書評『14歳からのアンチワーク哲学 なぜ僕らは働きたくないのか?』
えー、お久しぶりです。モテアマス本を作る作業、初めての経験の連続で大変なことが多いですが、前に進んでいます。
今回は書評です。
『14歳からのアンチワーク哲学 なぜ僕らは働きたくないのか?』
著 ホモ・ネーモ
どんな本かざっくり言うと、
「ベーシックインカムが導入されて世の中の大部分の人がつらい仕事を辞めまくっても社会は崩壊しないよ。」
こんな感じの事が書いてあります。
ベーシックインカムの解説本は難しい言葉で書いてあるものが多いですが本書は14歳からのアンチワーク哲学を名乗るだけあって図書館のヤングコーナーの本みたいなテンションで書いてあって読みやすくなる工夫がされています。
ヤングコーナーに置いてある「世の中の仕組み」みたいな本、小学校高学年から中学生向けに書かれた本って、やさしい言葉と美辞麗句を使いながら「特別な才能を持っていない人はレールに乗って生きないと負け組になるよ。」みたいな感じの事が書いてあります。
文章自体は「君たちは若い、生き方は無限にある。」と言いつつ、読み終わると「でも特別な才能のない僕はレールに乗った生き方をするしかないのかな?」といった気持ちになります。
本書はおじさんと若者の対話形式で「ブルシットジョブを誰もやらなくても誰も困らないよ。」と説いていて挑戦的な作りになってます。
即ゴミ箱行きのチラシをポストに入れる仕事、営業電話をひたすらかけまくる仕事、ほとんど重要なことが決まらないで1時間の予定がずるずる伸びる会議、大体の大人はこんな感じの仕事をして「この仕事辞めても誰も困らないよね?何のために生きてるんだろう?」という感覚になることが一度はあります。だからといってやめられる人は残念ながら少数派です。なぜやめられないか?給料というエサで飼いならされてしまったから。
この仕事必要ねえな。ブロイラーみたいな人生はイヤだな。なんで科学技術がこんなに発達しているのに人間は苦労して働いているんだ?IT技術のせいで余計な仕事が増えてる。
こんな考えのできる人はそう簡単に労働で死にません。人生も犠牲にしません。アンチワーク哲学は免疫をつける考え方で大人になって読んで本来の姿を取り戻すきっかけにしても良いし、これから労働する14歳が読んで労働(学生の場合だと受験勉強とか内申点稼ぎとかも含めて)に人生を奪われない免疫になる本です。あとシンプルに「働きたくない。」を知的に主張する時のタネ本としてもも便利です。