【300文字でわりとコワイ】51～55
300文字以内で書いた、ちょっと心臓がキュッとなる物語です。
心底震えあがるホラーではなくて、
「ちょ…怖いんですけど…？！」
「ヤダ、コワーいw」
「こわいよね、うんうん」
「何このコワイ話！キモっ
みたいな、かるーい系統の恐ろしい話をご用意しておりますです。
たまに羽目を外してすんごい怖いのも書きますよぅｗ
VOICEVOX:春日部つむぎ の朗読ショート動画もあります。
この記事の最後にあるYouTubeチャンネルリンクから飛べます(*'ω'*)
ちなみにショート動画の美味しそうなメニューは、15回ごとに変えておりますの事よw
なお、今までの履歴：鍋物→ハンバーグ→ラーメン→ピザ
今後も美味そうなモノが物語に華を添えますので、乞うご期待！
カットサロン
最近、お気に入りのカットサロンがある。
シャンプー・カットで3300円、しかもヘッドマッサージサービスつき。
普通、ちょっとした肩たたきぐらいしかしてもらえないのに、ここはガッツリ10分間、頭皮のマッサージや首筋のツボ押しをしてくれるんだよね。
これがまた気持ちがいいのなんのって。
いつも眠ってしまいそうになるのを堪えているレベルで…。
「眠かったら寝ちゃってもいいですよ？切るのに支障はありませんから」
お言葉に甘えて、目を閉じた。
「新しい仲間が増えましたよ～！」
陽気な店員の声で目を覚ますと、何やら…不気味な笑い声が聞こえる？
私は、鏡に映る自分の姿を見て驚愕した。
私の…首から下が、な、無くなってるよ？！
たかが棒
ツレの家に行ったら、テーブルの上にペロペロキャンディが山のように置いてあった。
大きいものに小さいやつ、丸いやつにごつごつしたやつにド派手なやつ…最近の飴ってのはずいぶんバラエティ豊かだなあ。
「ゲーセンで取ったんだけど、食いきれなくて」
「じゃあもらっていい？」
「みんなで分けようぜ！」
みんなで棒付きキャンディをなめながら、カラオケに向かう事になった。
いい年をしてみんな口から棒が飛び出している。
…子どもの頃は、危ないからって飴をなめながら歩くことを禁止されていたなあ。
「うぅウワッ！」
足を滑らせたツレが、目の前で転んで…大げさに痛がった。
……まさか、たかが棒が、虫歯ひとつない健康な歯を5本も奪うとは。
切手
「ねえねえ、切手ある？」
少し前に郵便料金が変わったので、追加で貼らないといけなくなったんだよね。
郵便局に行くのも面倒だし、家にあるなら使いたい。
「おじいちゃんからもらった切手帳のやつ…古いけど使えるから」
古びた辞典みたいなやつを手渡されたので、26円分もらう事にした。
ちょっと色が変わってるけど、使えるよね多分。
ぺろりと切手の裏を舐めたら、えも言われない古臭いニオイと味がした。
年期物はこれだから…、渋い顔をしながら貼っていると。
「あんた、それ…まさか、舐めて貼ってるの？！」
「え、普通、舐めて貼らない？」
「ネズミのおしっこ塗れだったやつも入ってたんだけど！」
簡単なテスト
今日は苦手な数学のテストの日。
とりあえず勉強したけど…、あまり自信はない。
私は、複雑な計算問題を解いていると頭の中がこんがらがってしまうタイプなのだ。
難しい問題が出なければ、たぶん赤点にはならないとは思う。
基本的な公式はバッチリ覚えているし、ミニテストではいつも合格するレベルではあるから。
どうか、簡単な問題ばかり出ますように…。
祈るような気持ちでテスト用紙を見る。
……やった、見たことがある問題ばかりだ！
これなら全部解ける！
自信満々で全ての問題を解いて、見直しまでした。
「あと10分です」
今回は余裕だったな…そんな事を思いながらテスト用紙を裏返すと。
ヤダ！
裏にも問題があるじゃない！
しかも…文章題！
いいにおい
…くん、くん。
バイトを終えて自宅アパートに向かう途中、いいにおいがしていることに気が付いた。
今日は忙しかったから、飯を食う暇がなくて…腹が減っている。
ウマそうな焼き肉のにおいが、空っぽの胃袋を刺激する。
この匂いは…牛肉、しかもとびきり脂ののった、上等な奴だ。
実家にいた頃はちょくちょく食べていたなあと、贅沢な食生活を思い出す。
都会で一人暮らしをしていると、肉なんかめったに食えない。
せめて良いニオイを鼻の粘膜にたっぷり染み込ませて、硬くなった賞味期限切れの八枚切り食パンをかじろう。
翌朝。
パトカーのサイレンの音で目を覚ました俺は…近所で起きていた殺人事件のあらましを知り。
焼き肉が食べられなくなった。
動画へのリンク
ショート動画は月曜から金曜の17:00に
こちらのチャンネルで公開しています。
(*'ω'*)再生リストあります(*'ω'*)
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