見出し画像

瀬戸内海の穏やかな波打ち際を走る、 大人気のスイーツ列車


 瀬戸内海ギリギリを走る。
まるで、船に乗っているような
予約制の高級スイーツを味わう大人な旅


■観光列車「エトセトラ」の概要



なぜか、全線電化区間を走るのに
気動車(ディーゼルカー)。
2両編成で、定員は40名。
全車グリーン指定席。
運転日は、月金土日祝日。

注意としては、青春18きっぷなどでは
グリーン券を足しても乗ることはできない。
なお、グリーン券自体は50キロまで780円。
100キロまで1000円と比較的お求めしやすい。

かつては、「瀬戸内マリンビュー」という
普通車指定席の快速列車だった。
それを再改造し今のようになる。


この景色は、忠海付近

■広島~尾道を1往復


かつては、往路呉線、復路山陽本線という
旅程だった時代もあった。
今は、広島ー尾道間を単純に呉線で往復する。

広島から尾道の日帰り旅行を想定したダイヤに
なっていると感じる。

また、どちらか片道を新幹線にすることで
滞在時間を伸ばすことができるともいえる。

呉線をゆっくりと走るので、観光列車としての
所要時間は長めで3時間近くの乗車時間になる。
ちょっと長すぎる感は否めない。

■車両と当たり席と外れ席



 この車両は、かつてのローカル線用の
ディーゼルカーを改造していて、
窓枠と座席が合っていない。

これが、最大のウィークポイントといえる。
 どこを予約したらいいか迷うわけである。

結論から言うと、あまりこだわらなくても
いいのかなと感じる。

一般的に言われるのが、海沿いの景色が
きれいなので当然海側席が当たり席と
思われる。

ただ、午前の上り列車では真夏の太陽の
日差しが厳しい。

また、ずっと海沿いの景色が続くわけでは
ないので(当然山の中の区間や住宅の区間も
それなりにある)

果たして海側が当たりか?は難しい。
定員が1両当たり僅か20名で座席のない
フリースペースに海側の窓もある。

そこから十分に海の景色を見ることができる。
また、座席番号の割り振りが特殊で
通常の4列の座席であればA席、D席が
窓側というのが通例である。

ただ、この列車はほぼどの席も窓側になる
ものの海側になるか山側になるか分かりにくい。

 JR西日本のインターネット予約のē5489では、
座席の場所を指定させることができない。


①「駅名を入力」に切り替える
②乗る区間を手入力
③出発日、時刻を入力
④「一度も乗り換えしない」にする
※ここをクリックしないと新幹線乗り換えルートが案内される
⑤「新幹線利用」を外す
これで検索。


1か月後も見事、売り切れでした。



■座り心地は結構いい


サイドビュー。ロゴがカッコイイ


 座席そのものは、海沿いの眺めを見るのが
目的の列車なので背もたれは小さい構造。

そうすると長時間の乗車には向かないかと
思われるが侮ることなかれ。

ただ、その座り心地は長時間でも疲れにくい
ような硬すぎず柔らかすぎず、
なかなか優れものだった。

はっきり言って最新の新幹線の座席よりも
私自身は好きな座り心地だ。

■シーズンは予約はとりにくい列車


 今回は、そこまで座席をとるのに
苦労したわけではなかった。

金曜日ということもあるかもしれない。
1週間前で取ることができた。

この日は、夏休み終了後すぐという事と
残暑が大変厳しくお出かけする人自体が
減っていたのかもしれない。
利用日は9月上旬。

なお、当日は空席も見られた。
10/9時点では11月の初旬頃の指定券は
早々に売り切れているようでした。
 

■呉までは完全都市電車の中を行く


牡蠣小屋が見える


 単線でありながら、快速が1時間に2本、
普通が1時間に2本とかなり多い。
どの駅でも行き違いすると感じるほど。

 臨時快速ゆえ、待たされることもしばしば。

ここまでは、ほぼ線路は南下しているといえ
海が見えた反対側の島は
実は、安芸の宮島こと、厳島だったりする。

東に向かっているものと思っていると
意外な一面。


赤い線に沿って海岸を進む。
厳島がこうやって見える

■広を過ぎると完全なローカル線に


丸い窓が特徴的


 この辺りからは、東に向けて進んでいく。
とびしま海道の島や、うさぎの島で
有名な大久野島など見える。

■いよいよ、お待ちかねのスイーツ


呉を出発すると予約されていた
スイーツが運ばれる。

これは、2000円、3700円のものがある。
JR西日本のTABIWAから予約することができる。

なお、事前予約のみで当日はできない。
ざっと見る限り、半分くらいの乗客が
注文していた。


車内でも軽食、飲み物は販売している


車内販売のブース。
なお、テーブルの下に洗面台が。
この洗面所で手を洗う人はいるのかな?

■この観光列車の経済的効果をみてみる


 まず、40名の定員である。
それに対して、運転士・車掌・アテンダント2名の
合計4名で運行されている。

ということは客10名に1名の乗務員が
ついている計算である。

これは、純粋に見れば非効率な列車で
多くの赤字を生むと考えられる。

また、尾道へ観光客が1日に40名増えても
さしたる経済効果はないと考えられる。

ただ、この列車のポイントは
「高級スイーツ」だと思われる。

これがどれだけ売れるかによってこの列車の
成否がかかっていると思われる。

また、スイーツの一部には
ホテルグランヴィア広島の協力を得ている。
これはJR西日本系の高級ホテルである。

■まとめ


・呉線を行く、週4日ほど走る全グリーン車のエトセトラ
・当たり席とか考えてしまいがちだがあまり気にしなくてもいい
・座席の座り心地もなかなか上質
・高級スイーツの売れ行きが列車成否の生命線かなと
・海沿いの景色はもちろん最高だけど、乗車時間が長め

是非機会があれば乗車してみてください

いいなと思ったら応援しよう!