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自#010|人間の能力は、一次関数のように伸びて行くものではありません(自由note)

 昨日のPM5:30から、筋肉痛で歩けないくらい足首も膝も太股も痛かったんですが、玉川上水沿いを走りました。走れている状態ではなかったです。気持ちは走っていても、実態は痛い足を引きずりながら、やや小走りで歩いていただけです。40分で終了する予定のメニューですが、70分かかってしまいました。雨も降っていて、玉川上水沿いの遊歩道は、そこかしこ水びたしだったので、久々に極限の試練を体験した思いがしました。自宅まで帰り着いても、ガッツポーズをする余裕もなく(そもそも、ガッツポーズなどしたたことがないので、どういうポーズを取ればいいのか、解りません)手すりを掴んで、それをたぐり寄せるようにして階段を上がり、玄関に到着しました。が、この日の夜は、足が釣ることもなく、とんでもなく疲れていたので、熟睡できました。

 翌日、まあ足は普通に痛いんですが、結構、気分は爽快でした。ランニングの最初の壁は越えたと感じました。この後、距離を延ばし、speedを上げて行けば、次の壁が来ると思います。が、次の壁を越せば、またone stage、上に行けます。

 別段、ランニングに限りません。すべて、理屈は同じです。人間の能力は、一次関数のようなまっすぐな直線で、右肩上がりに伸びて行くものではありません。いくら頑張っても、まったく伸びない時期が長く続き、もう本当に泣きたくなるほど辛くて、投げ出したいと気持ち的にも追い込まれて、そこに、達成できそうにない高い壁が立ち塞がって、無理やり、自分を騙し、その壁にchallengeして、カツカツと云った感じで、それを乗り越えた時に、視野は大きく広がります。

 ランニングは、明らかに私の苦手科目です。が、苦手科目と云うのは、一気に偏差値がupします。古文・漢文が苦手な人とか、いると思います。問題が全然解らなくて、半分くらいは鉛筆を転がして、偏差値が30とか35とか。古文・漢文の両方を合わせて、2ヶ月も本気で取り組めば、偏差値は一気に65を超えます。苦手科目と云うのは、費用対効果がすぐれているんです。教材は、スタディサプリでも、クラッシーでも、予備校のビデオ教材でも、何でも構いません。学習のコツは、短期間に一気に仕上げることです。

 ランニングに関しては、5、6年前に、一度、予習をしたことがあります。前の学校の図書室の先生が、「本の森」と云う先生方の書評を集めたものを、毎年、作成されていました。私は、苦手科目のランニングについて、三浦しをんさんの「風が強く吹いている」を読んで、書きました。往路の四区の海岸沿いの風の冷たさとか、最後の箱根の上りの呼吸困難になりそうな辛さとかを、それとなく感じ取りました。昨日、足を引きずりながら走っていて、「箱根の山の上りより、これ全然、楽っしょ」と、自分を励ましながら、ゆるゆる進んでいました。

 6、7年前に、アキレス腱を切った時、3ヶ月間、左足にギブスを嵌めて、松葉杖で学校に通っていました。実は、1ヶ月半経過した時、整形外科の先生が、いったんギブスを切断してくれたんですが、アキレス腱はうっすーくしか、ついてなくて、もう一度、ギブスを嵌められて、1ヶ月半、延長になったんです。3ヶ月間、松葉杖生活をして、ものすごく腕の筋肉がつきました。ある日、ヤマハの115Vのスピーカーを机の上に乗せたんですが、まるで、空の段ボール箱のように、ひょいと持ち上がりました。このまま、足が治らないとしても、充分に暮らして行けると云う自信すら持ちました。唯一、辛かったのは、ギブスを嵌めた左足がかゆくなった時です。「隔靴掻痒」とかのレベルじゃないです。体育系部活出身の昔、アキレス腱を切ったことのある教え子が、「細い棒を、膝のとこから差し込んで掻けばいいですよ」とアドバイスしてくれました。一度、物差しを使ってやってみたんですが、かゆいところには届きませんでした。かゆみが襲って来たら、ひたすら我慢すると云うことを学習しました。

 何事も、経験したことは無駄にはなりません。私も人並みに花粉症です。今日はまだ、花粉が飛んでいます。朝、起きて顔を洗う時、つい勢いで、目を掻いてしまいます。目の裏がどろどろになってるんじゃないかと思ってしまうくらい、掻いちゃう時もあります。この後は、超ド級に目がかゆいんですが、ギブス時代にかゆさを我慢して訓練をしたお陰で、耐えられます。病院に行って薬を貰うとかって、私に言わせると、邪道です。薬は治してくれるわけではありません。症状を抑えるだけです。だったら、我慢した方が、手っ取り早いと思ってしまいます。

 自宅に何故か、ダンベルがあります。家のことを、ほとんど何もせず、学校の仕事ばかりしていた私は、いつ誰があのダンベルを買って、使っていたのか知りません。ぬいぐるみを並べてある棚の下に、ダンベルの銀色が光っています。あれを使うと、筋肉つくかもと思わなくもないです。が、生兵法は大怪我のもとと云う言葉もあります。実は、来年の3月にOB会ライブ&1年遅れの卒コンがあります。ここ5、6年、私はライブでバッキングなどは、全然、やってないんです。それは、腕の力がなくなったからです。バッキングをすると、翌日、肩が上がらなくなって、黒板に字が書けなくなります。が、ダンベルで、腕の筋肉を鍛えておけば、時計を20年くらい巻き戻した感じになって、最前列で、ガンガン、バッキングがやれそうな気がします。来年のライブで、power upした姿を、教え子たちに見せたいと云う皮算用です。

 埼玉に住んでいる教え子が、紅茶を送って来てくれました。ダージリンなんですが、ドイツでブレンドしています。ミルクティにすると、キャラメルのように、すーっと口の中で、なめらかに溶けて行くような感じがします。値段がいくらなのかは解りません。が、普段、私が飲んでいる安物のティーパックとは、較べものにならないくらい高い筈です。その昔、私は、100グラム4000円のダージリンを飲んでいました。ある時、紅茶の味が違っているので、輸入代理店に文句をつけたことがあります。代理店から
「今回のは400メートル北側の農園のダージリンでした。申し訳ありません」と、詫び状が届きました。私は、ダージリンに関して、「King of 通」と言えるレベルに到達していたんです。そこから、安物のティーパックに下って来るのは、苦労しました。が、I did it !、やり遂げました。ドイツ製の高い紅茶を飲んで、贅沢に慣れたら困ります。と云うことで、ドイツ製と安物とを、一日おきに飲んでいます。

 紅茶を送ってくれた彼女から、オリジナルのイラスト入りのお洒落な絵はがきが届いて、最後に、「家族水いらず enjoy」と書いてくれていました。家族サービスを、ほとんど何もして来なかった、私のファミリーでの地位は、大変、微妙です。
「何で、お父さん、ずっと家にいるの? まあでも、緊急事態宣言が出てるから、しょうがないか」みたいな感じです。

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