発信という投資のための書店活用 -知の拡張とテーマ探究- #354
先日、久しぶりに超大型書店のジュンク堂に行ってきました。
この日は、駅ナカのコンパクトな書店、駅前の小さな書店、駅ビルの中規模の書店にも行きました。4つの書店をふらついてみると、ジュンク堂のような超大型書店の持つ価値が浮かび上がってきました。
文化人類学、獣医学、看護学、医学、建築史など、まったく異なる分野の専門書が、フロア一面にあり、駅ナカや駅前の書店とは異なる役割を持っていました。
2時間くらいかけて、全てのコーナーを眺めてみたことで、こうした超大型書店を巡ることの価値が見えてきました。
今回の書店巡り経験を通して、
未知の分野への知の拡張が起きる
拡張したい分野への入門方法を知れる
ジブンの内なる関心を外に見える化できる
という3つの価値があると気づくことができました。
これらの気づきについてまとめていきます。
未知の分野への知の拡張が起きる
普段行く書店の場合は、ビジネス書や新書、文庫など、売れ筋の本に触れることが多く、自分の関心の幅に沿って目に入ってきた本を読むことになります。
またアマゾンのレコメンドもジブンの過去の購入履歴や検索をもとにレコメンドエンジンが発動するため、これまでの関心に沿った世界が提示されます。
しかし、これではランダムネスが足りず、思わぬ偶然の出会いや知の拡張が起きにくいです。
マーケティング技術が進化して、個別提案のレコメンドエンジンが発達するほどに、個人としては意図的にランダムネスを発生させる装置を持っておかないと、「いま・ここ」のジブンから広げることができなくなります。
旅や新たな人との出会いはそうしたランダムネスの最たる学びですが、近場でも大型書店を活用して、こうした仕掛けを作ることができます。
今回の書店ぶらつきでは、あー、世の中には本当にいろんな分野があるんだなーというのを感じました。
例えば、獣医学のコーナー。動物たちの健康を診る仕事は社会にとって不可欠ですが、その世界は普段なかなか触れることはありません。
また、建築関連のコーナーも巡ると、ビジネス書のコーナーよりもはるかに多くの領域があり、建築史、耐震技術、東京の西洋建築の歴史、それらを巡る旅の案内など、奥深い世界が展開しています。
コーチングやNLP、高等教育などの自身の専門分野はほんの1握りの分野に過ぎないんだと俯瞰的な視点を持つことができました。
拡張したい分野への入門方法を知れる
ジュンク堂書店を巡っていて、あらたな分野を学びたいと思ったときに、知の見取り図を示してくれ、入門するためのガイドをしてくれる機能を持っていることを感じました。
特にその分野に関連するテーマで描かれたマンガを展示して紹介してくださってることで、漫画で全体像を知ることや、必ず置かれている定番書を知ることができます。
ジブンが知りたいテーマや問いたい問題が出てきた時にその分野のコーナーに行くことで、多様な視点から事例を提供してくれている書店を活用することで役立てられます。
ジブンの内なる関心を外に見える化できる
知見の拡張だけでなく、ジブンの中で言語化できていない興味関心が書棚との対話を通して浮かび上がってきました。
内なる興味関心が外に見える化されることで、あらたなジブンのテーマが見えてきます。
直近では、下北沢で発酵デパートメントに行ったことから、発酵や栄養学への関心が出てきていることや、
断熱リフォームや、実家のリフォームを通して建築に関する関心も出てきており、建築コーナーへの関心も出ているのだと気づきました。
特に歴史的な建造物や都内にある西洋建築の歴史など、ブラタモリで特集されるような建物をじっくり観て回ろうと思います。
発信する側に立って学ぶからこそ、発信者のエネルギーに溢れた書店を巡ることは、大きな気づきをもたらしてくれます。
マーケット感覚を磨くための家電量販店めぐりに加えて、超大型書店巡りも、3ヶ月に1回は行っていきたいと思います。