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第2章 列島が育む食材 02.キノコ―食用キノコと毒キノコ:特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」見聞録 その03

2024年02月09日、私は国立科学博物館を訪れ、一般客として、特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」(以下同展)に参加した([1])。

 

日本には少なくとも約5000種のキノコがあると言われるが、日本のキノコの分類はまだ十分ではなく正確な数は不明である。

また、日本でとれるキノコのうち、食べられるとされているキノコは約100種類、毒キノコは約200種類とされ、残りの大半は、食べられるかどうかも不明である([2]のp.32-35,[3],[4])。


食用キノコは約100種類以上あるが、エノキタケ、ブナシメジ、シイタケ、マイタケ、エリンギ(ヨーロッパ原産)、ナメコ、ヒラタケ、キクラゲ、マッシュルーム(ツクリタケ)(ヨーロッパ原産)、および、マツタケの10種類が一般に食べられる(図03.01,3,4,[5],[6],[7],[8])。

(a)向かって左から、チチタケ、ハツタケ、および、アカハツ。 
(b)向かって左から、オオイチョウタケ、ホンシメジ、および、ウラベニホテイシメジ。
(c)向かって左から、シイタケ、ナラタケ、および、タマゴタケ。
(d)向かって左から、アカモミタケ、クリタケ、および、ブナシメジ。
(e)向かって左から、ウラベニホテイシメジ、ショウゲンジ、および、カラカサタケ。
(f)向かって左から、マツタケとバカマツタケ。
(g)向かって左から、オニフスベとオオシロアリタケ。
(h)マイタケ。
(i)向かって左から、ニオウシメジとアラゲキクラゲ。
(j)向かって左から、クロカワとコウタケ。
(k)向かって左から、ツチグリとホウキタケ。
図03.01.日本の食用キノコ。


国産野生キノコ食品には、乾燥品、水煮、塩漬け、缶詰、および、瓶詰めがある(図03.02)。

(a)乾燥。
(b)水煮・塩漬け。
(c)向かって左から、缶詰と瓶詰め。
図03.02.国産野生キノコ食品。


日本には、毒キノコは約200種類あると考えられ、中には致死性の猛毒を持つものもある。ツキヨタケ、クサウラベニタケ、テングタケ、ニセクロハツ、カキシメジ、ドクツルタケ、カエンタケ、スギヒラタケ、ドクササコ、および、オオシロカラカサタケの10種類では、食中毒などの事例が多い(図03.03,3,4,[9],[10],[11],[12],[13],[14])。

(a)向かって左から、ウツロイイグチ、ヒカゲシビレタケ、および、コガネタケ。
(b)向かって左から、サクラタケ、ドクササコ、および、ホテイシメジ。
(c)向かって左から、ツキヨタケ、スギヒラタケ、および、ベニテングタケ。
(d)向かって左から、オオワライタケとカキシメジ。
(e)向かって左から、ドクカラカサタケとクサウラベニタケ。
(f)ニガクリタケ。
(g)向かって左から、ヒメカタショウロとクロハナビラタケ。
(h)カエンタケ。
(i)向かって左から、ベニテングタケとドクツルタケ。
(j)シロオニタケ。
(k)向かって左から、カバイロツルタケとコテングタケモドキ。
図03.03.日本の毒キノコ。


日本はキノコの国であることを痛感する。また、食用キノコよりも毒キノコの方が多いことも痛感する。

私はキノコが大好物だが、安全のため市販品を買うことにする。




参考文献

[1] 株式会社 朝日新聞社.“特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」 ホームページ”.https://washoku2023.exhibit.jp/,(参照2024年11月09日).

[2] 特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」ガイドブック,168 p.

[3] 東京都保健医療局.“キノコの基礎知識”.食品衛生の窓 ホームページ.たべもの安全情報館.知って安心~トピックス~.キノコの話.https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kinoko/kiso.html,(参照2024年11月09日).

[4] 公益社団法人 農林水産・食品産業技術振興協会(Japan Association for Techno-innovation in Agriculture, Forestry and Fisheries:JATAFF).“アイウエオ順INDEX”.JATAFF ホームページ.読み物コーナー.野生きのこの世界.https://www.jataff.or.jp/kinoko/kinokoa.htm,(参照2024年11月09日).

[5] 農林水産省.“詳しく知って楽しく食べよう!おいしいきのこ図鑑”.農林水産省 ホームページ.会見・報道・広報.aff(あふ)最新号.aff(あふ) バックナンバー 2021年.21年10月号.https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2110/spe1_02.html,(参照2024年11月09日).

[6] 沖縄県立博物館・美術館.“オオシロアリタケのソテー”.沖縄県立博物館・美術館 ホームページ.博物館.学芸員コラム.2008年09月14日.https://okimu.jp/museum/column/015/,(参照2024年11月09日).

[7] 株式会社 七会きのこ.“生鮮ニオウシメジ約300g~400g菌床栽培品”.七会きのこセンター ホームページ.商品一覧.きのこ屋の変わり種.https://nanakai-kinoko.net/item/category/mushrooms/1050/nioushimeji/,(参照2024年11月09日).

[8] NPO法人 日本パークレンジャー協会(Japan Park-ranger Association:JPA).“No.120 ツチグリすごいぜ!”.JPA ホームページ.コラム.自然の不思議コーナー.2024年01月22日.https://www.japan-parkranger.com/column/wonder/no-120-%E3%83%84%E3%83%81%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%81%99%E3%81%94%E3%81%84%E3%81%9C/,(参照2024年11月09日).

[9] 農林水産省.“本当に安全?STOP毒きのこ”.農林水産省 ホームページ.会見・報道・広報.aff(あふ)最新号.aff(あふ) バックナンバー 2021年.21年10月号.https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2110/spe1_04.html,(参照2024年11月09日).

[10] 栄研化学株式会社.“食の安全・安心にかかわる最近の話題10 きのこ毒について”.モダンメディア ホームページ.バックナンバー.2018.2018年9月号(第64巻9号).https://www.eiken.co.jp/uploads/modern_media/literature/2018_09/002.pdf,(参照2024年11月09日).

[11] 厚生労働省.“自然毒のリスクプロファイル:ヒカゲシビレタケ(Psilocybe argentipes) モエギタケ科シビレタケ属”.厚生労働省 ホームページ.政策について.分野別の政策一覧.健康・医療.食品.食中毒.自然毒のリスクプロファイル.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000143413.html,(参照2024年11月09日).

[12] 石川県.“ドクカラカサタケ”.石川県 ホームページ.くらし・環境.自然.生物多様性.いしかわ森林図鑑.いしかわ きのこ図鑑.種名から検索.https://www.pref.ishikawa.lg.jp/ringyo/kinoko/data/dokukarakasatake.html,(参照2024年11月09日).

[13] 鹿沢インフォメーション センター.“森の掃除屋”.鹿沢インフォメーション センター ホームページ.フィールド ノート.2013年09月27日.https://www.kazawa.jp/fieldnote/2013-09-27,(参照2024年11月09日).

[14] 島根県.“毒きのこと注意を要すきのこの写真1”.島根県 トップページ.県政・統計.地域振興・交通.関係機関.中山間地域研究センター.きのこ・特用林産科.https://www.pref.shimane.lg.jp/admin/region/kikan/chusankan/kinokotokuyourinsanka/photo.html,(参照2024年11月09日).

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