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【体質改善のカギ】は虚実のバランスにあり!健康を整える【東洋医学の知恵】

体の不調にはさまざまな原因がありますが、その中でも「体のバランス」が崩れることは重要な要因のひとつです。
東洋医学では、このバランスを「虚」と「実」という概念で捉えています。
(陰と陽という重要な概念もございますが、今回の記事では割愛させていただきます。)
これらを理解することで、自分の体調を見直し、不調の原因を特定しやすくなります。

今回は、虚と実とは何か、そのバランスが崩れたときに現れる症状や、対策について詳しく解説します。
ぜひ、日々の健康管理に役立ててください。

本題に入る前に、少しだけ自己紹介をさせていただきます。

令和3年から京都市内で癒しマッサージ鍼灸院を運営。

では、本題へ進みましょう。


1. 虚実とは

「虚(きょ)」と「実(じつ)」は、東洋医学における体のエネルギーの状態を表す言葉です。
このエネルギーは「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という3つの要素に分類されます。

この記事でいうエネルギーとは、体を動かす力や健康を支える基盤である「気・血・水」のこと。元気、栄養、水分の巡りが体調を左右します。

気・血・水とは?

  • :体のエネルギーそのもの。全身の活動を支え、体温や代謝、免疫などに関わる重要な働きをしています。

  • :体内を巡る血液や栄養のようなもの。全身に酸素や栄養を届け、体をうるおす役割があります。

  • :血液以外の体液、例えばリンパ液や汗、唾液など。体をうるおし、老廃物を排出するのを助けます。

虚とは?

虚は、「体のエネルギーが不足している状態」を指します。
例えば、スマートフォンのバッテリーが残り10%を切ると動きが遅くなったり、省電力モードに切り替わったりしますよね。
それと同じように、体の中の「気・血・水」が足りなくなると、全身が省エネ状態に入ります。
その結果、「疲れが取れない」「風邪をひきやすい」「手足が冷えてつらい」といった症状が現れます。

実とは?

一方、実は「エネルギーが過剰に滞っている状態」を指します。
たとえば、通勤ラッシュ時の電車をイメージしてください。
人が多すぎて動きたいのに動けない。
これが、体内で「気・血・水」がスムーズに流れず、溜まりすぎた状態です。
その結果、肩や首がこり固まる、胃が重く感じる、ストレスで頭が詰まったように感じる、といった症状が現れます。

2. 虚実の身近な例

虚と実のバランスが崩れると、日常生活にさまざまな影響を与えます。
以下は、具体的な例です。

虚の例

  1. 忙しすぎてエネルギー切れ
    長時間働きすぎて睡眠が不足し、朝起きたときに疲れが抜けない。
    「コーヒーがないと動けない」状態に陥る。

  2. 冷えによる慢性的なだるさ
    寒い部屋で長時間過ごし、手足が冷えて動きたくなくなる。
    体全体が重だるく、ちょっとした動作も面倒に感じる。

  3. 食事の栄養不足での疲労感
    ダイエットや食事抜きが続いて、体が軽いどころかエネルギー不足に。
    ふらつきや息切れを感じることもある。

実の例

  1. デスクワークの肩こり・頭痛
    長時間パソコンの前で集中しすぎた結果、肩や首がガチガチ。
    しまいには頭痛がして、作業がはかどらない。

  2. 暴飲暴食による胃の不調
    パーティーや会食で食べすぎて、胃がもたれたまま朝を迎える。
    「胸がつかえて苦しい」状態が続く。

  3. ストレスによる体の張り
    緊張状態が続き、背中や腰が張って痛む。
    「なんだかイライラして、体も心もリラックスできない」という状態になる。

これらの例は、虚は「不足」、実は「滞り」という性質を持っていることを示しています。
身近な体調の変化に気づくことで、早めの対策が取れるようになります。
この後は、虚と実が過剰になった場合の症状や対策について見ていきましょう。

3. 虚が過剰になると起こる症状、原因、対策

症状

虚が過剰になると、以下のような症状が現れます。

  • めまいや立ちくらみ

  • 疲れやすい、気力が湧かない

  • 手足が冷たく、冷えを感じる

  • 病気にかかりやすく、治りが遅い

原因

  • の不足:過剰なストレスや睡眠不足。

  • の不足:栄養不足や過度なダイエット。

  • の不足:脱水や長時間の空調使用による乾燥。

対策

  1. 食事を整える

    • 体を温める食材を積極的に摂る(しょうが、にんじん、かぼちゃなど)。

    • 栄養バランスの取れた食事を心がける。

  2. 適度な運動をする

    • 軽いウォーキングや体操をすることでエネルギーを補い、巡らせる。

  3. 休養を取る

    • 十分な睡眠を確保し、疲れをためないようにする。

4. 実が過剰になると起こる症状、原因、対策

症状

実が過剰になると、以下のような症状が現れます。

  • 息苦しさや動悸

  • 胃の張りや胸のつかえ感

  • イライラや精神的な緊張

  • 肩こりや頭痛、特に締め付けられるような痛み

原因

  • の滞り:ストレスの溜め過ぎ、感情を抑える。

  • の滞り:長時間同じ姿勢を続けること。

  • の滞り:過剰な水分摂取。

対策

  1. 筋肉をほぐす

    • 息切れするくらいの強度で走る。

    • 温かいお風呂に浸かり、血流を良くする。

  2. ストレスを軽減する

    • 深呼吸や瞑想を取り入れてリラックスする。

    • 趣味や好きなことをする時間を作る。

  3. 食事を見直す

    • 消化に良い食事を心がけ、腹八分目を意識する。

    • 冷たい飲み物を控え、温かいお茶などを飲む。

5. 鍼灸マッサージ院でできること

鍼灸やマッサージは、虚実のバランスを整えるために非常に効果的な方法です。
鍼灸は、体のエネルギーの流れを整え、滞りを解消したり、不足しているエネルギーを補うことができます。
特に、冷えや疲れ、免疫力の低下などの「虚」の症状には、エネルギーを補充する効果があります。

一方、マッサージや指圧は、筋肉の緊張をほぐし、血流を改善することで「実」の症状を解消します。
肩こりや腰痛、消化不良など、体の中で滞りが生じている場合に効果的です。

当院で施術によく使用するツボを写真とともにご紹介いたします。
写真下の説明文は一例です。

寝不足で腰がだるい方にはお灸をします
過労でうつ傾向の方にはマッサージをします
食べ過ぎて胃がムカムカする方には鍼をします
イライラして頭が痛い方には強めのマッサージをします

 まとめ

「虚」と「実」のバランスが崩れることで体調に不調が現れることがわかりました。
体内の気・血・水のエネルギーの流れを理解し、必要に応じて不足している部分を補い、滞っている部分を改善することが重要です。
生活習慣を見直し、食事や運動を整えることも大切ですが、鍼灸やマッサージといった専門的な療法を取り入れることで、より効果的に体のバランスを整えることができます。

もし不調が続く場合は、専門家に相談し、適切な治療を受けることをおすすめします。

今回の記事はこれで終了です。
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