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ソウルフードを求めて、青春18きっぷでゆく #2|香川の讃岐うどん編
加古川から姫路へ、そして相生、岡山へと向かう。
相生を過ぎると線路はすっかり街から離れ、青々と稲が育つ田園風景の中をゆく。岡山の倉敷を訪れ、そこで一夜を過ごした。
さて翌日、今日の予定はどうしたものかと少し悩む。
結果、香川まで足を伸ばしたのであるが、倉敷から帰路につき、姫路のおでんや駅そば、明石の明石焼きなど名物を食べる手もあった。姫路も明石も大阪に帰る途中だから、帰りも楽だ。
が、青春18きっぷの真骨頂は日帰り旅である。
一日あたり2,410円、その運賃を超えて乗れば乗るほどお得である。
そうなれば、岡山からマリンライナーで瀬戸大橋を渡らなければなるまい。
岡山駅から香川県・高松駅までの運賃1,550円を往復して、大いに元を取らねばなるまい。
そして香川といえば、讃岐うどんをたらふく食わねばなるまい。
使命に燃えるアラフォー男は、岡山駅から快速マリンライナー23号高松行きに飛び乗った。
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高松駅周辺のうどん屋は、何軒か足を運んだことがある。ドライブがてら、明石海峡大橋から四国へと渡り、電車ではアクセスしにくい奥地のうどん屋を巡ったこともある。
今日はどこへ行こうか。
実は、目星を付けていた。
高松へと向かう途中、端岡駅で下車して徒歩10分の「うどん一福」へゆく。
端岡駅から丸亀街道を東へゆくと、うどん一福の看板が見えてきた。2階建ての民家の1階を広く店舗に改装したような建物だ。店内には15〜20名がけぐらいの大きなテーブルが中央にあり、座敷席が5つと、さらにカウンター席が10ほどある。うどんを注文するカウンターの横には惣菜が並び、奥には広い厨房がある。お昼12時すぎに到着したから混み具合が心配だったが、入店すると、すでにランチタイム第一波を乗り越えたような様子だった。
讃岐うどん流セルフスタイルに従って、店の入口でトレーを手にし、カウンターに向かいまずうどんを注文する。メニューはいたってシンプルで、かけ、しょうゆ、ぶっかけ、釜揚げ、釜玉の5種だ。ぼくはしょうゆうどん冷二玉、390円を注文した。
すると1分もかからずにうどんが出来上がる。
奥の厨房で、注文を受け付けるお姉さんと数名のスタッフが、慣れた手つきで次々とうどんを仕上げてゆく。
「しょうゆのかけ過ぎには注意です」
ということだった。
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うどんを受け取りそのままカウンターに沿ってレジに進む。その間にずらりと並べられた惣菜を選ぶ。天ぷらが豊富、おでんもあったが、ぼくはいなり寿司とかしわ天を選んだ。レジで会計を済ませて席につくと、そのころには外に行列ができていて、ランチタイム第二波が訪れていた。
テーブルにつき、讃岐うどんをたらふく食べるという使命を果たすべく、いざ箸を割らん。
いざしょうゆをかけん。
と思ったのだが、しょうゆが見当たらない。
だしの入ったボトルはあるのだが。
しょうゆはテーブルとは別の場所にあるのだろうか。
お冷やをくみにゆきながら店内を探してみた。
しかし見当たらない。
目線をきょろきょろさせながら、同じくしょうゆうどんを頼んだらしき人物を探す。どこでしょうゆをかけるのか、こっそりと観察する。
するとテーブルのボトルの液体をおもむろにかけるではないか。
だしのように見えたボトルが、実はしょうゆだったのだ。色がずいぶん薄くて、気がつかなかった。
気を取り直して、いざしょうゆをかけん、いざ食べん。
コシがあってモチモチした麺が、しょうゆと絡んで喉に飛び込む。
いやいや、やはりうどんは”のどごし”ですよ。
讃岐うどんはのどで味わうのである。
しなやかで弾力があり、冷水でしめたうどんが暑い夏には最高だ。惣菜のかしわ天はコショウがよーく効いていて、とってもスパイシーだ。
学生時代、香川出身の友人がこんなことをよく愚痴っていた。
「本州のうどんは、高い割にうまないわ」
店によるだろうが、讃岐うどんは基本的にセルフで、一玉200円ほどで食べられる。そして製麺所に併設された店舗も珍しくなく(本業は製麺所、その片隅にイートスペースがあるようなお店です)、本格的な手打ちうどんが、とても安く食べられるのである。うどんに対して一家言ある香川県民に応えるため、県内に流通する小麦の質からして違うとか。讃岐うどんを食べて育った彼からすれば、ありふれたうどんの定食に、1,000円払うのが馬鹿らしかったのであろう。
しかしながら、彼に愚痴を言わせるだけのインパクトが讃岐うどんには確実にある。
ぼくは20代前半に初めて讃岐うどんを食べるまで、断固としてそば派だった。
それがあの美しく、透明感のあるしなやかなうどんを口にした瞬間、いとも簡単にひるがえってしまったのだ。
うどんとそばと、どちらがお好きですか?
断然そばだと言い切るあなた。
ぜひ一度、本場の讃岐うどんを食べてみてから再考してください。
人生、変わります。
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うどん二玉と惣菜を食べて、満腹幸せなアラフォー男は、うどんのはしごはやめにして、大阪へと帰途につくことにした。うっぷ。
うどん一福の滞在時間、約15分。
香川県の滞在時間、電車の移動時間を含めて約2時間。
今度は香川に宿泊して、心ゆくまで讃岐うどんを味わいたい。
普通列車に揺られながら、時々車窓の風景をカメラに収め、のんびりのんびり大阪に帰った。
うどん一福
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住所:香川県高松市国分寺町新居169-1
電話:087-874-5088
平日:10:00〜14:00
土日祝:10:00〜15:00(麺がなくなり次第終了)
定休日:不定休
撮影データ
カメラ:Nikomat(ニコマート)https://note.com/takashi_columns/n/na8cede7979b3
レンズ:NIKKOR-S Auto 50mm f1.4
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