見出し画像

論破力 書評

こんにちは。今日はインターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人を勤められ、YouTubeやネット番組で活躍されている西村博之さんの著書「論破力」の書評を行なっていきます。

論破力 目次
第1章 議論とはゲームである
第2章 観客の心を揺さぶる論破テクニック
第3章 手強い相手に「YES」と言わせるテクニック
第4章 厄介な人を転がす技術
第5章 「ああ論破したい!!」

書評するにあたり、個人的な感想と学んだことを以下に書かせて頂きたいと思います。

この本を読んで学んだことは、以下の3つに分けられます。
・議論をするにあたり重要な心がけ
・論破テクニック
・人を説得する話し方
それぞれを以下にまとめたいと思います。

■議論をするにあたり重要な心がけ
議論をする上で強い言葉は、意見ではなく、事実であるという事。様々なネット番組で討論をする姿が有名なひろゆきさんですが、論破されているところを見たことがない。その一つの要因が、ひろゆきさんは、感情ベースで話すことはほとんどなく、「こういう事実がありますよね」という事実ベースの話をしているということ。感情ベースの意見に反論するより事実ベースの話に抗ずるのは、とても難しい。なので、自分の有利に議論を進める場合や論破されないためには圧倒的に事実ベースで話を展開すると良いそうです。

■論破テクニック
人を説得する話し方として、以下の4つが印象的でした。
・揚げ足取り
揚げ足取りとは相手の知能レベルの確認です。この揚げ足取りに対して、ちゃんと答えられないのであれば、その人の主張自体がそこまで堅固なものではないと主張されています。
例えば、「あの人、どんな人ですか?」という問いに対して、「あの人は地頭が良い人です」という回答が返ってきます。この時、返答された「地頭が良いと頭が良いはどこが違うんですか?」などと確かめる行為のことを揚げ足取りと呼んでいる。その人がどういう意味でその言葉を使っているか確かめないと、そもそも聞きたかった「あの人はどんな人か?」という問いに対して、何も知る事ができないことになるから、揚げ足取りの作業は論理的な議論を展開する上で、必須の確認作業という風に考えられています。

・相手の返答を想定する→返答を事前に用意する
ひろゆきさんが相手の質問に対して、即座に回答し、なおかつ、論理が通っているのは、頭の回転が速いだけではない。論破力とは、想定力であると述べられています。実は、討論における反論パターンというのは、そんなに多くないそうです。なので、自分が話している最中から相手が何を返してくるのかをある程度想定して、次に投げる球を用意しておくと即答できると述べられています。ただ、その投げる球というものは相手にとって「YESであっても、NOであっても逃げ道のない質問」をすると議論を有利に進められるそうです。

・定義が曖昧な言葉・難しい言葉は使わない
人間には、「わかりやすいものは正しい」と判断してしまうバイアスがあるそうです。
例)「80%のコンセンサスが得られました」
  「8割の人がこれは良いと言ったんですよ」
上記の例で言えば、後者の方が人間という生き物は説得されやすい。信用されやすいということです。なので、定義が曖昧な言葉は使わず、相手にとって身近な言葉を意識的に使うだけで、かなり説得力が増すという風に書かれています。

・分からないことは「分からない」と言い、被害者感を出す
討論の場において、喧嘩は売られた方が得だと記載されています。なぜかというと、討論を見ている世の中の人のほとんどは、被害者に肩入れします。よって、被害者のイメージを植え付ければ、植え付けるほど、「大変そうだね、かわいそう」というような道場が集まり、最終的には議論を有利に進められることになるという風に書かれています。

■人を説得する話し方
人を説得する話し方のテクニックで印象的だったものは以下3点でした。
・問いで相手の思考パターンをモデル化する
・相手のモチベーションに沿った行動をする
・相手が「価値がある」と思っているものの中から似た言葉をぶつけていく

■問いで相手の思考パターンをモデル化する
相手を説得するにあたり、まず、相手がどんな思考パターンを持っている人物なのか把握する必要があります。その方法として、目の前で話を聞き、どういうタイプの質問をしたら、どういう答えが返ってくるのか、とにかく生のデータを集めます。「こういう質問でこう返ってくるんだったら、この人はこういうタイプかな」みたいな、相手とのキャッチボールの中で、その人がどう考えるのかをモデルを組み立てていくことが重要。そんな風に会話の中で相手に合わせた落とし方のパターンを選択し、自分の得意な共通の分野に持ち込んでいく、というわけです。これができるようになるともちろん議論を論理的に展開する事ができますし、何より人と話す事が楽しくなるというメリットがあるそうです。

■相手のモチベーションに沿った行動をする
人は何か議論をしている時、大抵の人は「ポジション・トーク」をしています。ビジネスマンであれば、商品を買って欲しい。政治家であれば、投票をしてほしい。などです。人というのは雑談は別として、何かしら自分を有利にしたいという動機があって、他人を説得しようとする。ただし、人のモチベーションは結構複層的で、言葉の裏には思わぬ本音が隠れたりしていることがあります。たとえば、お客さんに喜んでもらえるような商品を売りたいと最もらしいことを言っている営業マンであっても、実は本当に求めているのは、営業成績を上げたいで、しかも、営業成績を上げたい理由は、出世したいであったり、給料を上げたいだったりするわけです。なので、その人のモチベーションの源泉を見極めなければ、議論は思わぬ方向に流れてしまい、時間の無駄になる可能性があるのです。よって、相手のモチベーションの源泉を見抜き、そこに沿った行動をすることが重要であるということです。

■相手が「価値がある」と思っているものの中から似た言葉をぶつけていく
何かについて、人を説得する場合、相手が価値があると思っているものの中から、似たような言葉を選んで、ぶつけていくと価値があるという物自体を否定しなければいけなくなるので、割と説得しやすくなる。
問題は、相手が何に価値を見出しているのかという点ですが、たとえば、「Tシャツかっこ悪いね」言われた時に、「いやでも、これフランス製だよ」というと人はそれで落ちます。ファッションの分野でフランスを否定するということはよほど、この手の知識がある人出ない限り難しいのです。よって、フランス製をかっこわるいと言ってしまった人は、結果的に勝てない勝負に入り込んでしまった人になるわけです。なので、人が否定しづらいテーマというものは割とたくさんあるので、そういうものを巧みに使うと議論では得する事が多いと言います。

気になった方はぜひ読んでみてください!
https://www.amazon.co.jp/%E8%AB%96%E7%A0%B4%E5%8A%9B-%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E3%81%B2%E3%82%8D%E3%82%86%E3%81%8D/dp/4022737913/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E8%AB%96%E7%A0%B4%E5%8A%9B&qid=1605609181&sr=8-1


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?