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それでも文章力を磨いたほうがいい理由

最近は、音声メディアや動画メディアも増えてきました。

「伝えたい」と思ったときに声や動きで伝えることができるようになったのはいいことだなーと思います。

一方で、やっぱりテキストは便利だし、テキストにしかできないこともまだまだあるなーと思ったので、今日はそのあたりをまとめてみようかなと思います。

テキストの便利なところ①
一瞬で伝わる

まずは「一瞬で伝わる」ということです。

道路の標識や街中の看板、電車の広告も、テキストは一瞬で脳に入ってきます。おそらく1秒かからないうちに内容を理解することができる。これはテキストのなせる技かなと思います。

15文字くらいの文字であっても音声であれば数秒かかりますが、テキストであれば一瞬で伝えられる。

<<ここからは読まないでください>>

と書いてあれば「あ、こっからは読んじゃダメなの?」って1秒くらいで思います。少なくとも何の内容について書いてあるかはわかるでしょう。(「ここからは読まないでください」は例なので、よければ最後までお付き合いください!) 

テキストの便利なところ②
(物理的な)声の大きさは関係ない

音声や動画は情報量がすごいので、その人の性格や「人となり」がすぐに伝わります。印象を一瞬で伝えることができる。そこはテキストにできない優れたところです。

ただ逆に言うと、テキストは情報をものすごくフラットに伝えることができると思うのです。内容がよければ、きちんと伝わる。テキストの力をつけておけば、外見や話しぶり、オシャレさや身動きなどは関係なく、ストレートに中身を伝えることができます。

これまでリアルの世界で会議をやると、どうしても物理的に声の大きい人の意見が通ったりしていました。デカイ声の部長が「これでいくからな!!」と言えば、それに決まってしまっていた。

でも今は、Slackやメールなどテキストでやり取りすることが増えました。そうなると物理的な声の大きさではなくて、内容の正しさで判断されやすくなった。テキストの力をつけておくと、「ニューノーマル時代の主役」になれる……かもしれません。

テキストの便利なところ③
検索性が高い

1時間の講演会の映像があったとして「あの話って、どこで言ってたっけな?」と思ったとき、あとから探すのはちょっと大変です。「後半のほうで言ってたなー」と目星をつけて、早送りをしたりして該当箇所を見つけ出さなきゃいけない。でもテキストであれば、検索で一発で出てきます。

音声コンテンツだと見つけにくいけれど、本であればパラパラとページをめくってすぐに見つけることができる。このあたりは、今後技術によってカイゼンされていくとは思いますが、現時点ではテキストのほうが得意です。

このnoteのようにテキストで残しておけば、知らない誰かが検索でたどりついてくれるかもしれません。そこはまだまだテキストは強いのかな、と思います。

テキストの便利なところ④
能動的メディアである

文章、テキストだけが「能動的に接する」メディアです。

もちろん動画も音声も能動的に「選ぶ」ことはありますが、選んだら勝手に入ってきます。音楽を流せばイヤでも耳に入ってくるし、動画も流していたら勝手に目に入ってくる。文章だけが、唯一能動的に「接し続ける」必要があります。

文章を読むのが苦手な人はここがしんどいのかもしれませんが、逆に言うと能動的メディアだからこそ、テキストで惹きつけることができれば、そのエンゲージメントのパワーは大きいのだと思います。

テキストであれば、その接し方も自由自在です。さっと理解したい人は、流し読みして短時間で終わらせることもできる。一方、考えながら深く理解したい人は、長い時間を書けて精読することもできます。

テキストの便利なところ⑤
(よくも悪くも)洗脳性がある

能動的メディア、つまり自分から関わるメディアだからこそ、ある種の洗脳性も生まれると思います。

「小説に影響を受けた」「自己啓発書に影響を受けた」という人は多いでしょう。もちろん音楽や映画も影響力はあるのですが、テキストはより心の奥底のほうに影響を与える気がします。宗教にはたいてい経典があります。それがテキストで残されていることも何かヒントになるかもしれません。

あとこれは持論なのですが、テキストは脳内で「自分の声」で再生されるのではないかと思うのです。(どうもテキストを読んだときに、脳内で自分の声が再生される人とそうでない人がいるらしいですが。)

ちょっと脳科学的にはよくわからないので誰かに聞きたいのですが、自分の音声で脳内再生されるから「洗脳性」が生まれるということもあるんじゃないかと踏んでいます。

5G時代もテキストは残る

今後も音声メディアや動画メディアはより広がっていくでしょう。ただそれでも、まず「テキストの力」をつけておくのはプラスにこそなれマイナスにはならないはずです。

動画だろうが音声だろうが、まず「伝える中身」が磨かれていないと意味がありません。その伝える中身を磨くうえでも、まずテキストで残す力をつけておくというのがいいのではないか、と思います。

それに、まだまだコミュニケーションはテキストが優位です。街中のカフェとか会社の中に音声や動画でやりとりできるようなブースができてくれば別ですが、もう少し時間はかかりそうです。電車の中でもカフェでも家でも無言でやり取りできるテキストはまだまだ強いなと思います。

それこそテキストはメソポタミア時代から続いているわけです。きっとこれからも廃れることはないでしょうし、音声や動画が発達したとしても残り続けるのだと思います。

「それでも文章力を磨いたほうがいい理由」はこんなところです。


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