視点を鍛える金融教育ワークショップ #411
皆さんこんにちは。双子パパTakaoです。
レオス・キャピタルワークスが主催するアニュアルミーティングに参加した際に、金融教育ワークショップにも参加させていただきました。
全国各地の小中高校で展開されており、子ども向けに目線を合わせつつ、学びの視点が広がる、とてもうまい研修設計になっていました。
研修開発、ワークショップデザインは仕事の本業でもあるため、参加者側に回り、学んだことをまとめたいと思います。
イントロの惹きつけのうまさ
SBIレオスひふみでは、あらたな事業として金融教育事業を展開することが決まり、2025年春の事業化に向けて動かれています。
社長も社内公募で決まり、今回は社長も含めて金融ワークショップを担当している社員さんによるワークショップ体験をさせていただきました。
実際に子供向けにやっている内容を体験させていただいたのですが、テーマ設定と惹きつけ方がとてもうまいなと感じました。
肝心のディスカッションテーマは、「グミの売り場を観察して気づいたことを語り合う」という設定にしていました。
コンビニのグミの棚を模した各社のグミが並ぶサンプルを観察して、気づいたことを言語化していきます。
実際に現物があり、子供が大好きなお菓子を題材にしているため、食いつき方もすごいそうです。
大人とは違い、実際にグミを手に取って見比べてみたり、味を比べてみたりと五感を刺激しながら、
それぞれが気づいたことを口にすることで盛り上がります。
「英語のやつはパッケージの大きさが違うー!」
「カラフルでかわいい!」
「フルーツの色がおいしそう!」
など、思い思いの気づきを共有して、考えを発散させることで場が温まります。
まず最初に注意を惹きつける、アテンションを取ることが難しいのですが、
身近な題材で身体感覚を使うことで、一気に引き込むことができる設計にしている点が素晴らしいなと思いました。
目線は身近に、解説は深く豊富なメタファーで
題材を身近にしておく一方で、解説を深く、広くすることで視野が広がります。
ファシリテーターの方は、参加者の目線から出てこなった意見を提示して視野を広げたり、
実際のプロのファンドマネージャーはどのような視点から考えているのかを紹介します。
今回聴いていて面白かったのは、26歳、3年目のファンドマネージャー松本さんが実際にやっていることの事例紹介でした。
コンビニのグミ売り場の写真を撮り、売り場に置かれているグミをすべて購入し、実際の売り場のように置きなおしてみるそうです。
そして1か月後にもう1度同じ売り場で同じように購入して並べなおしてみて、1か月前との変化を比較分析するそうです。
そうすると、売り場から消えている商品や、あらたに加わった商品が分かり、
それらの「変化」を手掛かりにして、仮説をたたて、お菓子メーカーの経営者と対話するそうです。
ここまでやるのか、と思うかもしれませんが、マーケットの変化を感じ取り、ミクロの現場で起きている変化から事業分析につなげていく視点はさすがプロです。
学ぶことで世界の見え方が変わる
子どもたちからすると、消費者としてグミに接してきた自分の世界観から一歩外に出て、
生産者側の狙い、さらにはそれらを俯瞰して考える投資家の視点が加わることで、視野が広がります。
金融ワークショップという学びに参加した前後では、コンビニのグミ売り場の見え方が変わってしまいます。
私が子供で参加していたら、ドヤ顔で親に自慢していたと思います(笑)
実際にワークショップに参加した子供たちも、買い物に行く際の、お父さんお母さんとの会話が変化するそうです。
真の学びは、学ぶことによって自分が変わってしまう強烈なパワーを持っています。
学びをこのように定義すると、レオス・キャピタルワークスの金融教育ワークショップに参加した子どもたちは、物事の見え方が変わるため、学びが深まっているのを感じます。
自分が設計しているワークショップにワクワクする学びはあるか、五感をもっと使って引き込めないか、研修後に視野が広がる学びがあるか。
すぐれた研修に参加してトレーニングを受けることで、自分が提供するコンテンツにも見直しが入るため、あらためて学び直しと経験学習が大切だと感じた学びの機会になりました。