1か月で統計検定準1級を攻略する方法
早速ですが、統計検定準一級はかなりおいしい資格です。
2級とは段違いの評価
1級との違いはあまりない(というか難易度のベクトルが違うだけ)
統計学・機械学習の概観がつかめる
データサイエンス就活に有利
などなど。これを1か月で取れるのだとしたら、おいしいですよね。とは言え、難関資格であることに変わりはありません。なのでかなり頭を使わないと1か月では取れません。なので次の属性の人以外には強くおススメはしませんね。
なにか専門技術を身につけたい大学1・2年生
市場価値を高めたいが何から始めるべきかわからないビジネスマン
とまあ前置きはこのくらいにして、本題に入りましょうか。
僕がどのような学生だったか
まず、ざっと僕がどのような属性の人間だったかを。
一橋大学経済学部2年生
微積分・線形代数は履修済みだがほとんど覚えていない
勉強で何か打ち込める領域をさがしていた
準1級で問われる数学力はそこまで高くありませんが、それでも最低限は必要です。微積分では合成関数の微分や、$${e}$$を含む式の微分積分を押さえておけば大丈夫です。線形代数は積の求め方、行列式の本質的な意味、固有値・固有ベクトルの本質的な意味を理解しておく必要があります。いずれこのブログでも取り扱おうと思います。ところで、僕は線形代数の理解が特に壊滅的でした。だって、授業では行列の演算くらいしか教えてもらえないんだもの。ということで、最初は苦労の連続でしたね(22章 主成分分析とか)
最強の勉強法
まず3つの参考書を図書館で借りてきました
チャート式に関しては、1日に30分のタイマーを設定して、例題をひたすら解きまくるというのを毎日やっていました。2週間くらいで固有値・固有ベクトルくらいまで行きます。肝心なのは、最初のほうの計算でやり方がわかっていたらホイホイと飛ばしていくことです。計算練習などを含めていたら時間が無くなってしまいます。「へえ、行列の積って空間をゆがめることなんだ」「ゆがめられた空間でもゆがまないのが固有ベクトルなんだ」とかをつかむための勉強であることを忘れないようにしてください。
そして、統計学本体の勉強はこのように進めます
教科書を1日5章程度読む
教科書の例題を1日3章解く(1周目)
教科書の例題を1日10章解く(2周目)
1日1年分の過去問を解く(1周目)
1日2年分の間違えたところだけ解く(2周目)
1について。ここは本当にざっとでいいです。読むだけで分かるわけないです。わからなかったら飛ばす。とにかく読み進める。読み進めるうちにわかってくる。こんな感じです。ですが一つ忘れないでほしいことがあります。
それは今何をやっているのかは押さえながら読むということです。例えば、16章の重回帰分析なんかは複雑な行列表記の計算が出てきます。それらを追いかけなくてもいいのですが、「これって要はモデルの精度を上げる計算だよね」とか、「ああ、過学習を防ぎたいのね」みたいな視点をもつ訓練だと思ってください。ちなみにおススメの進め方はこうです。
1日目:1章~6章 確率論の基礎
2日目:7章~12章 統計検定2級の内容
3日目:13章~15章 確率過程
4日目:16章~21章 回帰分析
5日目:22章~26章 機械学習
6日目:27章~29章 時系列解析・分割表
7日目:30章~32章 ベイズ統計学
2について。1ではほとんど内容を理解していないと仮定すると、おそらくここでは解答を見ながら進めていくことになると思います。それで大丈夫です。回答を読んでわからなければ本文を見返すっていうのをやると、ぼんやりとですがわかってきます。
3について。ここは高速で進めます。2周目に理解したところは飛ばして、できないことをなくしていく作業です。例題以外のところ理解してないけど大丈夫かな?と思われるかもしれませんが、安心してください。過去問演習で拾っていきます。
4について。時間を測って解きましょう。準1級は時間制約の大きい試験です。この段階から電卓を使って演習するのがいいです。わからなくて落ち込んでしまう気持ちはわかります。しかし、ここでもメインは解答をよんで理解することです。教科書を参照して穴を埋めていきます。
5について。間違えた問題を完璧にとけるように練習します。理解があいまいな点があれば教科書に立ち戻りましょう。そうこうしているうちに、教科書の大半は頭に入っていることに気づくと思います。この状態になれば落ちません。
かなり急ピッチな計画で、正直2か月とか3か月がかりの計画に比べれば穴は多いです。ですが忘れないでほしいです。60点をとれば受かるということを。教科書も過去問も、解説がわかりづらいなと感じたことは結構あります。なので僕のnoteで無料で解説を公開していこうと思いますので、躓いたらぜひ立ち寄ってください!またtwitterなどでDMをいただければお助けします。
最期に、線形代数の本質的な理解につながる神動画を共有しておきます。アメリカの団体が制作した動画を東大生が吹き替えています。本当に素晴らしい動画です。ではまた。