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人生とは「時間」というリソースをどこに配分するかゲーム

大統領も、経営者も、会社員も、「24時間×約80年」しか持っていない

人生とは「時間」というリソースをどこに配分するかのゲームです。

誰しも「24時間×約80年」という時間しか持っていなくて、その時間を「どう使うか」で人生は変わっていきます。

よく言われることですが、世界一権力のある大統領だって、時価総額ウン兆円の経営者だって、普通の会社員だって、持っている時間の量は変わらない。ただそれを「どこに振り分けてきたか?」「どう使ってきたか?」が違うだけ。時間の量は変わらなくて、使い方で人生は変わっていきます。

当たり前かもしれませんが、人生はこの「時間」という自分の持っているリソースをどこに配分するかによって変わってくるのです。

「お金」の戦略は考えるのに……

お金については、わりと多くの人が戦略的に考えています。

ここに1000万円があったら、じゃあどれぐらいを銀行に預けて、どれぐらいを投資に回すのか? 家は借りるのか、買うのか? そんなふうにきちっと戦略を立てて、お金を使っているわけです。

でも、なぜか「時間」となると意外に戦略を立てられていない。

日々の仕事に追われたり、気づいたら1年が経っていた、みたいな人もけっこう多いのではないでしょうか?

お金については本を読んだり家族と話し合ったりして戦略を立てますが、時間に関してはなぜか戦略を立てない……。

やはり僕は「時間」というリソースも「どこに、どれだけ配分するのか?」というのをきちんと考える時間を作ったほうがいいと思います。

それだけで人生は大きく変わっていくはずだからです。

時間は目に見えない

人生においていちばん重要なリソースである「時間」の使い方について、きちんと戦略を立てたほうがいいーー。

改めて言われると「そりゃそうだ」という話だと思いますが、なぜそれができないかというと「時間は目に見えないから」という持論があります。

お金は目に見えます。

紙幣や硬貨、通帳はもちろん、デジタルの支払いであっても1日に何度も数字を見る。そこでお金に「手触り感」が生まれるので、ある程度「管理しよう」というマインドになりやすいのだと思います。

一方、時間は見えません。

時計やカレンダーを見続けていれば意識できますが、別に見なくても勝手に時間は減っていく。お金も時間も人間の作った概念ですが、特に時間についてはわざわざ可視化しないとどうしても意識から遠のいてしまいます。

まずは時間を「見える化」せよ

僕は時間を管理するためには、まず「見える化」することが大切だと思っています。見える化して手触り感が生まれることで初めて管理しやすくなる

そこでめちゃくちゃ重要になってくるのが「紙の手帳」ということになります。(この記事で何が言いたいかが見えてきましたね……)

多くの人が時間管理をGoogleカレンダーなどデジタルツールでやっていると思いますが、紙の手帳というのは使う「目的」がGoogleカレンダーとはぜんぜん違います。

Googleカレンダーは、たしかに便利です。日々の予定を調整したり、アポを忘れないようにしたり。複数人で共有だってできる。できるんですが、それはただのスケジューリングであって、冒頭で述べたような「人生の戦略を立てる」というのとは違うんです。

スケジューリングというのは「仕事をいかにこなすか」という感じで、わりと「受け身」に近い。「次のミーティングをどこに入れよう?」とか「あの人とのランチはいつにしよう?」とか。降ってきた案件や仕事をどう処理するかを考えるとき、Googleカレンダーは便利です。

でも、必要なのは、もっと「能動的に」「戦略的に」時間の使い方を考えることです。そのときはやっぱり「紙の手帳」に向き合うのがいちばん効果的だと思うのです。

紙の手帳を使うことで、時間に手触り感が生まれます。そして、自分の人生の時間全体を手の上で見渡せるようになります。

Googleカレンダーだと1日の予定、もしくは1週間くらいの予定を把握するのが精一杯です。もちろん月間の予定もなんとなく把握はできるのですが、ちょっとぼんやりしてしまう。

それが紙の手帳になると、時間の感覚がハッキリするので、きちっと「この時間はこれをやるんだ」「 来週これがあるから、逆算して今これをやるべきなんだ」といった戦略策定がしやすくなります。

こうしてわりと強めに主張できるのも、僕自身が紙の手帳に向き合うことで人生をコントロールできてきたという経験があるから。だから、ここを偶然読んでいるみなさんにもやってみてほしいのです!

それは時間の「消費」か、「投資」か

紙の手帳を使うことで、時間に意識的になれる。すると、時間の「投資」というものができるようになります。

「消費と投資」という概念、これ、お金ではよく使いますよね。

無駄遣いをしちゃったりとか、暇つぶしにゲームに課金したり、粗悪品を買ったりしてしまうと、いわゆる「消費」(浪費?)になるわけですが、いいものを買ったり、価値の減らないものにお金を使えば、それはきちっと「資産」になって、いわゆる「投資」になるわけです。

これ、時間でも同じことが言えると思うんです。

ついついXを眺めてしまうとか、ついついNetflixを見てしまうとか(もちろん目的を持って見るのであればきちんと投資だと思いますが)暇つぶしとか癖や習慣で見てしまうのは、やっぱり「浪費」に近い「消費」になってしまう。そうではなく「この時間の使い方は後にリターンがあるのか?」「価値ある時間の使い方になっているのか?」 まあ、あまりに考えすぎるのも豊かじゃないですが、そう考えられるようになることで、ただ漫然と時間を使うのではなく「時間の投資」になっていくと思うわけです。

時間にレバレッジを効かせる

時間の投資ができるようになると何がいいかというと、時間に「レバレッジ」を効かせられるようになるということだと僕は思っています。

僕は特に独立してから、どの仕事をやるか迷ったとき「1回の時間の投資で複数のリターンがあるようなもの」を選ぶようになりました。「これをやることで、あれもできるし、こんなこともできるし、あれにもつながる」みたいな仕事です。

たとえば、手帳を自社で作ろうと思ったのも「自分が欲しい手帳が作れる」「売上になる」といったリターンの他に「多くの編集者とつながりができる」「ECの知見が手に入る」「編集者の会社としての知名度が上がる」などのリターンがいくつもあると思ったからです。

ひとつ仕事をやることで、いくつものリターンがある。一石X鳥になるので、実質的に時間が増えることにもつながります。

これは「受け身」のスケジューリングではダメです。やっぱり「攻め」の姿勢で、能動的に時間を使う必要がある。

そのためにも紙の手帳が大きな武器になるのです。

『〆切手帳』を1年使ってみて起きたこと

昨年「理想の手帳を作ろう」ということで『編集者のための〆切手帳』というものを作りました。

ここからは、この『〆切手帳』を1年使ってみてどんないいことが起きたかについて、つらつら書いていきたいと思います。

まずさんざん言ってきたように「時間をコントロールできるようになった」ということです。1週間は24時間×7日しかない。じゃあ、その時間を何に使うか? どこに投下するか? ということをこれまで以上に戦略的に考えてやれるようになりました。

あらゆる仕事が「前倒し」でできるようになったということもあります。

Googleカレンダーを使って「受け身」でスケジューリングしていると「あ、これやんなきゃ」「あれやんなきゃ」と慌てることばっかりで準備不足になりがちです。あまり準備ができてないまま打ち合わせに出ることになるので、打ち合わせのクオリティも下がってしまう。すると、リカバリーの時間が必要になるので、どんどん時間がなくなるという悪循環に陥ります。

でも『〆切手帳』があることで、この流れが逆になります。

つまり「来週、この打ち合わせがある。ならば、そこから逆算して、この時間を使って準備をしておこう」「再来週あの取材があるから、ここであの本を読んでおこう。質問を考えておこう」というように前倒しで物事が進むようになる。

きちっと準備ができるようになるので、打ち合わせや取材もうまくいく。打ち合わせや取材がうまくいくと、その後の仕事もスムーズに行くので、ポコっと時間ができたりもする。

前倒しで進むようになると仕事がうまくいくので、リカバリーの時間も必要なくなります。すると次にまた新しい仕事を入れることができるようにもなるわけです。

アーリースモールサクセス

僕が昔から意識している仕事のコツは「アーリースモールスサクセス」です。アーリースモールサクセスというのは、なるべく早い段階で、小さくてもいいから成功しておくと、その後が楽だよいう考え方です。

小さな成功がプロジェクトの早期にあると、仕事相手の信頼も獲得できますし、何より自分に自信がつきます。すると好循環に入って、あらゆるものがうまくいき始めます。(ちなみにこれは転職して新しい会社に入ったときにも有効です。)

小さくても成功しておくと「やればできるんだ!」と自信がつきますし、まわりからも「あの人はできそうだね」と信頼が得られる。すると、どんどんうまくいくようになります。

で、この「アーリースモールサクセス」を実現するうえでも、この『〆切手帳』というのは有効です。「1ヶ月後にプロジェクトが始まるから、今週はあれの準備をしておこう、来週は資料を読み込んでおこう」というように、全体感を把握しながら前倒しで動けるようになる。すると必然的にロケットスタートを切ることができ、プロジェクトはうまくいくはずです。

『〆切手帳』ってなんだよ、という人へ

さっきから『〆切手帳』って言ってますが「〆切手帳ってなんだよ」って人のために、少し説明します。

〆切手帳は、正式名称を『編集者のための〆切手帳』と言いまして、編集者である僕自身が〆切を守れるようになるために作った手帳です。2024年版は2000部作って、ほぼ自力で売って完売したのが自慢です。

2025年版はこちら!

まず特長として「人生の時間を"鳥の目"と"虫の目"で見ることができる」というのがあります。

手帳を開くと、冒頭に年間および月間のガントチャートが現われます。

年間のガントチャート
月別のガントチャート

まず、このガントチャートで、プロジェクトの全体像を把握することができます。

Googleカレンダーだと「1日単位」もしくは「1週間単位」でしか見ることができません。まあ、月別のカレンダーも見ることはできますが、ちょっと見にくい。〆切手帳であれば、まず1年を把握して、3ヶ月、1ヶ月という範囲で見ることができる。

いわば「鳥の目」で自分の人生を見て「じゃあ、何月にこれをやろう」「何月にはあれをやろう」みたいに広いところから逆算していくことができるわけです。

で、メインのコンテンツはこの「週間ページ」になります。

縦軸は1日のスケジュール、横軸はプロジェクトごと
1行の幅も広めだから書き込みやすい

特長としては、縦軸が「1日のスケジュール」、横軸が「やるべきプロジェクトのガントチャート」になっているということ。

スケジュールとガントチャートが一体になることで、いくつものプロジェクトをストレスなく進めることができるようになるというわけです。(ガントチャートいらないよ、という人はメモとして使ってもらってもOK。)

ブロックしてバーン! で仕事を粉砕する

具体的な使い方は、こんな感じです。

別にどう使ってもらってもいいのですが、僕の場合は他人との約束、いわゆるアポは「↓」で記入します。取材が13時からあったら、13に丸をして↓で引っ張るみたいな感じです。

重要なのが自分の作業もちゃんと「アポ」として入れる、ということです。上の例で言うと、8時半から12時までを四角で「ブロック」して取材準備をすることになっていますが、こうして自分の作業もきちっと記入することが大切なんです。

僕の会社、WORDSでよく言ってるのが「ブロックしてバーンしろ!」という言葉です。

仕事をストレスなく進めるために大切なのが「迷わない」ってことだと思うんです。

仕事でストレスがかかっている状況って何かに迷ってませんか? つまり「今って何をやるべきなんだろう?」「いちおうこれやってるけど、それでいいのかな?」 そうやって迷ってる状態ってすごくストレスフルなんですね。

でも、思い出してみてください。

何かに集中してるときってあんまりストレスがないですよね? やることが決まっていて、ゴールも見えていて、そこに向かってひたすら階段を登っていく。その間は作業としては大変なこともありますが、ほぼストレスはない。むしろ、迷って何もしてないときのほうがストレスなんです。

てことは、この迷う時間を減らすというのが非常に重要なわけです。

僕は「◯時から◯時まで」を手帳で「ブロック」して「この原稿をやるぞ」と決めます。たとえば、夕方3時から5時の2時間をブロックしてA さんの原稿整理をやります、みたいに。まず時間の枠を視覚的にブロックして、その中で何をやるかを明確に決め、決めたらもうそれ以外はやらないことで、確実に仕事は前に進みます。

これが以前も書いたブロックしてバーン! 仕事術で、これをやるうえでも『〆切手帳』は大いに武器になります。

「自分とのアポ」を「他人とのアポ」と同じくらい厳密に守る

ここで大切なのが、自分との約束・自分とのアポをきちんと守るということ。「この2時間はこれをやる」と決めたら、それだけをやるのです。

逆に言えば「いや待てよ、あれもやらなきゃ」とならないためにもきちっと時間の使い方の戦略を立てておく必要があるということになります。

自分とのアポも他人とのアポぐらい厳密に守ることです。

思えば、他人と会っているときに他のことはあまり考えられないですよね? 佐藤さんと会っているときに鈴木さんのことは考えにくい。それと同じように「これをやろう」と決めたら、他のことをやったり、考えたりしてはいけないのです。

(他のことを考えないためにも、当該資料のみを携えて、スマホも持たずに喫茶店にこもる、みたいなことを僕はときどきやります。)

「ブロックしてバーン」するときは、他人とのアポであるかのように自分とアポを取ってそれだけをやるというのが、ストレスなく効率的に仕事を進めるコツなのです。

副業も、リスキリングも、うまくいく

結局、人間「マルチタスク」というのは厳密には無理です。

2つのことをまったく同時に考えるなんてことは特殊能力がない限り無理。誰しもひとつの時間にひとつのことしかできません。同じ時間には1個のことしかできないのです。

でも人は、本業をしながら「副業もやれたらいいな」と思いがちです。日曜にのんびりしながらも「英語くらい身につけたほうがいいかな」と思いがちです。目の前の短期的な仕事もやりたいし、長期的に考えれば副業とか英語の勉強とかもやっておきたい。

そういうときも、この手帳は役に立ちます。

僕自身、やるべきクライアントワークをやりながら、長期的なプロジェクトである手帳だったり、出版のプロジェクトを進めることができています。それは手帳で時間を把握し的確にリソース配分しているからです。

長期のプロジェクトと短期のプロジェクトを「同時に」やることは無理ですが、1ブロックごとに「この時間を何に使うべきか」を熟考し、着実にこなしていくことで、結果的に短期的な仕事と中長期的なプロジェクトをバランスよくきちっと前に進めることができるのです。

「〆切が完成」

『〆切手帳』は極力〆切を守れるように設計したつもりですが、やっぱり最後は意志です(笑)。

〆切を守るぞ、という意志が大切。そして、その意志を高めるためにも『〆切手帳』を使うことが有効なのです。

グラフィックデザイナーの仲條正義さんは「締め切りが完成である」とおっしゃったそうです。クリエイティブな仕事をしている人は特に「完璧になったらアウトプットしよう」とか「いいものができたら出そう」などと思いがちです。

でも、その考え方は非常に危険。

ずるずると時間を使ってしまいますし、なんなら世に出ない可能性だってあります。

〆切を決めたら、〆切の時点でできているものが「完成」なのです。 だからこそ〆切に向かって、できる限り最高のものを作り上げていく。その意識が大切なのだと思います。

まず〆切を決める。そして、〆切までにやりきる。『〆切手帳』を隣に置きながら、その意識で時間を使ってほしいと思っています。

人生に「〆切」があるから

なぜ、〆切が重要なのか?

それはやっぱり「人生に〆切があるから」ということになるのだと思います。寿命の長い人は90歳100歳まで生きるかもしれませんが、平均的には70歳か80歳くらいでしょう。

誰しも、寿命という「〆切」がやってくる。その限られた何十年かの中ででやりたいことをやりきる。そして、なるべく後悔しないように死ぬ。それがいちばん大事なのかなと思うわけです。

だからこそ、冒頭の話に戻りますが、自分の人生の時間というリソースをいかに配分するかというのを真剣に考えた方がいいのです。

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……そして、2025年を本気の年にしたい、2025年を後悔して生きたくない。というのであれば『編集者のための〆切手帳』を相棒にすることを強くオススメいたします。 


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