お金持ちの人に取材して気づいた共通点
ぼくはビジネス書の編集をしてきたので、いろんな経営者やお金持ちの人に話を聞く機会がありました。
そこで彼ら彼女らにはいくつかの共通点があることに気づいたので、今日はそれを紹介したいと思います。
楽しく稼いでいる。意義を持って稼いでいる
まずは楽しく稼いでいるということです。
楽しくと言っても、別に楽をして稼いでいるということではありません。ここでの「楽しく」というのは「意義を持って稼いでいる」というような意味です。
仕事を通じて「人を楽しませよう」とか「人の役に立とう」と思って稼いでいる人が多いように思います。
「楽しい」という表現が適切かどうかはわかりませんが、少なくともつらそうに稼いでいる人はいませんでした。
楽しくお金を稼ぐ人は、楽しくお金を使える
楽しく稼ぐと何が起きるかというと、お金を「使う」ときにもイヤな感情が起きなくなります。
楽しく稼ぐと、「楽しい思いや社会的な意義」と「お金」を交換する感覚になるのでしょう。そういうお金の稼ぎ方をしているから、使うこと、いったん手放すこともそこまでつらくないのだと思います。
ということは、適切な「投資」ができることになります。
楽しく仕事をする人は、楽しくお金を得る。楽しく得たお金なので、使うときにもつらくない。だから投資につながり、さらにお金が増えていく。この循環に入ることができるのかもしれません。
人を雇ったり、オフィスを借りたりするのも「投資」ですが、そういう投資を恐れることなくできるようになるのではないか、と思うんです。(ぼくの仮説も入ってます。)
一方、苦痛とともにお金を稼ぐと「自分の貴重な時間」と引き換えにお金を得ている感覚になります。
するとどうなるかと言うと、お金に「つらい感情」が乗っかります。「苦労して手に入れたお金だから、それを手放すのが苦痛だ!」という感じになるわけです。
お金を使うときに苦しいのは、自分の人生・自分の時間と引き換えに手に入れたものだから。すると、使うべきときに使えなかったり、適切な投資ができなくなる。
仕事が苦痛だと、苦痛と引き換えにお金を得ることになる。苦痛によって得たお金なので、手放すのもつらくなる。だから「なるべくお金は使いたくない」となります。ちょっと損しただけで身を切られるような思いがする。だから、投資すべきときに躊躇してしまうのです。
そのくせ、余計なことにお金を「消費」しまったりする。だからお金はジリジリと減っていきます。もちろん働くことでお金は少しずつ増えるのですが、投資ほどのリターンはありません。
このあたりがいわゆる「お金持ち」と「ふつうの人」のお金に対する感覚の違いなのかな、と思いました。
若いときに「商売」をしていた
若いときに「商売」の経験をしている人が多いのも、お金持ちの人・経営者の特徴です。
元ZOZOの前澤さんは小学生のときにクワガタを集めていて、それを友だちに売ったときが「商売の原点」だと語っています。その後、レコードの輸入販売や服を売ったりして、ZOZOの創業につながっていきます。
起業家の前田裕二さんが街角でストリートミュージシャンをやって日銭を稼いでいたのは有名ですし、メガネチェーンの「OWNDAYS」社長の田中さんも、つぶれた喫茶店を「マンガ喫茶」にしてお金を稼いでいたと語っています。
多くの人が、アルバイトなどの「労働」ではなく、せどりや服を売るなどの「商い」をやっていたというのは注目すべき点でしょう。
「労働」には自分の人生の時間をお金に変えていく感覚があります。一方で「商い」というのは、シンプルに言えば「価値と価値の交換」です。
お金を得るためには「自分の時間を売らないといけない」のではなく、「価値と価値の交換をすればいいんだ」と早めに気づくことができた。これが経営者やお金持ちの発想につながっているのかもしれません。
お金を「フラット」に見ている
お金持ちの人ほど、お金を「フラット」に見ています。お金を得るときも、お金を使うときもフラットです。
紙幣はただの紙切れであり、銀行の数字はただの数字であることを知っています。お金自体に何かすごい価値があるわけではないことを知っています。
交換できることに価値があるだけで、紙切れを溜めこんでいても仕方がないこと肌でわかっているのかもしれません。
お金持ちの人ほど、お金のことを考えていなかったりします。(お金儲け自体が好きな人もいるかもしれませんが、ぼくが見る限り)お金のことはむしろどうでもいいと思っていて、お金を使って何をするかということに目が向いている。あくまで「お金は手段だ」ということがわかっているんでしょう。
……というわけで、お金持ちに取材して見えてきた共通点について今日は書いてみました。
これを知ったところでなかなか実行はできないし、なかなか「お金への洗脳」は解けないのですが、、、ちょっとでもお金への意識を変えて、上手に稼いで上手に使えるようになりたいなと思っています。