見出し画像

自転車並みの速度だけどスピード感あるトロッコ列車~黒部峡谷鉄道

黒部の大自然を味わうには最適な乗り物
今年限りの乗り降りできる駅
秘境の温泉も沿線に多い


■黒部峡谷鉄道とは?


宇奈月駅。富山地方鉄道の宇奈月温泉駅から徒歩5分くらい
宇奈月駅の2階には黒部峡谷鉄道の歴史がわかる展示がありました

・電力会社が経営する鉄道

 富山地方鉄道の終点宇奈月温泉から、
欅平までを結ぶ黒部峡谷鉄道。

元々は関西電力が黒部ダム建設のために
人材や資材運搬用に作られました。

そして、沿線には風光明媚なところや
秘境の温泉が多いことなどから
観光用に乗せてほしいとの要望が
多くありました。

「冬の間は、閉鎖、命の保証をしない」
という条件で一般向けに運転される
ことになりました。


宇奈月駅前の電気記念館。黒部のダム建設の歴史が学べます

・冬眠する鉄道


このトンネルは冬に人が資材を運ぶトンネル


今でも、冬季は架線も外され完全に
運休してしまいます。

これは、あまりに雪が多いからです。
その間は、関西電力の人が専用の
トンネルを使い資材を歩いて運ぶらしいです。

・観光客が乗れる客車は2種類



現在は、一般用車両は窓のない
吹きっさらしの車両です。

リラックス車両は窓がある車両です。
お値段は、一般より600円プラスです。

春先や、秋の運転終了間近あるいは
雨に日はリラックス車両が重宝しそうです。


機関車の後ろは、リラックス車両

・車両や施設がミニチュアサイズ


電気機関車が客車や貨車を牽引しています。
最高速度は25㎞/hです。

それでも、トンネルの中などの狭いところを
通るとスピード感を感じます。

対極ではありますが、
東京ディズニーリゾートの
ビッグサンダーマウンテンを思い出しました。

線路の幅は、ナローゲージと呼ばれる
762ミリ。

これは新幹線の線路の幅の約半分です。
そのため車両は大変小さいです。

これにより、トンネルの断面を小さく
作ることができます。
工費や工事期間を少なくできる
メリットがあります。

・観光案内が素晴らしい


新しいやまびこ橋から見た旧やまびこ橋


自動放送の声を担当されているのは
室井滋さんです。
しゃべり方が軽妙でなかなかいい感じです。

・一般客が乗れない列車も走る


先発は工事列車で一般は乗れません


なお、時々工事専用列車というのが走り、
それには工事関係者しか乗ることが
できません。

他ではちょっと見たことがないですね。

・ひと昔の鉄道を思い出す


機関車の連結作業中


 一般の鉄道では、ワンマン運転化など
人手がかからないようにシフトしていますが
ここでは、多くのスタッフが働かれています。

列車は、運転手さんだけでなく
車掌さんも乗務されています。

途中の黒薙駅も駅員さん2人いました。

もちろん、自動改札やICカードなど
導入されておらず紙の切符を窓口で購入します。
クレジットカードは使えました。

また、終点の駅では機関車の付け替え作業が
あるので多くの人手が必要となります。

■能登地震の影響が残る



・地震の影響


今年の運行は、お正月の地震の影響で
猫又駅までの運行です。

猫又駅は、一般の人が下りられる駅では
なかったですが、急遽仮設の展望台を
作りました。

こちらの利用は、今年の11月30日まで
という限定なので行こうと
計画されている方はお急ぎになられた
方がいいでしょう。

・キャニオンルートは今後が楽しみ


今年は、地震がなければ、
キャニオンルートという本来の終点の
欅平からさらに奥にある黒四ダムまでの
区間が開通予定でした。

おそらく来年以降に乗ることが
できるようになると思われますので
楽しみに待ちたいと思います。

なお、黒四ダムでは
立山・黒部アルペンルートに合流します。


■沿線の風景


・「ヤッホー」と言いたくなる橋


宇奈月温泉を出発すると「やまびこ橋」を
渡ります。

この橋は架け替えされたもので
古い橋は歩道になっています。

・メルヘンな形の建物も


トンネルを抜けるとうなづき湖になります。
ダム建設のために作られた鉄道で
黒四ダムだけでなくたくさんのダムが
見られます。

この先に、うなづき湖の管理棟があります。
ちょっとメルヘンチックな建物です。
直接線路も通じています。


・峡谷沿いにのみどころ



仏石というお地蔵さんみたいな石が見えます。
猿専用の橋も見えます

・今年唯一の途中下車可能駅



わたしは、途中の黒薙駅で降りました。
ここを、過ぎると青い鉄橋の後曳橋です。


■まとめ


・ダムを建設するために作られた小さいサイズの鉄道
・絶景とトンネルの連続の鉄道
・猫又駅で降りて散策できるのは今年11月30日まで限定

これからの季節は紅葉もキレイだと思うので是非、黒部峡谷鉄道へ

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?