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対話で安全な通学路を|ライト坂安全ビジョンが完成しました【芦屋市の2024年②】
年末の3日間、今年市役所が挑戦した取組の中で、ぜひ皆さまに知っていただきたい3つを紹介しています。
2日目の今日は、道路の安全。市民の皆さまとの対話を通じて、事故が起きたライト坂の安全対策「ライト坂安全ビジョン」を作り上げました。
就任直後に事故発生。当日に現場を確認しました
昨年の就任直後に起きた交通事故。その日の内に担当職員と現場を訪れ、安全対策を指示しました。その後、動いてくださったのは市役所や県庁だけではありません。市民の皆さまが主体的に考え、行動してくださりました。
市民の皆さま
— 高島りょうすけ|芦屋市長 (@TakashimaR_2023) June 14, 2023
本日午前、県道奥山精道線において発生しましたトラック横転の事故については、重く受け止めています。
先程、市長と教育長、技監、所管の部課長で現場を視察しました。
ライト坂は通学路でもあり、子どもたちが毎朝通っている道路です。… pic.twitter.com/yJsrMh0xvF
車のフットブレーキの踏みすぎが原因
ライト坂は、長い急な坂道。長い下り坂で事故が起きるのは、ブレーキペダルを踏み続けることによってブレーキが効かなくなる「フェード現象」が原因だと言われています。
ドライバーの皆様に意識いただきたいこと
坂道を下るときは、どうか「エンジンブレーキ」を使ってください。アクセルペダルから足を離すことや、低いギアにシフトを変えることで、エンジンブレーキを使うことができます。
もしブレーキが効かなくなってしまっても、焦らないで。
①アクセルペダルから足を離すと自動的にエンジンブレーキがかかります。
②その後、ギアを低速にすることで速度を落としてください。
③安全な場所に車を停め、ブレーキが冷えるまで待ってください。
大事故に繋がる前に。ヒヤッとしたらまずは焦らず、アクセルから足を離してください。
行政にしかできないこと、ハード整備
とはいえ、ドライバー任せだとまた事故が起こってしまうかもしれません。まずは市役所でできることから始めよう。そんな想いで即座に担当が動いたこともあってか、即座に対策が進みました。
芦屋市の対策
万が一のときにも歩行者が巻き込まれないよう、市で開森橋の歩道に防護柵(強度が高いガードレール)を設置した他、ボラード(地面に設置する杭のようなもの)を2基、「エンジンブレーキを使っていただきたい」旨の注意喚起看板を1基設置しました。
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兵庫県の対策
実は、ライト坂がある道路の正式名称は「兵庫県道344号奥山精道線」。県の管理する道路です。県の職員の方々にも大いにご尽力いただきました。改めて、感謝申し上げます。
通学路であることを踏まえて、山手小学校から開森橋交差点までのガードレールを、新たに高速道路仕様に変更しました。近隣の皆さま、利用者の皆さまにはご迷惑をおかけしました。工期終了までもう少しご協力のほど、よろしくお願いいたします。
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「エンジンブレーキを使ってほしい」旨の注意喚起看板10基や路面表示7箇所等もすぐに設置いただきました。
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警察・交通安全協会等の取組
県警は、奥山精道線の一部を「フェード現象重点対策路線」に指定。ブレーキ加熱状態の確認実験などの専門的な取組に加え、市や県、交通安全協会とともに啓発を続けてくださりました。
私も昨年7月、啓発のためのビラ配布に参加しました。
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特に、今回特筆すべきだったのは、対応の速さだったと思います。6月の事故発生後、1ヶ月の間に県と市、その他関係団体の尽力で即座に対策が行われました。改めて、関係者の尽力に感謝です。
【長い急な下り坂では、エンジンブレーキを】
— 高島りょうすけ|芦屋市長 (@TakashimaR_2023) July 12, 2023
奥山精道線(ライト坂)で発生したトラック事故を受け、道路を管理する県とも協議し、今日までに以下のような対策を行いました。
■そもそも事故を防ぐために… pic.twitter.com/7vymHgqF4r
市民の声で始まった対話
そして2023年秋、ライト坂の安全を望む市民の声がきっかけになり立ち上がったのが「県道奥山精道線交通安全対策協議会」です。私たち芦屋市・兵庫県・芦屋警察はもちろん、地域住民や地元の学校園、関係団体、有識者の方など多様な方々が参加してくださりました。1年弱の間に3回の協議会と5回の勉強会を開催し、地域が一つになった対話を重ねることができました。
そして、この協議会で取りまとめたのが「ライト坂安全ビジョン」です。取組の大枠は以下の3つです。
①フェード現象防止の啓発
②こどもたちを守るための交通安全対策の実施
③法令での対応・機器の開発等
私が特に嬉しかったのが、市民の方々が主体となって動いてくださったことでした。行政任せにせず、市民の方々が自分ごととして考え、動いてくださったからこそ、ここまで多くの関係者が短期間で一気に対策をまとめられたのだと思います。
ライト坂ニュースに掲載されていた、参加した地域住民の方の感想が、まさに今回の取組の醍醐味を表してくださっていました。
勉強会と協議会の進め方がすごく楽しかった。最初はぼんやりしていたものが、テーマが決まって、それにみんなで意見を出していくのが楽しかった。
そう、世の中を良くするのって、本当は楽しいプロセスのはずなんだと、私は思います。みんなで社会を良くする過程に様々な方々が参画してくださったこと、とても素敵な取組でした。
3回の「県道奥山精道線交通安全対策協議会」、それぞれの対話の過程をまとめた「安全な道・芦屋のまちライト坂ニュース」を発行していただいたり、最後には「ライト坂安全ビジョン」を作成していただいたりと、広報発信にも力を入れていただきました。ぜひこちらのバナーからご覧ください▶
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完成した「ライト坂安全ビジョン」は、ぜひ下のバナーからご覧ください!
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対策の効果をビッグデータで分析
協議会では、今回の対策の前後でどのように変わったのか、ビッグデータの解析を通じて比較も行いました。
車に搭載されているセンサーや計測機器のデータを活用し、車両の速度やブレーキ操作などの変化を分析してみました。その結果、全体的に、ドライバーの意識の変化に繋がったことがうかがえました。
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ビジョン策定に向けての対話こそが誇れる成果
最後に、今回の対話を取りまとめていただいた兵庫県立大学自然・環境科学研究所の髙田知紀座長のコメントを紹介します。
ビジョン策定に向けての議論は、美しい対話がなされたと感じています。成果そのものだけでなく、こういった議論をしたこと自体が誇れるもの。市民が声をあげて、行政がそれに本気で応えた、このプロセスがこれからライト坂の明るい未来を切り開いていくことを本当に確信しています。今日来られていない多くの関係者も含めて実現できたビジョンです。これからがスタートなので一緒に頑張っていきたい。
まさに、今回の取組の最も大切な部分を挙げてくださりました。このビジョンは、多様な方々が主体的に関わってくださったからこそ、内容の濃いものになりました。でも、ビジョンの中身の質が上がったから良かった、というだけではありません。
たとえ全く同じビジョンが行政だけの手で作られたとしても、意義は全く違うものになってしまっただろうと私は思うんです。
それは、交通安全は、市民一人ひとりの行動によって初めて成り立つものだからです。ライト坂に関わる一人ひとりの地道な行動によってのみ、安全なライト坂は守られるのだと思います。
だからこそ、ビジョンが完成しても、一定の効果があったと分かっても、交通安全に終わりはありません。これがスタートです。
協議会では、今後も年1回、報告会(連絡会)を開催し、個々の取組を横串で繋げようと考えてくださっています。
ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
市民が中心になったからこそ、守られ、前進する交通安全。
これからも、市民の方々との対話を大切に、安全安心のまちづくりを進めていきます。
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(ライト坂ニュースNo.3(令和6年10月発行)より)