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ランドセル選びと成長の実感

長男がこの春から年長になる。
幼稚園のバスに無事に乗れるだろうかと親子で緊張していた日が、もうすぐ二年前のことになる。
時の流れは本当に早い。

年長を迎えるにあたり、わが家でも「ラン活」を始めた。ラン活とは、ランドセル選びの活動のこと。
妻が気になるメーカーのカタログを取り寄せ、展示会の予約もしてくれた。カタログを手にした長男は、興味深そうにページをめくりながら、お気に入りの色を見つけたようだった。
自分が小学生だった頃は、ランドセルといえば黒か赤が定番だった。それを思うと、今のランドセルの多様なカラーバリエーションには驚かされる。

展示会当日、家族で横浜まで出かけた。イヤイヤ期もとい自己発揮が盛んな次男のイヤイヤぶりには手を焼いたが、それもまたひとつの思い出だ。

今回は二つの展示会を巡ることにした。初めて目にするランドセルに緊張しつつも、心を躍らせる長男の姿が印象的だった。
ランドセルを背負う我が子の姿を見たとき、何とも言えない気持ちになった。嬉しさと寂しさが入り混じり、じわじわと実感が湧いてくる。もうすぐ小学生になるのか、その前の年長生活が最後の幼児期なのか、と感慨深くなる。
展示会場には、他の子どもたちもたくさんいた。彼らの目は皆、希望に満ちてキラキラと輝いている。この輝きを、小学校生活が始まっても失わずにいてほしいと願わずにはいられなかった。

いくつか試しに背負ってみたが、長男が選んだのは、最初にカタログで「いいな」と感じたランドセルだった。
あれほどたくさんの選択肢がある中で、直感的に選んだものに最後まで迷いなく決められるのは、彼の育ちの表れなのかもしれない。

ランドセルを手にするのはまだ少し先の話だが、今はあと一年の幼児期を、彼にとっても親である自分にとっても、大切な時間にしたい。そして、来年の春、選んだランドセルが変わらずお気に入りのままでありますように。そう願いながら、この日の写真を静かに見返した。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

写真:Nikon Zf

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