【300文字でわりとコワイ】46~50
300文字以内で書いた、ちょっと心臓がキュッとなる物語です。
心底震えあがるホラーではなくて、
「ちょ…怖いんですけど…?!」
「ヤダ、コワーいw」
「こわいよね、うんうん」
「何このコワイ話!キモっ
みたいな、かるーい系統の恐ろしい話をご用意しておりますです。
たまに羽目を外してすんごい怖いのも書きますよぅw
VOICEVOX:春日部つむぎ の朗読ショート動画もあります。
この記事の最後にあるYouTubeチャンネルリンクから飛べます(*'ω'*)
ちなみにショート動画の美味しそうなメニューは、15回ごとに変えておりますの事よw
なお、今までの履歴:鍋物→ハンバーグ→ラーメン→ピザ
今後も美味そうなモノが物語に華を添えますので、乞うご期待!
おまじない
最近、とても好きな人ができた。
初めての恋に、戸惑うばかり。
少しでもいいから、先輩に私の気持ち…知ってほしい。
でも、伝えることなんてできないよ…。
切なさは募るばかり。
私は、親友のマナちゃんに相談した。
すると、とびきりよく効くおまじないを教えてくれた。
まくらの下にラブレターを入れて寝ると、夢の中でデートができるんだって!
先輩への愛を便せんいっぱいに書き込み、枕カバーの中に入れて眠った次の日。
「いつまで寝てんの!?8時だよ!」
ママに叩き起こされて夢が吹き飛んだ。
飛び起きて、顔も洗わず学校に向かった。
家に帰ってきたら、枕カバーが、新しくなってて。
私の書いたラブレターが、机の上に置いてあった…。
RN
部活の後輩がコアなラジオリスナーである事を知った。
毎晩番組にメッセージを送っては頻繁に読まれているようだ。
どんなメッセージを送っているのか気になったので、ラジオ番組を聴いてみる事にした。
番組は…意地の悪い蔑み系のメッセージばかり読み上げていて、正直気分が悪かった。
人をばかにするようなエピソードを投稿して、読まれて喜んでいるなんて…サイテーだ。
アイツ、こんなこと考えてたのか。
いつも黙って下を向いている姿が目に浮かぶ。
もう聞くのはやめよう、そう思った瞬間。
《おい!◯✕市の冠城絢彦ッ!RN(ラジオネーム)マキジタ…オメェだよっ!》
《あ~あ、MC怒らせるからw》
《全国区に本名マルバレw》
なんで…俺の、名前が……。
身代り人形
……私の特技は、身代わり人形を作れること。
必要なものは、自分の毛と、自分の爪と、自分のかさぶたと、自分の血液と、自分の唾液と、自分の涙。
有ればより強力になるのは、人骨。
できればより近親者のものがいい。
自分の歯は、ここぞというときに使う。
乳歯も、親知らずも、使い果たした。
生えている歯を使うのは、勇気が必要だったわ…。
気休めだけど、大きな蜘蛛やヤモリ、トカゲ、ヘビが贄になるのよね。
よく焼いて、すりつぶして使うの。
全ての材料を混ぜ合わせ、月光で清めた小瓶につめて、人形の中に入れて。
……効果抜群の、身代わり人形の出来上がり。
大切に、大切に…持ち歩いていたのだけれど。
……誰かに、盗まれてしまったわ。
レポーター
私の趣味、それはお天気チャンネルの実況レポートを投稿すること。
毎日朝6:00に近所の公園まで出向き、同じ場所で空の写真を撮って投稿している。
たまにコメントをくれる人も何人かいて、コミュニケーションツールとして私の日常に欠かせないものになっている。
写真投稿時にちょっとしたコメントを入れることができるので、簡単な日記のように使ったりもする。
イベントがあった時には、青い空を背景にキッチンカーのフードを撮って紹介することもあった。
ある日、SNSをなんとなく見ていて驚いた。
お天気チャンネルに投稿している人を観察する垢(笑)
よく知る景色…
見たことがない自分の後ろ姿…
―――わりとデブじゃね?
―――ババアで草
―――おもろw
……。
親父のお宝
テスト明けで休講の朝、母さんから頼みごとをされた。
「お父さんのベッドの下のいかがわしい本、捨ててきて!」
3000円くれるというので、しぶしぶ引き受けることにした。
ホコリだらけのベッドの下には…年期の入った写真集やいわゆるビニ本、パソコンゲームの雑誌などがみっちり詰まっていた。
もう60になるというのに、息子に性癖を暴かれる父さんが気の毒でならない。
近所の古紙回収ボックスに200冊ほど突っ込み、もらった3000円でネカフェに行き、満足して家に帰ると…両親が声を荒げていた。
「全部1000円ずつ入れてたのに、なんで勝手に捨てたんだ!」
「あんなものに入れとく方が悪いんでしょ?!」
俺…、20万…、捨 て た ?
動画へのリンク
ショート動画は月曜から金曜の17:00に
こちらのチャンネルで公開しています。
(*'ω'*)再生リストあります(*'ω'*)