皆が暮らしていける作法
おはようございます。
昔の骨董組合の競りの仕組みです。
養老孟子さんが、
美術評論家の高階秀爾さんに
聞いた話として紹介しています。
そこでの競りは茶碗の内側に金額を書きます。
最初は、最高値と最安値を取り除きます。
異常値を取り除くことになります。
残った茶碗を放り投げ、
上を向いた茶碗を取り除き、
また投げるのを繰り返し、
最後まで下を向いていた茶碗の主が
落札者となります。
ランダムの世界で、
野球のドラフトでのくじ引きのように、
骨董商の均衡を図ります。
ただし、その落札者と他の骨董商が
相対で取引をするのは認められています。
市場経済が保障されているわけです。
総じていうと管理された市場経済です。
なるほどと思います。
猟師のマタギの世界にも
マタギ勘定というものがあるようです。
獲物を捕ると、
仕留めた人も、わなを仕掛けた人も、
見張りをしていた人も、
その日猟に参加していなかった人も
全員が均等に肉を分け合うそうです。
仕留めた人には、
少しご褒美があったかもしれません。
いずれにしても、
皆が暮らしていくことを前提とする
共同体でのやり方は参考になります。
デジタル業界では
winner takes allと言われたり、
選挙に勝つと勝ったものだけの政治をしたり、
考えが違うと戦争を仕掛けたりと
新陳代謝、弱肉強食の世界が目に付きます。
少しは、共同体の作法を学ぶ時間があっても
よさそうなものです。
今日もよろしくお願いします。
安島