![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156702026/rectangle_large_type_2_cc9d8f1dc3c0272bb4463205bdd69040.png?width=1200)
乗車率が低迷する都会の特急列車
大阪近郊のJR宝塚線は、関西の奥座敷と
呼ばれる城崎温泉を結ぶ特急列車を
運行している。
しかし、この特急は特にコロナ禍からの
回復が思わしくない。
それはなぜか?
またちょっとした乗車率向上の工夫とは?
■実際に、八鹿駅→尼崎駅に乗ってみた
週末の夜に、上り列車に乗車した。
こうのとり24号である。
城崎温泉から福知山までは4両編成であったが、
同駅で3両増結の7両編成になる。
温泉の日帰り客や、但馬周辺の観光で
訪れた人が多数乗っているものと考えていた。
まあ、その証拠に福知山駅で3両増結して
運転するというくらいだから。
ただ、お客さんは増えることなく、
夜の福知山線を静かに走る。
柏原・篠山口・三田と停車すると
大阪都市圏に入ってきた感じだ。
宝塚は阪急との乗り換え駅。
尼崎駅まで帰ってくると都会の賑やかさの中に
帰ってきた感じが一気にする。
ただ、わずかばかりのお客さんしかいなかった。
■乗客が少ない要因
![](https://assets.st-note.com/img/1728257607-OsLeNDbKQ4Ta6j5ImVZkfSri.jpg)
私自身は、城崎温泉が特に
インバウンド界隈では人気の観光地との報道をみて
知っていたのでかなり不思議な感じがした。
関西人なら、城崎周辺には北近畿自動車道の
延伸でほぼ高速道路でつながったので
クルマで出掛ける機会が増えた。
そのため、地元客が減ったのはわかる。
ただ、私が乗った時にはインバウンドも
ほとんど見かけなかった。
■ベッドタウンと通勤特急
この「こうのとり」号はJR宝塚線という
大阪への通勤路線を通る。
そのため、JR西日本では着席通勤に力を入れて
通勤特急として推している。
「JR西日本数字で見る2024」の中で
都市間特急のコロナ禍からの利用客数というところで
「きのさき」「やくも」などの特急は2019年比85%
戻ってきている。
しかし、「こうのとり」は70%しか戻ってきていない。
これは、ちょっと突出した数字になっている。
どうも、この需要に陰りが見えているようだ。
■新名神高速道路が開通が遠因に?
![](https://assets.st-note.com/img/1728258077-8EsZhcbdyDuXTmfV7SNJ4n5W.jpg)
高速道路の事情になる。
以前は、週末には中国自動車道で週末には
宝塚トンネルで大渋滞が起こっていた。
これは、まさに行楽客のクルマの移動のためである。
しかし、新名神高速の開通のお陰でほとんど
混まなくなった。
これ自体は「こうのとり」とは何の関係もない。
ただ、この空いた中国自動車道を活用して
三田の住宅街を発着する高速バスが
大阪や神戸に向けて設定されたのである。
しかも、通勤向けのバスである。
![](https://assets.st-note.com/img/1728258486-0OHMSIUA6leN5DZqGsFgiJxV.jpg)
このほかに、関西学院大学発着のバスが多数ある
これが、JRや神戸電鉄を利用していた
通勤客が利用し始めたのである。
そして、特に通勤時に「こうのとり」号を
利用していた人は快適性もほぼ変わらない
高速バスに移った人が多いように思われる。
![](https://assets.st-note.com/img/1728258551-Ni3j7wkDvYMdch02AK9LySUz.jpg)
また、三田の大きな住宅街はJRの駅からは
離れていて高速バスなら住宅街で
乗り降りできるメリットがある。
■JRのこまかな「こうのとり」号施策
自由席をなくし、定価ベースでは大幅な
値上げとなった「こうのとり」号。
ネット予約のチケットレスなら従来と同じ
くらいの値段で利用できるようにしている。
ここまでは他の通勤特急でも行っている
サービス。
ただ、この「こうのとり」号は乗車後でも
チケットレス特急券を買えるようにしている。
これは、通勤時でも十分に空席があるから
このようなことができるという事なのだろう。
■まとめ
・特急「こうのとり」のお客さんが戻らない
・インバウンドに人気の城崎温泉を抱えるにも関わらず
・通勤利用者が大きく減ったようだ
・北摂地区の高速道路網改善で通勤高速バスが人気になったからか?
・「こうのとり」だけ乗車後にチケットレス特急券が購入できる