スポーツ施設のバリューアップの重要性
日本には約18万ヶ所のスポーツ施設があります。
スポーツ施設は分類すると学校の施設、公共施設、民間施設の3つに別れます。最も多いのは学校の施設です。一部民間に開放していますが、学校の施設は所有は学校法人であり、その維持、運営費は生徒たちの学費なので経営難になることはありません。コロナの影響を受けたのは公共・民間スポーツ施設でかなり厳しい状況になっています。
スポーツを「する」にしても「みる」にしてもスポーツ施設の存在なくしてスポーツはできないのでスポーツビジネスの成功において、スポーツ施設の存在は非常に大きいです。
これまで、スポーツ施設は場所を大会や練習、自由度の高いスポーツをする場として場所を貸し出してきました。公共施設であればグラウンドや体育館を「どうぞ、サッカーやバスケしてください」、民間施設であればトレーニングマシーンを多数配置し「ご自身でトレーニングして下さい」といった場所と機能を貸し出すモデルが多く存在しました。
共通するのは”場と機能”を提供するだけで、その範囲内でユーザー側に自由度があり、それ以上の付加価値はないということです。ビジネスモデルとしては初期コスト(設備など)の回収のために運用コストを低くして安価で提供するモデルでした。
しかし、これでは人口が少ないエリアでは稼働率が上がらない、稼働しているが安価のため、赤字経営なんてところは沢山あります。そして新型コロナの影響によってその追い討ちをかけるように赤字になり、上手くいっていたところですら経営難になってしまいました。
プロスポーツ施設も競技専用アリーナやスタジアムといったものを建設構想が各地方で行われています。それは「する」ための”場と機能”だった施設を「みる」ためのもに特化させた施設を日本中に増やそうという話だ。
しかし、試合当日や前後の準備撤収、イベント等を含めても最も試合数の多い野球で70日、バスケで約40日、サッカーで約25日ほどと少ないです。競技専用だと類似の競技以外では使えず他の競技用として使うには難しさもあります。音楽ライブや他のイベントだったとしてもそれ用に作ってはいないので難易度の高さは変わりありません。実際、沖縄にできたバスケ専用の沖縄アリーナの運営責任者は300日分をどう埋めるかについて常に考えないといけないし、音楽ライブにしては不向きな部分もあると話していました。
これからの時代のスポーツ施設は目的が「する」にしても「みる」にしても、その施設がその地域のコミュニティの場であり、人が繋がる場所であり、そこでしか体験できない価値提供ができる場であることが必要な時代に突入したと思っています。
そして、忘れてはいけないのは持続可能であるということです。使う側が使いやすいUIUXの設計、働く側が理想的に働きやすい環境と仕組み、それが施設の結果(売上/利益)に現れ、より良い”場と機能”にするために投資されるシステムが必要です。
スポーツ界の『星野リゾート』が必要?
星野リゾートは圧倒的非日常感を追求した日本発のラグジュアリーホテルを運営する会社です。通常のホテル企業のビジネスモデルでは新規ホテルを建設し、所有し、運営をして収益を上げていますが、星野リゾートはリゾートの運営のみに特化しています。
星野リゾート運営事業は、独自の顧客満足度の向上から収益を確保する独自モデルを活用して、2004年に北海道のトマムリゾートの再生に成功したことを皮切りにリゾートの再生事業にも進出、星野リゾート・リート投資法人はを設立し、リート上での再建したリゾートの売却による資金調達を可能にしただけでなく、一般の投資家が自由に投資できる環境を構築しました。
なぜこの星野リゾートモデルがスポーツに必要なのか?ホテルとは違う面もあるので全く同じは難しいですが、運営特化と資金調達の仕組み、それによるバリューアップこと日本のスポーツ施設において重要だと言えます。
運営のみに特化した会社と再生(バリューアップ)事業がこれからのスポーツ業界、スポーツ施設に必要です。その理由は、多くのスポーツ施設が経営難になってしまったことと、それらの施設は”場と機能”の提供の仕方を間違えているところが多く、その地域のコミュニティの場になっておらず、人が繋がる場所でもなく、そこでしか体験できない価値提供ができていないからです。
日本のスポーツ施設は大きく以下のように分類されると思っています。
場所を貸し出すだけの施設やビシネスはテクノロジーが発展し、無人で効率化が徹底されて無駄なコストを削減し、低価格競走になっていくでしょう。最もユーザーにとって使いやすいUIUXを設計した企業が勝ち残り、
機能を効率的に使いたい「機能性に特化した無人のスポーツ施設」と人の繋がりやコミュニティを大切にした「属人的な機能と価値を持ったスポーツ施設」に分かれていくと思っています。この動きは他の業界でも既に進んでいて、テクノロジーの発展でますます加速すると思われます。
スポーツ施設で実施する際に大事なことは、文字通りバリューアップとは「価値を上げる」ことを指しますので時代の流れに合わない施設、経年劣化した施設では利用者にとっての魅力が大きく下がってしまいます。
公共施設である約90坪のスポーツ施設は、元々は会員40人、月売上30万円程度でした。さらにコロナでより厳しい状況に陥りました。弊社が運営を引き継いだ時に、コロナ禍でしたが1年で(緊急事態宣言による2ヶ月の営業停止含む)会員は300人を超え新規会員の募集を辞め、月売上は320万と10倍になりました。
もう一度魅力的なものにするために施設の価値を上げる方法として初期コストを抑えつつ、コンセプトを変え雰囲気もコンセプトに合わせて刷新し、運営側も働きやすく、働きたくなる理想的な環境を決めてプロデュースしました。また、全く違う業界と共業で0→1でプロデュースもしています。
面倒なことしなくてもFC(フランチャイズ)展開して、誰でもできる仕組み、初期費用もオーナーのコロナ関連助成金にしたらいいと言われたこともありますし、それの方が儲かるかもしれません。クライアント側のオーナーがそれを求めていたらその対応はする可能性があるかもしれません。
しかし、それをしない理由は「機能性に特化した無人のスポーツ施設」と「属人的な機能と価値を持ったスポーツ施設」の二極化をしていく中で、後者の施設を増やしていくことは雇用を生むだけでなく、業界の発展とボトルネックの解決に寄与し、ユーザーの本質的な改善とパフォーマンス向上に繋がります。エリアや施設ごとに周囲状況や強みもあまりに違う中で、持続可能な運営をしていくには、周囲環境の変化に適応できて、付加価値を生み出さないと生存できません。
私たちは弊社の運営するプラットフォームに集まるスポーツ専門職の人たちと、個々のスキルノウハウを最大限活用し、相乗効果を生み、全国、世界(特にアジア)のスポーツ施設のバリューアップをしていきます。
公共施設(指定管理対象施設など)民間施設(ジムなど)学校施設(学校の施設やスポーツ寮)を国内でスポーツ施設1000ヶ所のバリューアップを実施していきます。競技アスリート、フィットネス、子供の育成環境、高齢者向けの運動指導、それぞれ地域のニーズや目的に沿って施設をプロデュースしていきます。施設の先に、その施設を利用するスポーツクラブ、スクール、チームのバリューアップもしていきます。
運営(ソフト)に特化したAscendersが、個人ではないが人に依存したやり方で、施設(ハード)のバリューアップを通じて日本のスポーツ界をさらに発展させていきたいと思います。これは弊社しかできないという思っています。
自分にしか発信できない、スポーツに関わる全ての方にとって役立つ情報をGiveし続けたいと思います。