人生初の美術館2
先日の
続き。
結論からいくと、小学校1年の息子は3つある内、最初のフロアを見た時点で疲れ果ててしまって、後はベンチで休んだり他のフロアはささっと通り過ぎていた。途中からは帰ろ~と言い出したので、私も少し早足で鑑賞することになった。予想以上に早いギブアップだった。
こんな風に書くと彼には全く響かない展覧会だったように見えるが、本人の感想を聞くと、どうやらその逆だったようだ。何か面白かったり、気になったものはあった?と聞くと、興味が湧いた作品が2点あったとのこと。つまんないというよりも、ただただ疲労感から帰りたいとなったらしい。
彼は電車好きだが、東京駅に来るのも東京駅で降りて周囲を歩くこともこの日が人生初だった。これはコロナの影響で普段は近場しか移動しなかったからだ。そのため、美術館に到着する前からすでに興奮気味で飛び跳ねていた。
そしてアーティゾン美術館の建物に到着した時も、普段見かける建物と雰囲気が異なるため、おぉ~という感じでこれまた興奮していた。そして、その興奮のまま最初の鑑賞フロア、6階に到着。すでに疲れが少しきているところに様々な絵画が目の前に飛び込んできた。
彼にしてみれば、学校で同年代の友達とみんなでお絵描きした絵を飾ってあることはあっても、大人が描いた絵がたくさん飾ってあって、しかもみんなが静かに鑑賞している空間は経験がなかった。
そして、恐らく子供なりにしっかりと作品を鑑賞したのだろう。鑑賞というよりも、とりあえず大量の情報が目に飛び込んできた、といった感じだったのではないかと思っている。だから最初のフロアだけで疲労はピークに達してしまったのだろう。
でも、そんな大量の情報の渦の中から2つの作品を彼なりにピックアップしていた。作品名や作家名を覚えていなかったが、こんな感じの絵だったと説明してくれて、どの作品なのかは知ることができた。それだけで息子を美術館に連れて行ってみる、という私の目的としては十分だった。
さらに、その2つの作品は私が特に印象的だった作品と同じだった。これはちょっと驚いた。同じ作品に興味が湧いたのかぁ、と。そして理由もなく嬉しかった。
ただ、私もその2点の内容は覚えていたが作品名や作家名を覚えておらず、どちらも撮影禁止だったので写真にも撮っていなかった。まぁ、早足で鑑賞することにもなったのでいずれにしても図録を買うことにした。美術館のショップに寄る暇もなく、帰ろ~帰ろ~となってしまったので後からオンラインで購入した。
後日、手元に届いてから二人で確認したら想像していた作品で合っていた。
リズム螺旋(ロベール・ドローネー)
色のオーケストレーション(ハンス・リヒター)
妻はモンマルトルの風車(フィンセント・ファン・ゴッホ)が良かったらしい。個人的には横溝美由紀さんの作品や、写真として展示に含まれていた柴田敏雄さんの作品が興味深かった。
それ以外にも、図録で見てみると改めて惹かれる作品もある。そこそこ厚いのでゆっくり見て楽しもう。
こうして人生初の美術館はとても良い経験になったと思っている。
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