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MBA取得を考えている人に伝えたい事

皆さん、こんにちは。
働きながら、国内MBAに通学し今年の3月に卒業予定のtです。
もともと、Noteに何かを投稿するタイプではないのですが、
早稲田MBAで2年間学び、考えた事/感じた事を記載します。

MBAを取ることを一度でも検討した事がある人は、ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。


① MBA取得を考えた経緯

2020年3月。コロナ禍で世界が止まったとき、私も自分の人生に思い悩んでいました。
社会人2年目の終わり。就職活動で内定を得たときの高揚感とは裏腹に、入社後は思うように活躍できず、「このままでいいのか?」という漠然とした不安を抱えていました。

「仕事を覚えてきたが、本当にこれが自分の望んでいる姿なのか?」
「将来、今の延長線上に満足できる未来があるのか?」

そんな疑問を抱えながらも、日々の業務をこなすことに精一杯でした。
そこで、「まずは何かを変えよう」と考えました。自己啓発として資格を取り、読書を続けました。
簿記、ITパスポート、ファイナンシャルプランナー……
2018年に入社してから2年間で8〜9個の資格を取得しました。
しかし、それでも満たされませんでした。

知識を増やしても、「自分は何者なのか?」という問いには答えられなかったのです。そんなとき、「MBA」という選択肢が目に入りました。

「これなら、本当に自分を変えられるかもしれない」

明確な理由はまだありませんでしたが、挑戦する価値はあると感じました。
何者かになりたいなら、動くしかない。そう思い、MBAを目指すことにしました。


② MBAの中で早稲田を選んだ理由

MBAには、大きく分けて

  • 海外MBA

  • 国内MBA
    の選択肢があります。

海外MBAには、スタンフォードやハーバードなど世界のトップスクールがあります。しかし、自分の能力では合格できるイメージが持てませんでしたし、仕事を辞めて留学するのは現実的ではありませんでした。
国内MBAでは、

  • 昼間のプログラム(慶應義塾大学・京都大学など)

  • 夜間のプログラム(一橋大学・早稲田大学など)
    があります。

昼間のMBAは、平日昼のプログラムであるため、退職をしてから入学します。この選択肢も難しいと感じました。そこで、仕事と両立できる夜間MBAに絞りました。そして、「知名度があり、学生のレベルも高い」と考え、早稲田と一橋を候補にしました。
2021年に早稲田の入試要項を見たとき、筆記試験がなく、エッセイと面接だけで合否が決まると知りました。試験勉強せずに受けられるなら、チャレンジする価値があると考え、まずは早稲田に狙いを定めました。


③ 早稲田を受験

2021年、不合格でした。
人生、そう簡単にはいきませんね。。。
「エッセイが通らなかった。でも、本気で準備したわけでもないし……」
そんな、言い訳めいた気持ちのまま、同時期に転職した仕事に没頭していました。MBAのことは、少し頭の片隅に追いやっていたのです。

しかし、2022年10月。「そういえば、また受験の時期か。転職して1年経ったな」とふと思い出し、早稲田の受験要項を確認しました。
「コロナの影響で昨年まで廃止されていた筆記試験が復活します。」
普通なら、「試験が増えたのか、面倒だな」と思うかもしれません。
でも、私は逆に「これはチャンスかもしれない」と感じました。
昨年は筆記試験がなかったため、倍率が5〜6倍に跳ね上がっていました。
しかし、筆記試験があるなら、むしろライバルが減るはずだと考えました。

「やるなら、今回は本気で」

過去問を7年分解き、関連する書籍や論文を5冊ほど読み込みました。
結果、筆記試験では「従業員の満足度と企業の売上の関係」を論じる問題が出題され、事前に勉強した知識を活かして書くことができ、手応えのある出来でした。

筆記試験の合格連絡が来た後は、イケイケドンドンのまま面接にも臨み、面接も乗り切る事ができ、合格できました。

合格通知が来た時は、とても嬉しかったのを今でも覚えています。


④ 早稲田MBAで得たもの

MBAに入学する前、私は「MBA=知識を得る所」だと思っていました。
しかし、2年間を経て気づいたのは、MBAは知識をいれたうえで、「考える力」と「挑戦する環境」を得る場だったということです。

この2年間で学んだことは数え切れませんが、特に「生産性資産」「活力資産」「変身資産」という3つの視点で振り返ることで、MBAの価値を整理できると感じています。


1. 生産性資産(スキル・知識・人脈)

生産性資産とは、仕事で成果を出すためのスキルや知識、ネットワークのことです。

 得た資産:体系的な知識
MBAでは、アカウンティング、ファイナンス、経営戦略、マーケティング、人材戦略、グローバル経営、管理会計など、経営に関する幅広い科目を学びました。

  • ファイナンスの視点:「この事業は投資対効果が見合うのか?」

  • マーケティングの視点:「この市場でどう競争優位性を築くのか?」

  • 組織戦略の視点:「人材をどう活用し、成果を最大化するのか?」

様々な科目を学び、複眼的な視点を持つことで、ビジネスの意思決定がより立体的に考えられるようになりました。
特にファイナンスやアカウンティングは、これまで避けてきた分野でした。しかし、MBAでは「学ばざるを得ない環境」が整っており、苦手な分野とも向き合うことができました。これは、独学では絶対に得られなかった経験です。


 得た資産:実践型の学び
MBAの学びは、単なる座学ではなく、実際のビジネスシーンに応用できるものばかりでした。
例えば、授業ではケーススタディが頻繁に行われました。実際の企業の経営課題をもとに、

  • 「あなたがCEOだったらどう意思決定するか?」

  • 「この企業の競争優位性をどう強化するか?」
    といった議論を繰り返しました。

その中で気づいたのは、ビジネスに「正解」はないということです。
同じケースでも、ファイナンスの視点・マーケティングの視点・人材戦略の視点など、どこに焦点を当てるかで結論が変わるのです。
「どう考え、どう説明するか」が重要なのだと実感しました。


 得た資産:人脈の広がり
MBAでは、業界・職種・年齢が異なる多様な仲間と出会いました。
私の職場では20代が中心でしたが、MBAでは30代・40代のベテラン社会人や、起業経験者、海外駐在経験者など、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちがいました。
授業のディスカッションを通じて、異なる業界の視点を学べたことは大きな財産です。
また、MBAは単なる「勉強の場」ではなく、お互いに刺激を与え合うコミュニティでもありました。


2. 活力資産(人間関係)

活力資産とは、健康や良好な人間関係、仕事以外の充実を指します。

 得た資産:同級生との出会い
MBAでは、「努力が当たり前」の環境に身を置くことになりました。
夜間のMBAなので、全員が仕事を持ちながら、平日夜(19時〜22時)と土曜日(10時半〜20時半)を勉強に費やしていました。
そんな環境にいると、自然と「自分ももっと頑張らなければ」と思えます。
グループワークでは、議論を深める力、ロジカルに説明する力を鍛えられました。


 得た資産:プライベートでの繋がり
学業以外の場面でも、貴重な経験がありました。
年末年始に友人とランチに行く、早慶戦を一緒に観戦する、花火大会を楽しむ
こうした時間は、久しぶりに学生のような気分を味わうことができました。
これらの経験を通じて、ただ学ぶだけでなく、人との繋がりが人生を豊かにすることを再認識しました。


3. 変身資産(新しい挑戦への適応力)

変身資産とは、新しいことに挑戦する力や、変化に適応する能力を指します。
 
得た資産:挑戦する勇気
MBAに入る前は、「起業や新規事業に挑戦するのは一部の特別な人だけ」だと思っていました。
しかし、**MBAの環境では、挑戦することが「普通」**でした。

  • 20代で事業承継し、社長になった人

  • 起業し、上場させた後も新規事業を立ち上げた人

  • 大企業の中で新規事業の立ち上げに奔走する人

  • MBAに通いながら、妊娠・子育てを両立する人

私自身も影響を受け、以下のような挑戦をしました。

  • J-StarXシリコンバレー派遣(始動)コースへの参加

  • TOKYO STARTUP GATEWAY 2023に挑戦

  • インドIIMB・オックスフォード大学訪問

  • 早稲田-EDGE Demo Dayで入賞

もしMBAに行っていなければ、こうした機会に挑戦することすら考えなかったかもしれません。

 得た資産:他人軸ではなく、自分軸で考える力
MBAに入学した当初は、「何者でもない自分への焦り」が原動力でした。
人から認められたいという気持ちがあったのも事実です。
しかし、2年間を通じて、「自分が何をしたいのか」を重視するようになりました。
MBAで得たスキルや知識も重要ですが、自分の意思を持って行動することの大切さを学べたことが最大の収穫かもしれません。


⑤ 2年前の自分にMBAを勧めるか

間違いなく、勧めます。
いや、むしろ「迷っている時間がもったいないから、今すぐ動け」と過去の自分に言いたいです。
MBAに行く前、私は「何者かになりたい」という気持ちはあったものの、何をすればいいのか分からず、漠然とした不安を抱えていました。

「自分のやりたいことは何なのか?」
「このままで本当にいいのか?」

そんな迷いを抱えていました。
2年間のMBA生活で、新しい知識を学び、実践的なディスカッションを繰り返し、さまざまなバックグラウンドを持つ仲間と出会い、自然と「行動するのが当たり前」という考え方に変わりました。
MBAでは、学んだことを実際に行動に移す機会が無数にあります。
そして、行動すれば、確実に見える景色が変わるのです。


⑥総括

もし今、あなたが「このままでいいのか?」と迷っているなら、それは「変わる準備ができているサイン」です。

しかし、いざ行動しようと思っても、何をすればいいのかわからず、足が止まることもあるでしょう。

私にとって、その答えがMBAでした。MBAは、単なる学位取得の場ではなく、「知識を得る → 考え抜く → 実践する」という挑戦の連続です。ここでは、ファイナンスやマーケティング、経営戦略などの体系的な学びを通じて、ビジネスの意思決定力を鍛えられるだけでなく、異なる業界の仲間との議論を通じて視野が広がり、自分の可能性に気づくことができます。

そして何より、「行動することが当たり前」の環境に身を置くことで、挑戦することへのハードルが下がり、気づけば自分の未来を自分で切り拓いているのです。

迷っているなら、まず動いてみること。

その一歩として、MBAはあなたの人生を大きく変える選択肢になり得るはずです。未来を変えるのは、特別な才能ではなく、今ここで「やる」と決めること。だからこそ、迷う時間があるなら、行動しよう。

行動の先には、今とは違う、新しい景色が必ず広がっています。



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