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PERFECT

 人は見たいものしか見ないから。
 きっと全く嘘偽りなく生きていても、人から見たら嘘つきと思われていく事が多くなる。
 一面しか見ていない周りが悪いのではなく、整合性をとれない自分が悪い、それも違う。
 色んな事を知ってもらいたいと思って努力する。そのやり方が人と違っていて、そのこともまた言えなくなってしまう。それもきっと間違いではない。
それで完璧な自分なんだ。それが完璧なんだ。
そう言ってくれて、共に歩いてくれる誰かが欲しい。今はきっと、そう思っている。

 今の私はきっと複雑だ。
 今の職場を離れる事を決めて、もっと自分らしく働くための準備をしている。
 今の自分だってきっと嫌いではないのだけど、無理をしていた自分自身にちゃんとけじめをつけようとしている。
 今の職場だってきっと愛情を込めて、持っていた経験やノウハウ、自分の繋がりを託していきたい。
そのためにすべき事は山程ある。

 エリアから孤立している自店舗の関係改善を図るための外交。
 自分と、対立しているエリア長以外で部下社員のメンターとなれる人物と繋がりをつけておく事。
 アルバイトへの自分の業務の引き継ぎ。
 部下の社員への業務の引き継ぎ。
 自分が居ないイメージでの人間関係づくり。
 今までより裏方に回って、支えなければならない。ここまでがすべきこと。

 加えて今は、二週間に一度、心療内科に通院している。
 理由は20年前から放置してきた複雑性PTSDの治療のためだ。今までであれば、このことは墓場まで持っていくつもりだった。しかしここから先、人と関わらず失い続ける人生を続ける事が出来ないと、はっきりそう思った。
 これだってきっと、知らない人から見たらただ病んでいるだけに思えるだろう。
 けれど真相はもっと別のところにあって、皆と歩調を合わせたい、本当の意味で自分を壊す事なく彼等の居場所を作ってやりたいと、そう思えるようになったからだ。
 そして自分自身も、本当の完璧になりたいとおもったから。
 ここまでが、したいこと。
 仕事として、人との思いとして何を繋いで、何を託していくか。それを毎日のように考えている。

 人は見たいものしか見ないから。
 私がどれだけの泥を被ってどん底を歩いてきたかを知らない。
 否定され、見下され、期待もされない。
 誰よりも先を歩く理由を誰も知らない。
 まっさらな人達にわかって欲しいなんて言わない。
 ただ何の因果か、同じ場所同じ時間で関わった人達には、隠すべき事を少しずつ無くしていきたい。そうでなければ、誰とも同じ道を歩けない。

 最近よく音楽を聴く。
 大学生の頃に聴いていた洋楽を特によく振り返っている。邦楽と違って洋楽は時々ストレートに入ってくる。背景にある情景とか風景とか、リアルになぞる必要がないからなのかな。

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薄情屋遊冶郎
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