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去り行く夏を惜しんで海を見た

今年の夏は本当に暑くて、本来なら海に飛び込んで夏の醍醐味を味わうのですが、コロナの為に中々外出もせず気がつけば朝夕はすっかり過ごしやすくなってしまいました。それはそれで嬉しいのですが、「クリープを入れないコーヒー」を飲み続けた不完全燃焼感をぬぐい切れない思いで、フィリピンの海の写真を眺める初秋を過ごしています。
今日は3話ぶりにフィリピンの話をします。

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世界有数のダイビングポイントで楽しむ

コーラル・トライアングル」という言葉を聞いたことがありますか?インドネシア、マレーシア、フィリピン、ソロモン諸島、東ティモールを結んだ三角形の海域のことで、世界のサンゴの半分以上が生息し、3,000を超える種類の魚が集まる海域といわれている、海のアマゾンとも呼ばれる海域でダイバーの憧れの的なのです。フィリピンはこの三角形の頂点で国中が肥沃な三角の内側になっているのです。

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日本でダイビングのライセンスを取ってすぐにフィリピンへ移住したのですが、現地採用のお給料は生活で精いっぱいで段々ダイビングの回数が少なくなり、結婚すると益々時間を費やす事が無くなってしまってました。

僕がダイビングを再開したのが観光省の仕事がらみで、3年前ダイビングのイベントがマニラで行われる時に、日本のダイビング関連の旅行会社やショップさんと同行して、イベント後にダイビングポイントに案内するツアーコーディネーターをした時でした。
行き先はダイバー間で有名なドマゲッティと言うセブ島の横の島。初めてセブ島以外でダイビングをしました。

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至福のダイビング三昧

ドマゲッティは市内に有名な大学が多く、学生の街としても有名で市内の30%は学生と言われています。だから物価も安く治安もいい。田舎なので刺激は少ないのですが、穏やかで暮らしやすいとフィリピン人の間でもそう評価されています。
そして今回は初めて泊まるダイビングリゾート、つまりダイビングで滞在される方をターゲットにしたリゾートでリゾート内にあるダイビングショップも充実しているし、リゾートの豪華さもあり、ワクワク上昇でした。
泊まったアトランティスと言うリゾートで一番感激したのが食事です。ホテルは通常ブッフェなんですが、ここはプレートで1品1品を選んで前菜、メイン、サイドディッシュを一人一人その場で料理してくれるところで、出来立てだから、めちゃめちゃ美味しいです。食事が充実するとパワーが出てきますね。

10年以上ダイビングをしていなかったので、チェックダイブと言う基本スキルの練習をプールでした後、ホテルの近くのハウスリーフでダイビング開始です。
フィリピンのダイビングで最大の魅力は殿様ダイビングと言われています。つまり何もしなくてもいい殿様状態なんです。
ダイビングポイントに着くとボンベにセットされたジャケットを着せてくれてフィンも履かせてくれます。手を引っ張り船の端まで誘導してくれ、後は自分で海に飛び込むだけ。ダイビングが終わって船のはしごにしがみついたら、スタッフが海に飛び込みフィンを外し、重いジャケットも取り外して、普通にはしごを上るとミネラルウォーター、最後のダイビングだと冷えたビールが用意されています。
私みたいに年配の初心者は、ダイビングする前に体力消耗も気苦労もないので純粋にダイビングを楽しめるし、くたくたになっても船に着いても、楽に乗船できるアシストは凄くが魅力です。

きっとそれはフィリピン人特有の相手を喜ばそうとするホスピタリティと、3世代家庭で育ち鍛えられた恐るべきその介護力で面倒を見てくれるディケアーダイビングと言えそうです。(笑)

肝心のダイビングですが、ハウスリーフは潜るといきなりウミガメが泳いでいてもうテンションが上がります。
インストラクターが岩に隠れた可愛い魚も探して案内してくれて、常に発見があって本当に楽しかったです。

通常ダイビングは海に入ると全員揃うまで船の真下の海底で待っているのですが、ドマゲッティのアポ島で潜った時は海底が一面珊瑚の覆われいる珊瑚のお花畑で、どこで待っていようか困ったぐらい美しい海でした。
本当に綺麗で感動でしました。

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この自然を守るためにも

コロナで多くの人が失業して、多くの人の収入が減っています。今はフィリピンも耐える時期になったのです。そこで心配しているのが、漁師さんの生き残り方です。


フィリピンは本当に一部の漁師ですが、違法なダイナマイト漁をする人もいます。最近は取り締まりも厳しく減ってきたと思いますが、その手法は本当にひどくていかに楽に沢山の魚を取るかを考えて手製のダイナマイトを海に投げて爆発させ、その衝撃で魚を気絶させて浮かんでくるのを待って網で根こそぎすくい上げます。
こんな事したら稚魚や卵も死んでしまいますし、魚礁である珊瑚が粉々に壊れて魚が住めない海になります。
本当に1か月これをやり続けると、海水は透明で綺麗なのに魚が1匹もいない海になります。海底には死んで白く粉々になった珊瑚の死骸で埋め尽くされます。

漁師をするのに因数分解は必要ないです。貧しくて学校に進学できない人が第一次産業に着くことは多いです。つまり、学力がなくても技術で一流の漁師になれますが、頑固で感情で動いてしまう人が多いのも事実です。
なんで違法な漁を繰り返すの?普通に漁をしたらいいでしょ?」と言う問いに「家族が病気だし、子供の学校にお金がいるんだ。普通に漁をしても稼げるお金は知れている。場合によっては足りない時もあるんだぜ。将来の事(漁場が壊れて魚がいなくなる)を考える前に、俺たちには今日の暮らしを乗り切らないといけない。だから大漁収穫が今日必要なんだ」と言うのです。

そして僅か1か月後には収穫0の海になり、漁師を続ける事が出来なくなり、子供は学校をやめて出稼ぎに行き最後は家族がバラバラになるのです。

もうこれを防ぐのは「本質を考える力をつける教育を受けて育つ」しかないと思います。これがフィリピンだけでなく全ての世界の全ての問題に必要な事で、貧困も環境問題も人が解決しなければいけない以上、「何を考える」かが一番大切ですね。正しい目標を引き出さないと迷走するだけですから。

これが僕の夢に繋がっている。

日本は四季があって、季節の移り目に節目を感じて色々と考えるきっかけになると思います。フィリピン常夏。昨日と同じ様に変化のない毎日が続きます。

でも常夏はずっと変わらず常夏。だから幸せならずっと幸せを続けることが出来そうな気がするのです。全然理にかなってない、全然的外れな感覚なんですけど、何故か僕にはそう思わせる不思議な国なんです。
日本の去り行く夏が少し感傷的な思いをもたらしたのかな?日本も好きだけど、人の優しさが染みるフィリピンで思いっきり海を楽しみたい、そんな思いで過ごしています。

(併せてお読み頂けると嬉しいです)

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