森貴信/スポーツビジネス

2005年のV・ファーレン長崎立ち上げからスポーツビジネスに従事。「スポーツ業界を普通の業界に」がモットー。埼玉西武ライオンズ/ラグビーW杯組織委/T.T彩たま/日本陸連マーケティングディレクター。著書『スポーツビジネス15兆円時代の到来』

森貴信/スポーツビジネス

2005年のV・ファーレン長崎立ち上げからスポーツビジネスに従事。「スポーツ業界を普通の業界に」がモットー。埼玉西武ライオンズ/ラグビーW杯組織委/T.T彩たま/日本陸連マーケティングディレクター。著書『スポーツビジネス15兆円時代の到来』

最近の記事

追い出されないスタジアム 〜長崎スタジアムシティの本当の魅力〜

私はスポーツビジネスに携わって長い。もうかれこれ20年近くになる。V・ファーレン長崎、サガン鳥栖、埼玉西武ライオンズ、ちふれASエルフェン埼玉、日本ペイントマレッツ、T.T彩たま。チームや球団のフロントスタッフとして、公式試合の時は常に運営者側にいた。今は日本陸連のマーケティングディレクターとして、唯一の国際大会であるセイコーゴールデングランプリや陸上日本一を決める日本選手権のチケッティング統括をしている。 ここ最近は特定のクラブ・球団に属していないこともあり、観客としてス

    • サブトラック観戦チケットとは何か

      私が日本陸上競技連盟のマーケティングアドバイザーをしている事は前に書いた。前回の投稿は5月に横浜で行われる「セイコーゴールデングランプリ」の話だったが、今回は6月に大阪・長居で行われる「日本選手権」の話だ。どちらも私のマーケティングアドバイザーとしてのミッションに含まれている。 ちなみに前回の投稿はこちらです。(たくさんの「好き」ありがとうございます!) そもそもサブトラックとは何か? 陸上を良く知っている人にとってはなんてことない話だが、陸上の大きな大会では「メイント

      • 私が見つけた陸上競技の魅力...1つのチケットで2つの席

        昨年の12月から、私は日本陸上競技連盟のマーケティングアドバイザーをしている。ミッションの一つが、今年の5月21日に日産スタジアムで開催されるセイコーゴールデングランプリ陸上2023の集客だ。 集客を考えるときに私がいつも気にかけるのは「その競技の魅力は何だろう?」ということだ。ラグビーワールドカップ2019の時も最初はそうだった。野球なら野球の、サッカーならサッカーの、バスケならバスケの、ラグビーならラグビーの魅力がある。そしてそれは競技によって若干違う。今回は陸上競技の

        • V・ファーレン長崎と私

          Jリーグの企画 「 #J2推し with Jリーグ」に応募しています。 #J2推し だと?別にJ2を推しているわけではない。今、V・ファーレン長崎がいるカテゴリーがたまたまJ2というだけだ。だがそこは毎年、世界中みても珍しいほどの混戦となるのだよ。相手が自分達より上位のチームであっても普通に勝つチャンスがあり、下位のチームであってもあっさり負けたりする。毎年毎年、今年こそ昇格するのではと思ってしまう。毎週がハラハラドキドキ、とても面白いリーグだ。そうそう沼もあるぞ。え、それ

          スポーツ組織論②

          前回の振り返り 前回、スポーツの組織について以下のようにまとめた。 競技全体を統括する協会や連盟 <公益財団法人> 協会や連盟から派生したリーグ <一般社団法人> リーグに付随するマーケティング会社 <株式会社> リーグを構成するチーム <株式会社が多い> 今回は1.の協会・連盟について書いていく。 スポーツの協会・連盟(NF)と私 元々スポーツビジネスのキャリアをサッカークラブ(V・ファーレン長崎)の立ち上げからスタートさせた私は、4.のチームについてはかな

          スポーツ組織論①

          はじめに(WEリーグのニュースをみて) WEリーグの2代目チェアに高田春奈さんが就任した。V・ファーレン長崎でお世話になった高田明さん(ジャパネットたかた創業者)の娘さんなので、ここでは(勝手に親しみを込めて)春奈さんと呼ばせていただく。 春奈さんはジャパネット体制となったV・ファーレン長崎で、高田明さんの次に2代目社長となった。私の知る限りではもともとスポーツに(仕事としては)あまり興味がなかった方なのだが、さまざまな事情であれよあれよという間にスポーツビジネスの世界で

          『最強のスポーツクラブ経営バイブル』を読んで

          はじめに Bリーグチェアマンで元千葉ジェッツ社長の島田慎二さんの著書『最強のスポーツクラブ経営バイブル』を読んだ。 現在、Bリーグは島田さん、Jリーグは野々村さんと、クラブの経営を経験したことがある人がリーグのトップになっている。私はこの現象を好ましいと思う。なぜならリーグとチームの利益はどうしても相反するからだ。そのことを理解した上でチームの事情が本当にわかっている人がリーグのトップだと、全体最適のバランスが取りやすいと思う。他競技のリーグを見てほしい。クラブ経営者がリ

          『最強のスポーツクラブ経営バイブル』を読んで

          本を書いてよかったなと思ったこと

          「本を書いてよかったな」とたまに思うことがある。実際に執筆にはとても時間がかかるし、どうだろう、たぶんまるまる1年くらいはかかったのではないだろうか。仕事をしながら書くと、執筆時間は平日の夜だったり土日だったりとなる。その分、自由時間が減る。ただその時間をとってさえあまりある効果があった。頭の中に無数にあった自分の考えが、それまで点在していたのに一定の塊でまとまったり、自分の仕事の軌跡が形として残るということはやはりありがたい。ある意味、世に認められた成果として名刺代わりにな

          本を書いてよかったなと思ったこと

          スポーツリーグにおける開放型と閉鎖型

          ヨーロッパスーパーリーグ(ESL)構想がわずか1週間程度で崩壊したのは驚きだった。これをきっかけに、今日は開放型と閉鎖型という話をしたい。 スポーツビジネスを日夜考えている身からすると、ESL自体はそんなに突拍子もないアイデアではないし、日本でもJリーグの上位クラブによるプレミアリーグ化は議論されて然るべきだと思っている。(良い悪いは別として) それが今回は発表されるや否や、あっという間に様々なところから反対意見が出てきて、参加を表明したクラブは相次いで撤回を強いられた。

          スポーツリーグにおける開放型と閉鎖型

          スポーツビジネスに進むきっかけ(その3)

          前回は私がスポーツビジネスに進むきっかけとなった事柄の1つ目について書きました。(きっかけは全部で2つあります。そしてそれが不連続でつながっています...) 今回は2つ目の事柄について書きます。今度は結論から。きっかけの2つ目は、 「海外出張中のトランジットで偶然あるニュースを見たこと」 トーメンからトヨタへ2003年に慶應ビジネススクールを卒業した私は、派遣元であるトーメンに戻りました。繊維ビジネスから離れ、それまで働いていた大阪から離れ、東京にある関連企業部という部

          スポーツビジネスに進むきっかけ(その3)

          スポーツビジネスに進むきっかけ(その2)

          前回は私がスポーツビジネスに進むきっかけとなった事柄の1つ目について途中まで書きました。(きっかけは全部で2つあります。そしてそれが不連続でつながっています...) 今回はその1つ目のきっかけの続きになります。 Jリーグクラブへのインタビュー慶応ビジネススクールの修士論文でスポーツビジネスについて何か書こう思った私は、Jリーグが開幕して(1993年)からもうすぐ10年が経つことに思い至りました。加えてサッカーといえば、2002年にはFIFAワールドカップが日本と韓国で共催

          スポーツビジネスに進むきっかけ(その2)

          スポーツビジネスに進むきっかけ(その1)

          自己紹介のあと何を書こうかな。いろいろ考えたけど、これまでによく受けた質問についてまずは書いていこうと思います。頭の中の整理も兼ねて。 最初はこれ。 「森さんがスポーツビジネスに進むきっかけは何だったんですか?」 よく聞かれます。長めのインタビューではほぼ毎回聞かれます。経歴がいろんな競技を股にかけていて珍しいからでしょう。最近も顧問をしている卓球Tリーグ「T.T彩たま」の選手から聞かれました。 このように聞いてくるということは、それなりに私がこれまで何をしてきたかを

          スポーツビジネスに進むきっかけ(その1)

          note始めます。

          「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり。」(土佐日記「門出」より) はじめまして。森貴信です。ずっとnoteは気になっていたのですが、なかなか一歩が踏み出せずにおりました。スポーツに関するブログを書こうと思いつつもコロナで環境が大きく変わる中、考えがまとまらず、方向性も決まらずで。。。 でも思い立ったが吉日。やってみよう。ここで一歩を踏み出します。 簡単な経歴ここで書くのは主にスポーツに関することが多くなりそうです。ですのでスポーツビジネスに入る前と入