【300文字でわりとコワイ】1～5
300文字以内で書いた、ちょっと心臓がキュッとなる物語です。
VOICEVOX:春日部つむぎ の朗読ショート動画もあります。
この記事の最後にあるYouTubeチャンネルリンクから飛べます(*'ω'*)
自然治癒の力
目がかゆい。
水道水でじゃぶじゃぶ洗ったら、風呂に入る頃には治った。
目が赤い。
目薬をさしまくっていたら、次の日には治った。
目が痛い。
痛み止めを飲んで様子を見たら、いつの間にか治っていた。
目がかすむ。
目薬をさしてもスッキリしないが、見えない事にいつしか慣れた。
変なもんが見える。
チラチラうっとおしいが、そのうち慣れた。
朝起きたら左目が見えなくなっていた。
幸い今日は仕事も休みだ、一日寝てたら治るだろ。
一日経ったけど、まだ見えないな。
ま、そのうち治るだろ。
俺は自然治癒力を信じて、目やにだらけの右目をこすった。
ハサミ
アヤコはおかあさんから厚紙をもらいました。
妹のユカがニコニコしてやってきたので、工作好きのアヤコは、何か作ってあげようと考えました。
厚紙にウサギの絵を描き、ハサミで切りぬいて紙人形を作る事にしました。
絵はうまく描けたのですが、厚紙をなかなかうまく切ることができません。
そこで、ユカに手伝ってもらう事にしました。
厚紙を持ってもらうと、とても切りやすくなりました。
しかし、厚紙が二重になっているしっぽの部分がうまく切れません。
アヤコは両手に体重をかけてハサミを握ることを思いつきました。
ハサミが閉じて、ようやく厚紙が切れたと思ったその瞬間、妹のユカが叫び声をあげました。
夢のカケラ
……とても、…とても良い夢を、見ている。
キレイな花。
甘いお菓子。
ピカピカひかる金貨。
可愛らしい妖精。
大好きなものに囲まれて、幸せな時間を過ごしている。
ここは楽園、いつまでもいたい場所。
カラフルな世界が、私の胸を暖かくする。
冷え切った現実には…戻りたくない。
ああ、夢の世界が…、醒めてゆく。
夢と認識した瞬間に、現実が押し寄せてくる。
せめて、夢のカケラだけでも…持ち帰りたい。
手を伸ばし、夢のカケラを握りしめた。
朝起きた私が手にしていたのは…。
バラバラになった、黒い、ゴ キ ブ ｒ
ちょっと待って
とある会社に、要領の悪い残念な人がいました。
ある日、残念な人が営業DMを送信するためにパソコンに向かうと、電源がつきませんでした。
上司に報告するとパソコンを修理してもらえる事になったのですが、IT部の人は忙しく、残念な人のために時間を割くことを嫌がりました。
「ちょっと待って、今行けないから掃除でもしてて」
残念な人は掃除道具の置いてある給湯室に向かいました。
廊下の拭き掃除をしようと思った残念な人は、モップを水で濡らそうとしました。
辺りに気を配れなかった残念な人は、モップの長い柄を給湯室の上にあるブレーカーに引っかけました。
パニクった残念な人が勢いよくモップを引っ張ると、フロアが闇に包まれました。
めひそこすじぢて！じゃおけおくい。
もぽよゃじぎんぼやせらよをほるざ、べぴいばぇかぎぉゆけれゅぷ？
ははどせまょのまだぜあづわっわんでゃぎゔぅ…。
てぺくねょむでほつざげ！
ぃぉえくぁげばぞぺてくんらぴみ、ふゔづひぁぺぁてぅ。
そしんよぴへらあぺぱりるゕみぞ。
めけづびけちへいわゕっょそひ、たが！
げゃぱゆゆらぬくむらゐぼゕけ…、ごぐっをびぼろろりづばうたみえほごぶぷさ。
かゔわょおれざしよ？
とすむさぅきろぃなゃもあぬぉすくどばあゆ、かゅぬばぐぽたぞねやどはなねげべのゐにぜし。
ねえ、りかい…できた？
できてないよね？
できてたら、どうしよう…。
動画へのリンク
ショート動画は月曜から金曜の17:00に
こちらのチャンネルで公開しています。
(*'ω'*)再生リストあります(*'ω'*)
おまけ
今週の一言
ホラージャンルなんですけど、オカルト要素がなかったなあって思いました。ホラー＝オカルトのイメージが強いんですよねえ。
個人的コワイ順
1，自然治癒の力→過信の恐ろしさよ…
2，ハサミ→チビッ子の指なんて貧弱だから以下略
3，ちょっと待って→ドジっ子のせいでサーバーダウンとかマジ勘弁
4，夢のカケラ→個人的にはゴのつくやつはわりと平気
5，メヒソコ以下略→意味が解らないならそこまで恐くない気がする
いいなと思ったら応援しよう！
