻されて、なんとか一命は取り留め、元気に泳いでいるように見えたが、近くにいったらひっくり返って虫の息に。
ごめんね。
僕には君を助けられないんだ。
悲しい事実と対峙することになったが、ここの海が美しい事は間違いない。
光の刺すところに闇がある。闇があるのは光がある。
帰り道に娘が一言。
「お家に帰ったらゴミ拾いやろうね。」
旅先だから得られた貴重な体験の一つ。
行動に移すことを約束し、次の場所へ。
つづく。